北朝鮮の飛翔体発射で話題の「金正恩選手」とは?謎ワードの発祥に迫る

「打てば打つほど首が涼しくなってくる謎の選手」
ライター/SAKISIRU編集部

11日7時27分ごろ、北朝鮮が内陸部から日本海に向けて飛翔体を発射した。防衛省は、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定している。北朝鮮が飛翔体を発射したのは、5日に次いで今年2回目。

このニュースを受けて、ツイッターでは「金正恩選手」というワードが飛び交い、一時、トレンド入り。ツイッターには、野球に引っ掛けた、次のようなコメントが多数寄せられている。

narvikk/iStock

金正恩選手 第2号

金正恩選手、第2号ホームランでございます

金正恩選手、1月で今季2号か

また、同日、みずほ銀行がシステム障害を起こしたことを引き合いに「金正恩 第2号。みずほ銀行 第1号。この争い年末まで続きそうやね。ちなみに去年は金正恩選手7本、みずほ銀行選手 9本」と揶揄するユーザーもいた。

ツイッターでは野球選手とのコラージュ画像を使う人も続出…(編集部撮影)

ところで、この「金正恩選手」というワード。いつから使われだしたのだろうと調べてみると、どうやら発信源は2ちゃんねるではないかということが分かった。

2017年11月29日に2ちゃんねるに「金正恩選手23号wwwwwwwwwwwww」というタイトルのスレッドが立った。このスレッドは同日未明、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを受けて立てられたもの。スレッドでは、金正恩氏のトップ在任中に打ち上げられたミサイルをプロ野球のホームランに見立てて、次のように紹介している。

金正恩の通算ミサイル発射成績

2012年 2本
2013年 6本
2014年 19本
2015年 15本
2016年 24本
2017年 23本

参考 金正日(1994-2010) 16本

この日に打ち上げられた弾道ミサイルがこの年の23発目だというのが、スレッドタイトルの意味だ。スレッドは、10分間で100件以上のコメントが付くなど大盛り上がりを見せ、「打てば打つほど首が涼しくなってくる謎の選手」「メジャー行きやな」「まだアメリカへの場外は打ってないやろ」などと、コメント欄はさながらネタ祭りの場と化している。

日本人がネタとして楽しんでいるうちに…

この日、打ち上げられた弾道ミサイルは発射から約950キロ、青森県沖の日本海に落下しているが、日本政府関係者は「飛行距離は1万キロを超える可能性がある」と分析。北朝鮮からアメリカの首都・ワシントンは約1.1万キロということで、一気に世界的な緊張度合いが高まった。その裏で、日本ではこのようなスレッドが立って、ミサイル発射自体がネタ化されていたわけだ。以来、北朝鮮が弾道ミサイルや飛翔体を発射するたびに、ツイッターや2ちゃんねるでは「金正恩選手」のワードが飛び交うようになった。

北朝鮮のミサイル発射に関しては、東京大学名誉教授の上野千鶴子氏が「北朝鮮がミサイル発射。金正恩は自民党の応援団か?いつもタイミングがよすぎる」とツイートするなど、右派、左派関係なく、ある種ネタのように消費するようになって久しい。

韓国の聯合ニュースは今回のミサイルが、北朝鮮が発射したものとして初めて速度がマッハ10を超えたと速報した。これまでの最速はマッハ6程度ということなので、北朝鮮が着々とミサイルの能力を高めていることは明らかだ。日本人がネタとして楽しんでいるうちに、北朝鮮が日本の原発をピンポイントで狙えるような高度なミサイルの開発に成功した、などということにならなければいいが…。

 
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