東京都内のタクシー料金が15年ぶりに値上げへ、値上げラッシュの背景に原油高

ウクライナ侵略、あれもこれも煽り値上げ、もはやトリガー発動しかない
ライター/SAKISIRU編集部
  • 都内のタクシー料金が15年ぶりに値上げ。背景に原油高
  • ウクライナ侵略の煽りで、モノの値段、あれもこれも煽り値上げ
  • アメリカではガソリン勢停止の州も。今こそ「トリガー条項」凍結解除を

東京都内のタクシー料金が、早ければ今年の秋にも値上げされるようだ。都内のタクシー料金の値上げが決まれば、660円の初乗り料金が710円に値上げされた2007年以来、15年ぶりとなる。

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値上げの背景には、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、より一層の値上がりが懸念されるガソリン代の高騰に加え、新型コロナウイルスの影響でタクシー客が減少したことなどがある。

タクシー料金の値上げには、対象区域のすべての車両の7割以上の申請が必要となる。タクシー会社を所管する国土交通省によると、申請期限の今月23日までに9割以上の申請があったという。

醤油も小麦製品もトイレットペーパーも値上げ

タクシー料金のみならず、昨年から今年にかけてあらゆるものの値上がりが止まらない。ヤマサ醤油は昨年12月、今年3月1日納品分から希望小売価格で4~10%の値上げを発表している。同社によると、醤油の値上げは2008年以来14年ぶり。

小麦粉製品も日清フーズニップン昭和産業といった製粉大手3社が今年、相次いで値上げを発表した。値上げ幅は数%のものから、9%に上る商品もある。

コロナ禍の巣ごもり需要で売り上げを大きく伸ばした、カップ麺・袋麺も大手メーカー各社が、今年6月1日出荷分からの値上げを発表した。値上げ幅は日清食品が5~12%、明星食品が6~12%、東洋水産は10%、エースコックが5~11%。

インフレで買い物もますます息苦しく…(Haru photography /PhotoAC)

ティッシュペーパーやトイレットペーパー、紙おむつ、生理用品といった生活必需品も値上がりしている。サキシルでも先日報じたが大王製紙、日本製紙、丸藤製紙、花王といった名だたるメーカーが今年春からの10~15%の大幅値上げを発表している。

チェーン店も値上げした。マクドナルドは、3月14日から「ハンバーガー」「チーズバーガー」「ダブルチーズバーガー」「てりやきマックバーガー」などの商品を10円から30円値上げした。そのほか、ミスタードーナツ、丸亀製麺、はなまるうどんも今年に入ってから値上げをした。

企業が値上げする理由とは

各社が値上げに踏み切る理由はそれぞれだ。たとえば、日清製粉は値上げの理由を次のように説明している。

麺の主要な原材料である小麦の価格が大幅に高騰していることに加え、包材をはじめとする資材価格やエネルギー費、さらには物流費も上昇が続いています

大王製紙の値上げの理由はこうだ。

家庭紙製品を取り巻く環境は、原燃料価格・荷資材費の高騰や物流コストの上昇が続き、依然として困難な状況が続いています。このような環境の中、当社では生産体制の見直しや、諸経費の削減に取り組み、製品価格の維持に努めてまいりました。しかし、自助努力だけではコスト増を吸収できない状況となっております

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マクドナルドは、値上げを発表した際にその理由を次のように説明している。

昨今の小麦や牛肉をはじめとする原材料価格の高騰や人件費、物流費の上昇などを受け、慎重に検討した結果、2022年3月14日(月)より、一部品目で店頭価格(税込み)を10円~20円改定いたします

例に挙げた3社の値上げの理由はそれぞれ微妙に違うが、共通している点もある。それは物流費の高騰だ。ガソリン価格の高騰が、物流費高騰の主な要因だ。ちなみに、前出のすべての企業の値上げ理由を精査したところ、物流費の高騰を理由に挙げなかった企業はなかった。冒頭のタクシー料金値上げの理由の中にも、燃料費の高騰が入っている。

今こそ「トリガー条項」凍結解除を

値上げラッシュから国民の生活を守るために、各企業に原材料費を政府がいちいち補助するというわけにはいかない。しかし、値上げの理由の一つであるガソリン価格を下げることはできる。ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結を解除すれば、それだけで1リットルあたり25.1円のガソリン価格が引き下げられる。国民生活を救えるのと同時に、企業も救える。7月の参議院選挙にも有利に働くかもしれない。

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アメリカでは、ロシアのウクライナへの侵攻を受けて値上がりしたガソリンを抑制しようとする具体的な動きが既に出ている。朝日新聞によると、メリーランド州、ジョージア州、ミシガン州がガソリン税の停止を決めた

「日本もアメリカにならってガソリン税の停止を」と言いたいところだが、これまでの政府のやり方を見いていると実に消極的ということだけはわかる。しかし、「トリガー条項」の凍結解除は、ガソリン税の停止と比べるとはるかにハードルが低いのではないか。

しかも、「トリガー条項」の凍結を解除したとしても、政府が取りはぐれるのはガソリン税の税収ではない。ガソリン税などに上乗せされている「当分の間税率」の徴収分だけだ。コロナ禍が終わらないのに加えて隣国では戦争が起きている非常時の今、「当分の間税率」くらい当分の間は取らないでもらいたい。

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