移住先でユーチューバー!? 「仕事探し」はどうする?注目の制度

『東京を捨てる』著者語る #3
2021年05月20日 06:00
ライター/SAKISIRU編集部
  • 『東京を捨てる』著者に移住のリアルを聞く連載。最終回は地方での「仕事探し」
  • 国の移住制度「地域おこし協力隊」が注目。1〜3年程度の任期で、活動内容は多彩
  • 住居や車両は行政負担。任期中の人間関係づくりを経てその後の職探しも円滑化

リモートワークも背景に進む、大都市から郊外・地方への移住。『東京を捨てる  コロナ移住のリアル』(中公新書ラクレ)の著者で、自らも東京から兵庫・淡路島に移住したジャーナリストの澤田晃宏氏に、「コロナ移住」の実態を引き続き聞く。最終回は気になる「仕事探し」。(3回連載)

淡路島 Toru Kimura / iStock
Toru Kimura / iStock

――移住後に仕事を探すのは難しいのでは?

コロナ移住に踏み切れているのは、大手企業やIT関連企業などが中心。経営者の考え方が新しく社員の平均年齢も若い会社では進んでいますが、まだ一部に限られています。仕事と住居の問題ネックになるケースは少なくありません。その点、「地域おこし隊」という総務省により2009年に作られた制度が、具体的な移住策として注目されています。

2階建て120平米で家賃4万円代の家に住む澤田晃宏氏

――具体的にどんなことをする制度?

任期はおおむね1年以上3年以下で、地方自治体から委嘱を受けて移住先の地域で生活します。活動内容はさまざまな選択肢から選べますが、観光資源の企画・開発や高齢者の生活支援、空き家・空き店舗対策、移住者支援、農畜産業・林業・漁業への従事など。文字通り「地域おこし」の活動をするわけです。なかには、地域の魅力を発信するユーチューバーもあります。

地域おこし隊は、その趣旨に「地域外の人材を積極的に誘致し、その定住・定着を図ることは、都市住民のニーズに応えながら、地域力の維持・強化にも資する取組」とあり、都市部から地方への人の流れを作ることも、制度の目的の一つです。

――誰でも応募できる?

応募できるのは、都市部に住んでいる人だけです。転出地が3大都市圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、三重県、京都府、大阪府、兵庫県および奈良県の区域の全部)の都市地域と、全国の政令指定都市に限られています。

――どんな仕事がある?

たとえば、岩手県葛巻市では「山村留学生寄宿舎等のPR、情報発信。(SNS、マスコミ取材対応等)など」、栃木県益子町では「新しい図書館の基本計画づくり」、長野県安曇野市では「自然保育の魅力発信、安曇野自然保育のブランディング」といった募集がこれまでにありました。新規の就農支援も多数あります。

地方での移動は自家用車が中心

――給料はどのぐらい?

住居と車両は行政が負担してくれて、給料は月給15〜18万円程度。家賃と車両費がかからないので、生活水準としてはまずまずしょう。地方での生活は十分に保障される金額と言えます。任期は3年間あるので、その間に地元の人とのつながりができ、任期を終えたあとの職探しや家探しもしやすくなる。また、地元の人から見ても、地域に新しい人を受け入れる上で、安心感があると思います。

――募集はどうやって探したらいい?

地域への移住と関係人口のマッチングサイト「SMOUT(スマウト)」経由で見つける人も多いです。地方の住人(自治体、事業者、個人など)が、移住者や地方に関心のある人を募集し、直接スカウトすることができる「スカウト型」マッチングサービスです。地域おこし協力隊などの求人情報だけではなく、イベントの告知、また、ゲストハウスの案内など、プロジェクトベースで様々な情報が発信されています。

「地域おこし協力隊」は、手探りの状態からでも田舎暮らしをスタートすることができ、実現に向けて3年の準備期間が与えられる。その間に、地域との関係を作ったり、地域のニーズを調べたりするともできる。うまく活用できれば、コロナ移住をする上で有効な制度だと言えます。(連載おわり)

 

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ライター/SAKISIRU編集部

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