BBCをぶっ壊〜す!N党立花氏も注目、「受信料」凍結を巡る党利党略

ジョンソン首相が苛立つ「偏向」報道?
  • イギリスのジョンソン政権が、BBCの受信料を2年間凍結する方針を打ち出し注目
  • インフレ上昇による国民の生活を守る口実だが、野党は批判的
  • BBCと同じく受信料制度で成り立つ日本のNHK改革論にも影響か

イギリスのジョンソン政権が、コロナ禍の国民の窮乏を名目に、BBCの受信料を2年間凍結する方針を打ち出し、日本でもNHK改革論者たちを中心に注目を集めている。

ロンドンのBBC本社(mikeinlondon /iStock)

事態が動いたのは16日。ナディーン・ドリス文化相がデイリー・メール紙に対し、「国営テレビの時代は終わった」などと述べ、BBCの受信料制度を2年間凍結するなどの構想を一方的に語った。さらにこの記事をツイッターで引用しながら、「これが受信料に関する最後の発表になる。(受信料不払いを理由に)高齢者が刑務所行きだと脅されたり、執行人が扉をたたいたりする日々はもう終わりだ。素晴らしいイギリスのコンテンツに予算をつけて支援して、販売するための、新しい方法を話し合い議論するべき時だ」と投稿(日本語訳はBBCニュースより)。これが受信料廃止を示唆するものとして、イギリス国内のみならず日本も含む他国にも報じられて注目を俄然集めた。

ドリス氏は翌17日の議会で議長から「先に議会で説明をすべきだった」と苦言を受けたが、「世界的に生活費が上昇しており、政府は各家庭をできる限り支えると決めている」などと述べ、受信料を2年間凍結する方針を改めて示した。これに対し、BBCは会長と理事長が連名で声明を発表。「BBCがインフレを吸収しなければならないことを意味し、残念なことだ。BBCの収入は、実質ベースで10年前よりもすでに30%低くなっている」などと失望の色を隠さなかった。実際、BBCは受信料収入に大きく依存しており、経営が一気に厳しい局面に立たされる。

ただ、BBCの受信料廃止論は決して唐突に浮上したわけではない。20年2月にはジョンソン首相の側近が、サンデータイムズにリークする形で受信料制度から課金性に切り替えるなどの政権のBBC改革案が表沙汰になっていた。ジョンソン氏は2019年の総選挙の際、主要政党の党首で唯一、BBCのインタビューを拒否するなど、BBCとの関係性は近年、悪化している。

ジョンソン首相(英首相府Facebookより)

BBCは「不偏不党」を掲げてきたが、2016年、EU離脱(ブレクジット)が政治的争点となり、国内が離脱派と残留派で激しく分断した際、BBCの報道内容に対し「政治的なバイアスがある」との批判が強まっていた。ジョンソン氏などの離脱派からはBBCが「残留派寄り」とみなされ、政権を厳しくチェックする姿勢がリベラル偏向と受け止められていた。

BBCによると、野党第一党の労働党は、「報道内容が気に食わないからと、イギリスを代表するこの偉大な組織を、何が何でも攻撃しようとしている」(ルーシー・パウエル影の文化相)と政権の対応を非難しているが、日本で2019年、参院選で一世を風靡した「NHKから国民を守る党」(N国)による「NHKをぶっ壊〜す!」ばりの、ジョンソン政権の「BBCをぶっ壊〜す」動きはとどまるところを知らない。

その“ご本家”、現在は党名を「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(N党)に改めた立花孝志代表は18日、ツイッターでBBC受信料凍結に言及。「NHKは戦後イギリスBBCを模範にして、今の受信料制度を作った」と振り返った上で、「令和の今もイギリスBBCを模範にする時が来た! 」と、ジョンソン政権の動きに大いに勇気づけられていた。

 

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