石井紘基議員暗殺事件から20年、遺された63箱の資料の謎は?鳩山氏“盟友”を直撃

政治団体「共和党」が未解決事件の調査に乗り出す
ライター
  • 鳩山元首相氏の発信で「石井紘基暗殺事件」が再注目。盟友の元議員を直撃。
  • 「事件の真相を解明したい」が、資料の整理のため、広大な空間と人手が必要
  • 鳩山氏サイドから遺族に接触し、資料を移送

鳩山由紀夫元首相のツイートを契機に、再び注目を集めている「石井紘基(いしい・こうき)暗殺事件」。権力の闇に迫ろうとしていた石井紘基元衆院議員は、なぜ右翼に暗殺されたのか。

鳩山氏のツイートには、「これから首藤信彦君と共に彼の遺志を継ぎ、闇の解明に当ろうと思う」とあった。その首藤(すとう)信彦氏(76歳)に話を聴くべく、永田町にある事務所を訪ねた。

共和党事務局に貼られているポスター(筆者撮影)

首藤氏は、伊藤忠商事勤務後、東海大学政治経済学部教授を経て、2000年に民主党の衆院議員として初当選。2012年の総選挙で落選後、しばらく政治の表舞台から遠ざかっていた。

しかし2019年9月、首藤氏は鳩山氏とともに政治団体「共和党」を結成。ホームページには「劣化した日本の民主主義を超える新たな政治システムで『富国有徳』の日本を導きます」とあるが、重点政策は「アメリカ主導ではない友愛外交」、「原発廃止」、「教育改革」などの言葉が並んでおり、あまり目新しさは感じられない。

ともあれ、鳩山氏と首藤氏はともに政治団体を立ち上げた“盟友”関係にあるのは間違いない。今回の資料入手の経緯について、首藤氏に尋ねた。

「石井氏は東海大学の同僚でしたが、生前は彼の仕事についてそれほど注目していなかった。共和党では過去の未解決事件や疑獄事件について再調査を行っていて、さまざまな事件を調べるなかで、2年ほど前に石井氏の功績の大きさを再認識したのです」

北朝鮮の拉致問題や1985年の日航機墜落事故、1949年に起きた下山事件などの解明も進めたいという。

「資料は現在は都内にある鳩山氏の事務所に置いてありますが、資料を整理するにはまず、広々とした空間と、文書を整理する人員が必要になる。人員といっても、学生アルバイトでは心もとないので、なるべく政治学に造詣のある研究者が望ましい。いつから調査を開始できるかは、まだ分かりません

首藤氏と鳩山氏は2019年9月に共著を出版(筆者撮影)

石井氏は死の直前には、安全保障に関する問題にも、手を出していた。

「暗殺される直前には、国会で防衛省関連の質問をしていた。彼がどういう調査をしていて、何に迫ろうとしていたのか明らかにしたい。おざなりの裁判しか行われず、不可解な点が多く残っています。事件の真相を解明したい」

資料が鳩山氏のもとに渡った経緯については、こう説明した。

「石井紘基暗殺事件の調査を進めたいと考え、私たちから石井氏のご遺族にコンタクトを取りました。連絡先を見つけるのも苦労しました」

63箱の資料を整理し解明するのは気が遠くなりそうだが、新事実に触れることもできるかもしれない。人手が必要とのことなので、我こそはと思う人は、共和党ホームページから連絡してみてはいかがだろうか。

 

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