新型コロナ「2類相当のまま」「5類に」ネットで議論活発、感染症専門医の見解は?

安倍発言で「再燃」
ライター/SAKISIRU編集部

3日付けの読売新聞のインタビューでの安倍晋三元首相の「薬やワクチンで重症化を防げるならば、新型コロナを季節性インフルエンザと同じ『5類』として扱う手はあります」とした発言をきっかけに、年明けからネットでは「5類引き下げ」論が再燃している。

recep-bg /iStock

そうしたなか、沖縄県立中部病院感染症内科の高山義浩医師は7日未明、自身のフェイスブックで、新柄コロナウイルスの2類相当から5類への引き下げは「まだ早い」との自身の見解を述べている。

なお、高山医師は2年前の感染拡大初期、横浜港に停泊するクルーズ船の感染対応のメンバーの1人。同船の感染対策を疑問視する別の感染症医が船内を撮影した動画を拡散させ、国内外に波紋を広げた際には、正確な事実関係をネットで理路整然と説明。以来、「現場発の論客」として注目されている1人だ。

(編集部注:2類相当から5類への引き下げ時期は)近づいてきたと思いますが、まだ早いです。第7波の途中か、その次ぐらいで『5類相当の運用』に切り替えていき、高齢者への定期接種(国産ワクチン?)の見通しが立ってから『新型インフルエンザ等感染症』(編集部注:2類相当)から解除されるんじゃないかな。

さらに、2類だけに認められている入院措置や就業制限などの強い人権制限をどう適用するかは、都道府県知事次第だと続ける。

たとえば、第19条(編集部注:感染症法)には「都道府県知事は、~~入院させることができる」となっていて、裏を返せば、都道府県知事は「しないでいいよ」と言うことも法的には認められているんです。だから、いまでも流行が大きくなると、自宅療養に切り替えているわけ(法令違反じゃないよ)。さらに、わざわざ隔離しなくても「急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれ」がないと判断されれば、「今後、入院措置はしません」と知事は宣言することができます。これが、上記で私が言う「(新型インフルエンザ等感染症のまま)5類相当の運用」にするということ。

また、2類相当のままだからこそ、国民は医療費の心配をせずに新型コロナの治療に専念できるという。

新型コロナウイルスに対する治療薬… たとえば、人工抗体薬の注射薬なら1回30万円。内服薬でも8万円ぐらいします。いま、5類にしちゃうと3割負担で莫大な負担です。これを無料(公費負担)にすることで、国民の医療アクセスを促進し、「健康に重大な影響」が出ないようにする必要があります。当然、ホテル療養も自己負担です。

確かに、高山医師の見解を聞く限り、早期の5類への引き下げは必要ないのかもしれないと思えてくる。

ネットでは多数派の「5類引き下げ」、他の専門家は?

とはいえ、ネット上では安倍発言をきっかけに、「5類引き下げ」を主張するユーザーが多数派を形成しているようだ。

なんでオミクロンを5類相当で対応しないんだろう? わざわざ大袈裟にして、湯水のように税金使ってたら、国が滅んじゃうよ…

5類にして若者や子供たちの沢山の今しかできない貴重な経験を守ってください。

早くインフルと同じ5類にして普通に戻せ!

こうした声は、一般ユーザーだけにとどまらない。医師と思われる匿名ユーザーからの「うちの病院、オミクロン数名入院してるけど症状はみんな軽い熱、鼻水、咳、程度…。5類でもやりすぎ」といった声や「2類から5類にすることで、国民の負担を軽減できるなら今日明日にでも5類にすべき」といった声が確認できた。

ほかの専門家の意見を見てみると、京都大学ウイルス研究所の宮沢孝幸准教授はツイッターで「オミクロンが流行るならなおさら5類相当にしないと終わりますね。わかりますよね、この理屈」と述べたように、“5類派”だ。

また、長崎大学大学院の森内浩幸教授(日本小児感染症学会理事長)も出演したテレビ番組で「飲み薬は発症してから2~3日以内の服用が大切。すぐに処方できるように5類にした方がいい」といった趣旨の発言をしている。

こうして意見を見比べてみると、「2類相当のまま派」「5類への引下げ派」のどちらにも理があると思える。少なくとも、安倍元首相が「薬やワクチンで重症化を防げるならば」と前提しているように、いつ、どのような状態になれば2類相当から5類への引き下げを行うなどの議論はする必要があるだろう。そして、得た結論は速やかに国民に共有してもらいたい。

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