まるでチャベス?「株主利益を人的資本へ投入」梶山前経産相の国会質問、投資家らに波紋
“新しい社会主義”が止まらない!- 通常国会の代表質問、自民・梶山氏の質問での発言が物議
- 「株主利益を人的資本へ投入」の発言に投資家らがネガティブな反応
- 渡瀬裕哉氏が、かつての反米左派路線で知られるあの人を引き合い

通常国会は19日、衆院で代表質問の初日を迎え、自民党からは梶山弘志幹事長代行(前経産相)が登壇。その際、「株主利益の人的資本への投入」と述べたことが投資家や経営者らの間で物議を醸している。
梶山氏の発言は、「新しい資本主義」を掲げる岸田政権の分配戦略に関して触れた中で出た。「岸田総理は『新しい資本主義』を通じて生み出された利益を適切に分配し、次の消費、新たな需要を生み出し、さらなる供給力の強化につなげる好循環を目指している」と提起した上で、「既存の分配構造を是正し、『人』を中心に据えた分配を実現するためには、株主利益の人的資本への投入や適正な価格転嫁の実現など、あらゆる政策手段を通じて賃上げを実現させることが必要」との持論を披露。
続けて梶山氏は具体的な「人的資本」のあり方について「また、官民が連携して企業が求める人材を的確に把握・共有し、職業訓練や大学などでの学び直しの実施など、『人への投資』の抜本強化も重要であると考えるが、今後どのような施策を展開していく方針か」と尋ねた。
これに対し、岸田首相は「成長と分配の好循環による持続可能な経済の要となるの賃上げや人への投資をはじめとする分配戦略」との認識を改めて示し、「賃上げについては賃上げ税制の拡充、公的価格の引き上げに加え、中小企業については原材料費の高騰に苦しむ中、適正な価格転嫁が行えるよう、環境整備を進める。またできる限り早期に全国加重平均1000円以上となるよう、最低賃金の見直しに取り組んでいく」と答弁。さらに、人への投資の抜本的強化として、3年間で4000億円規模の施策パッケージを創設し、デジタル分野など成長分野への人の移動や人材育成を強力に進める方針だと述べた。
岸田首相の答弁では直接触れなかったものの、梶山氏の「株主利益の人的資本への投入」発言には、世界的金融情報サービス会社のブルームバーグはビビッドに反応。主要顧客である投資家や投資先の企業の利益への影響を考慮したためか、梶山発言を14時27分にいち早く速報した。
ツイッターでは投資家や経営者らがこの速報に即応。一般投資家とみられる匿名アカウントは
「株主利益を人的資本へ投入」ってw またとんでもないパワーワード出してきたw
なんで株主でもないお前らに、株主利益の使い方を決められないといけないの?
こんなのをブルームバーグが報道していたら、外国人投資家が日本株を真っ先に売りたくなる気持ちは分かります。
などと多くが否定的に捉えていた。
特にある投資家が「まるで株主が労働者や下請け企業を搾取しているかの言いよう。こんな周回遅れのマルキストもどきが政界に跋扈しているのが日本」と指摘するように、政権や与党の中枢にいる政治家の「資本主義への認識」そのものに暗澹たる思いをしているようだ。

上場企業の役員経験もある国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏は、かつての南米ベネズエラの大統領。ウゴ・チャベス氏(2013年死去)を引き合いに、「チャベスみたいなノリになってきたな笑、本気?」と失笑気味にツイートした。
チャベスは軍人出身で、クーデター失敗による投獄を経て、合法的な政治活動に路線転換。「反新自由主義」を掲げ、持ち前の豪放磊落なキャラクターと巧みな弁舌で、貧困層の圧倒的な支持を獲得。1999年に大統領に就任すると、自他ともに認める社会主義者として、企業や農場などの国有化を積極的に推進。その一方で、石油資源の国富を背景に、自らの支持層である貧困層向けの医療無料化などで還元した。
しかし、チャベスの極端なバラマキ施策では、治安や経済情勢の悪化を止められず、2013年3月、本人は大統領在職中に死去。ベネズエラは後継の政権もアメリカの経済制裁もあって困窮は続いている。
翻って梶山氏。通産相や官房長官などを歴任した梶山静六の長男として知られ、死去した父の地盤を引き継ぎ、2000年に初当選。安倍政権時代の2017年に地方創生担当相として初入閣し、菅政権では不祥事で辞任した菅原一秀経産相の後任として急遽登板。ここまで8回当選している。
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