愛子さまを大学に一度も行かせないのは間違いだ
八幡和郎氏 連載「ポストコロナ時代の皇室を憂う」#1【編集部より】小室眞子さん、圭さんの結婚騒動の余波で、悠仁さまの高校進学までバッシング対象にされるなど、いまの皇室は前途多難な状況です。そうした中、2月23日の天皇誕生日に先だって行われた陛下の記者会見でのお言葉に「さまざまな問題を解く鍵が隠されている」と八幡和郎さんは指摘します。
リモート学習が長期化する愛子さまの学びの今後は?そして悠仁さまに“帝王学”をどう指南していくのか?宮内庁の対応を含め、八幡さんが数回に渡り「ポストコロナ時代の皇室の憂い」について打開策を含めて問題提起します。(連載は不定期)

大学生活巡り、陛下の興味深いお言葉
愛子さまは学習院大学文学部に在学中でおられるが、登校されたのは、一昨年(2020年10月)のオリエンテーションの1回だけだと報道されている。
2020年度は原則、遠隔授業だったのだが、21年度は対面授業も行われており、奇妙なことである。遠隔授業だけでも進級に必要な単位が揃うのかどうかは分からないが、私が教えている二つの大学でも、遠隔授業を主にしている学生は例外的であり、かなり特殊な選択である。
これがいったいどのような事情によるものか、かねがね疑問に思っていたが、2月23日の天皇誕生日を前に行われた記者会見で興味深いお言葉があった(お言葉は宮内庁サイトより)。
愛子は、昨年12月に成年を迎えました。成年に当たっての感想の発表や成年の行事に臨むに当たり、緊張もあったと思いますが、何とか無事に諸行事を終えることができ、私たちも安堵どしました。
愛子は、一昨年大学生になりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、授業にはオンラインでの出席が続いています。2年生になり、演習の授業での発表があったり、課題の提出などで忙しい毎日ですが、大学での勉学に一生懸命に取り組んでいます。
私自身の大学生活を振り返ってみますと、…大学では様々な人たちと顔を合わせて授業を受けたり、放課後の部活動で一緒に参加したり、見ず知らずの人と学生食堂で隣り合ったり、新しい発見と経験の連続であったように思います。
そういう意味でも、愛子には、感染症が落ち着いて、いつの日かキャンパスに足を運べるようになると良いなとは思いますが、たとえどのような環境にあっても、実り多い学生生活を送ることができればと願っています。
愛子は、家族との時間を大切にしてくれており、愛子と3人でいると、私たちの団欒らんは、笑いの絶えない楽しいものになっています。
昨年も述べましたとおり、愛子には、いろいろな方からたくさんのことを学び、様々な経験を積み重ねながら視野を広げ、自らの考えを深めていってほしいと願っています。また、今後、成年皇族として、思いやりと感謝の気持ちを持ちながら、一つ一つの務めを大切に果たしていってもらいたいと思います。

不可解な不登校の長期化
これを見ると、陛下は自分自身の経験から、大学へ通学し、「様々な人たちと顔を合わせて授業を受けたり、放課後の部活動で一緒に参加したり、見ず知らずの人と学生食堂で隣り合ったり勉学以外にさまざまな人たちと合ったり」することが、「新しい発見と経験の連続であった」と仰っているわけだ。
それならば、一回生のときには、学園が事実上、閉鎖状態にあったからしかたないとしても、二回生になってからは、他の学生が、頻度は通常ほどではないにせよ、通学し、それなりに上記のような実り多い体験をしているのに、どうして愛子様は昨年の1年間にいちども登校されなかったのかということになる。
皇室の一員だから通学できないということがあるのだろうか。眞子様や佳子さまについていうと、眞子様は普通に電車通学されていたし、佳子様もそうだったが、マスコミで人気者になられてからは、目立つ方であるし、難しいということになり、ICUの三鷹キャンパスまで公用車で通学されている。
愛子さまの場合、最初は少し注目されるだろうが、落ち着いたら服装など工夫されたら電車通学でも可能だろうし、それが難しいというなら公用車で通学されたら良いことだ。
愛子様の立場上、一般人に比べてとくに感染防止に神経質になる必要はあるのか、といえば、公務でほかの人に会うことが多いわけでないのでとくに神経質である理由はない。
両陛下への感染の可能性も、高齢者がいる一般家庭に比してとくに神経質になる必要があるわけでない。そもそも、親に感染させたら困るので、子どもが大学に行かないというのは相当に常識的な判断でない。
それに、御所は広いのだから、食事などのときも感染防止は容易だ。もし、両陛下への感染防止に万全を期したいというなら、愛子様はご両親と別居されてもいい。むしろ、独立心を養うために別に住まれた方がいい面も多い。
また、御所は広いのであるから、日常的に両親にお会いにならずに生活することは、別居までされなくても何も難しいことではない。

ご学友との触れ合いの重要性
「感染症が落ち着いて、いつの日かキャンパスに足を運べるようになると良いなとは思います」と仰っているのだから、愛子さまが大学に行くことそのものを嫌がっておられるわけでない点は安心した。
皇室に生まれた方々は、一般社会とのふれあいのチャンスが少ないので、学生時代の友人たちとの交流の重要性は一般人より大きいのである。
眞子さまの結婚騒動で、ほかの学生との交流などするからあのようなことになったという人もいるが、あれは、大学の狭い範囲の人としか交流しないから、いわば釣り堀で釣られたようなことになったのであって、愛子さまも年齢相応の免疫力が育たないまま、適齢期を迎えられることにはかえって不安が大きい。
私は悠仁さまのお妃捜しについても、いまからさまざまなホーム・パーティーなどに出席されて、多くの女性とも普通に付き合われていたほうがいいし、そうしたネットワークのなかで適切な相手もみつかると提案してきたし、愛子様についても同じことが言える。
かつて昭和天皇の皇女であった成子(東久邇)さまや孝子(鷹司)さまは、世間知らずでは結婚してからたいへんというので、花嫁修業に一般家庭などに住まわれたりしたほどだ。眞子さまだって、もう少し自由な生活をさせて上げた方が良かったと思う。
愛子様は、普通に考えれば、大学卒業後は公務を何年か濃密にしていただき、そのあと結婚して民間人になられる可能性が高い。今回の皇位継承についての有識者会議の報告にあるように、結婚されたのち、ご本人だけ皇族として残られるとしても、これまでの皇族の生活とはだいぶ違うものになる。
そうであれば、公務をしていただくためにも、将来、民間人になられるためにも、御所にこもられたまま何年もすごされているのは、良いことなど何もないはずだ。
成年記者会見を延期されたのは適切でない
もうひとつ、愛子さまのことで心配なのは、成人にあたって記者会見をすることが皇族に生まれたものにとって、ひとつの通過儀礼となってきたのを延期されるのを宮内庁が認めたことで、私はよくないと思う。
当時は、父親が皇嗣殿下になる前で、後年よりはお立場が重くなかった眞子さま(当時)、佳子さまも誕生日の少し前にあらかじめ、はじめての記者会見をされているのである。

学業が忙しいからとと言うのが理由にされたが、遠隔授業しか出ておられないのだからそんなはずない。そもそも皇族というのは、決められたことを決められたときにするというのが何より大事な仕事であり、この記者会見は、女性皇族にとって婚約会見などと並んで一生でもっとも大事な行事のひとつなのだから、これを延期するというのは如何かと思う。
また、3月に延期ということになっているが、悠仁さまの卒業と入学という慶事にぶつけるかたちのタイミングでもあり、疑問が残る。
側聞するところによれば、愛子様は何事もマイペースでされるといい成果を出されるタイプだという。そういうのは文学者とか研究者としては長所になることもあるが、皇族としてそのペースを尊重しすぎていては、公務上、不都合になることも多くなろう。
通学されないとか、記者会見を延期されるとか言ったことが、ご本人の希望なのか、家族の希望なのか、あるいはコロナ感染を心配してとか、気が進まないのを無理させてはよくないと宮内庁が判断してのことなのか、確実な理由は分からない。
だが、宮内庁はしっかりと意見を申し上げるべきだと思うし、マスコミがそれについて、批判はおろか議論の対象にすることを避けているのは、よろしくない。
(第2回「コロナ禍とはいえ、皇室が国民の前にお出ましにならないままでいいのか」はこちら)
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