大炎上から8年、パラ代表の青木大和、“因縁”の安倍元首相から激励

小学4年生に成りますし「どうして解散するんですか?」騒動
安倍氏と対面した青木選手(右、ツイッターより)

北京パラリンピック・アルペンスキー男子代表の青木大和選手(27)は6日、安倍晋三元首相と対面し、激励を受けたことをフェイスブックで明らかにした。

青木選手は慶応大在学中の2014年11月、安倍首相(当時)が衆院を解散した直後、解散に疑問を持つ小学校4年生になりすまし、「どうして解散するんですか?」と題したウェブサイトを開設した。

のちに成りすましが発覚してSNSで大炎上し、安倍氏もフェイスブックで「批判されにくい子供になりすます最も卑劣な行為だと思います」などと批判的に投稿。現職首相が大学生の“いたずら”に反応するという前代未聞の騒ぎに発展し、青木選手は社会的に謹慎し、それまでライフワークにしていた政治啓発の活動から退くことになった。

青木選手はその後、階段から転落して脊髄を損傷。下半身不随になる可能性もあったが、懸命のリハビリを経て復帰。左脚に麻痺が残ったが、めげずに大学卒業後はシェアハウスや電動キックボード関連事業を手がける起業家として活動を始めた。

中高時代にスキー部に所属していた青木選手は2年前に先輩の誘いをきっかけに再び競技を開始。経営者と並行し、パラリンピック出場を目指してトレーニングをするようになり、今年2月、見事に代表の座を射止めた。

ただし、青木選手にとって良くも悪くも「転機」になった炎上のことはトラウマだった。この日、投稿したフェイスブックで「多くの友人の支えもあって、自分で起業し、さらにパラスキーの道への挑戦をすることもでき、北京のパラリンピックに日本代表として出場させてもらえるまでになりました」と周囲に謝意を示す一方、「ただどうしてもやっぱり自分の中で2014年の炎上は、もやもやし続けて、一生背負っていくものだとも思いつつも難しさを感じていました」との心境を吐露。

いまだに何が正しくて、どうすることが良かったのかわからないことだらけです。整理できているのかと言われればできているようなできていないような….」と揺れる胸中も明かしていた。

「世界の真ん中で活躍を期待」

“因縁”の安倍氏とどういう経緯で会うことになったのか、詳細は明らかになっていないが、北京に出発する前日の2月24日に対面を果たしたという。青木選手は「北京パラリンピックに出国する前日に安倍晋三元首相にお会いさせてもらい日の丸を背負って、『世界の真ん中で活躍を期待してます』と応援してもらいました」と報告。

限られた時間でしたがお話もさせていただき、やっぱり自分は、『何度でも挑戦、再挑戦できる世の中にしていきたい。自分の人生を通して、その姿を見せたい』と改めて思いました」と感想を綴った上で「初出場のパラリンピック、世界中から高いレベルの選手が集まる中でやっぱりまだまだ世界との差が大きいなと思う自分がいます。それでも楽しく、攻める自分を見せられたらと思います」と吹っ切れたように意気込みを綴った。

青木選手がツイッターで報告すると、自民党の平将明衆院議員が「よかった」とリプライを送れば、クリエイティブディレクターの三浦崇宏氏も「すげえな。笑。人生は巡るね」とツイートした。

 

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