トヨタのエース社員流出が、日本経済が案外いい方向に向かっていると思えるワケ

人材“飼い殺し”に始まる負の連鎖からの脱却
ジャーナリスト
  • 会社を飛び出し予期せぬ成功(セレンディピティ)を収めるにはどうするか
  • 日本人の所得が伸び悩むのは優秀な人材の流動性と労働生産性が低いこと
  • 大企業の人材“飼い殺し”が生んでいる負の連鎖とは?その打開策は?

【編集部より】トヨタ自動車から幹部社員が相次いで退職--。その動きをいち早く伝えた井上久男さんが日本経済再興の視点からこの問題の今日的意義を解説します。

7maru /iStock

会社を飛び出し「予期せぬ成功」をするには

実は自分のキャリアが思い通りに行く人なんておそらくいない。米スタンフォード大においてキャリア論で有名なジョン・D・クランボルツ教授は「計画的偶然性」という概念を示している。計画と偶然は相反する概念であるが、キャリア形成とは、一定の計画をもって努力をしながら、その成功をつかみ取るのは偶然の結果である、という意味だ。

偶然の発見という意味で「セレンディピティ」という言葉が使われる。ノーベル賞級の研究も「セレンディピティ」によるものが多いと言われるが、これは単なる偶然ではなく、優れた研究の背後には多くの無駄や試行錯誤、すなわち努力が隠されているということである。こうした努力を積み重ねた結果、予期せぬ成功が転がり込んでくるという意味だ。

こうも言えるのではないか。

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【編集部より】今回のテーマに関連し、井上久男さんが2016年に書き下ろした書籍です。

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