前川喜平氏らより「重罰」〜 経産省の藤井敏彦氏に停職12カ月の懲戒処分が波紋
「何らかの取り引きあった?」の声も
経済産業省は9日、内閣官房の経済安全保障法制準備室長だった、藤井敏彦・前国家安全保障局担当内閣審議官を停職12カ月の懲戒処分にすると発表した。
経済安全保障法制は岸田政権の最重要課題の一つで、事務方を取り仕切る立場だった藤井敏彦氏が兼業届を出さずに私企業から報酬を得て業務を請け負っていたことや、朝日新聞の記者と不倫関係にあるとみられる疑惑が週刊文春の取材で明らかになっていた。報道を受けて政府は2月6日、藤井氏を経済安全保障法制準備室長から更迭し、経産省官房付への異動を決めていた。
経済産業省は藤井氏の処分にあたって、朝日新聞記者への情報漏えいは認められなかったものの、「国家安全保障局の幹部が、かつて国家安全保障局を担当していた記者の自宅に複数回単独で出入りしていること自体」が問題であると発表している。また、懲戒処分の直接の原因である兼業届を出さずに私企業から報酬を得ていたことに関しては、次のように報告した。
「国家公務員法第104条に定める兼業許可の手続きを経ずに株式会社不識庵との間で有報酬兼業を行っていたことが確認された。被処分者による兼業は、国家安全保障局、経済産業省及び防衛装備庁在籍期間とあわせて延べ9年間にわたり、総額約1,600万円(国家安全保障局在籍中は約490万円)の報酬を受けていた」

このニュースがNHKはじめ報道各社から配信されると、ネットユーザーからはさまざまな反応が見られた。「停職12カ月じゃ軽すぎる」「クビにしろ」といった意見もなくはなかったが、目立ったのは過去の国家公務員の不祥事の処分と比べて「重すぎる」といったものだった。
同様の事例と比べて、この処分内容は重すぎないか。
停職12ヶ月というのはすごい。ほぼ退職勧奨。
現役国家公務員と見られる匿名アカウントも「兼業でこの重さの処分を下すのは何らかの取引があったとしか…。均衡の観点から普通に争われてら負けそう」とツイートした。
前川氏らの処分事例は?

確かに、指摘通り、過去に国家公務員が受けた処分内容と比較すると今回の処分が「重い」と言えなくもない。
文部科学省が組織的に天下りを斡旋した問題では、元事務次官で最近では政府批判で知られる前川喜平氏をはじめ40人近い処分者を出した。前川氏は問題を受けて退職したが、元人事課長の藤江陽子氏への処分は停職3カ月だった。
総務省の幹部がNTTから高額接待を受けていた問題では、谷脇康彦前総務審議官への懲戒処分は停職3カ月。同じく接待を受けた巻口英司国際戦略局長への処分内容は、減給10分の1(2カ月)だった。
総務省の幹部が東北新社から高額接待を受けていた問題では、接待を受けていた山田真貴子内閣広報官は、当時、総務省を退職しているとして処分の対象外だった。山田氏はその後、1カ月分給与の10分の6を自主返納し、飲食代を東北新社側に返金したという。
北海道開発局の職員が、工事関係者から計223万8,000円を借りた事例では、当該職員に懲戒処分が科されたが、それでも停職6カ月だった。
最近、国家公務員が起こした問題とその処分内容を比較してみると、今回、藤井氏が受けた停職12カ月は非常に重いのは確かなようだ。表向きの藤井氏の懲戒理由は、無届での兼業だ。
現役国家公務員のツイッターアカウントが指摘したように、何らかの取り引きが本当にあったのか。それとも、まだ表に出ていない、そして政府が隠しておきたい不祥事があるのだろうか。
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