参院選へ女性アナを続々擁立、立憲民主党の“セント・フォース化”が止まらない!

選挙で有利な知名度も、当選後は...

国会で新年度予算案が可決・成立し、参院選(6月23日公示、7月10日投開票の見通し)まで残り3か月となった。世の中の関心はウクライナ紛争に集まり、世論調査で自民・岸田政権の支持率は堅調に推移。そこに挑む形となる野党は、攻め手を欠いているが、ここにきて立民などのリベラル系は参院選選挙区に女性アナウンサーやタレントを擁立する動きが相次いでいる。

広島では「二匹目のドジョウ」?

3月12日には、福島選挙区で地元FMラジオ局出身のフリーアナ、小野寺彰子氏(43)が出馬を表明。立民からの出馬要請を受諾してのことだが、国民、共産など野党共闘候補として無所属で立候補するという。

小野寺彰子氏(公式サイト)

その4日後には愛知選挙区で、元CBCアナウンサーで、現在はフリーの丹野みどり氏(48)が国民民主党の公認で立候補を表明。さらに広島選挙区では、テレビ新広島の元アナウンサー三上絵里氏(51)が候補に浮上。正式に立候補する場合は、野党共闘路線で無所属になるとみられる。

丹野みどり氏(公式サイト)
宮口治子氏(公式サイト)

広島選挙区は昨年4月、河井案里氏の失職に伴う再選挙でフリーアナウンサーの宮口治子氏(46)が初当選。当時、自民党内で無役だった岸田首相は相手の新人候補の選対本部長を務めていたが、池田勇人元首相の故郷で、全国屈指の保守地盤とされる広島でまさかの敗北。一時は永田町で「総理の芽は潰えた」と取り沙汰されるほどの衝撃が広がった。

昨年に続く女性フリーアナウンサーの擁立。「二匹目のドジョウ」を目論んでいるようにも見えるが、宮口氏が圧勝した選挙は、アナウンサーを擁立したケースとしてはやや例外かもしれない。というのも、宮口氏は長年、広島県東部の福山市のラジオ局でパーソナリティを務めていたが、広島の局アナ出身ではない。県民の多くに名前と顔が知られていたわけではなく、やはり、再選挙の理由となった大型買収事件での自民への批判が吹き荒れたことを追い風にした格好だった。

パフォーマンスは即戦力、炎上キャラも…

それでも、地元メディアで活躍してきたアナウンサーやタレントは、お茶の間に顔と名前が浸透している点は、擁立する側からすれば魅力的だ。

三上氏はNHK広島放送局のアシスタントなどを経て、テレビ新広島(フジテレビ系)に入社。報道番組を多く担当し、2005年には、FNSアナウンス大賞のナレーション部門で表彰されるなど、アナウンサーとしては実力派でもあった。

また、愛知選挙区で出馬を表明した丹野氏の場合は、20代後半から15年ほどCBCテレビの報道番組に出演し、フリーに転じた2013年から6年間、自らの名前の冠番組をCBCラジオで受け持ってきた。

石垣のりこ氏(参院サイト)

アナウンサーやタレント出身者は、人前でのスピーチ、パフォーマンス力という点でも“即戦力”と言えるが、時には奇異な言動でお騒がせする場合も。2019年参院選の宮城選挙区で初当選した立民の石垣のりこ氏は大学卒業後、エフエム仙台で20年余りアナウンサーとして活躍。しかし選挙中から立民が党としては容認していない消費税廃止論をぶち上げると、翌年8月には安倍首相が体調不良で辞任した際、ツイッターで「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」などと暴言を投稿し、炎上した。

選挙での試練を乗り切って議員バッジを手にすると、参院の任期は6年と長い。当初は新人として一から政策づくりを学ぶにしても、次の選挙では「実績」が問われる。

セント・フォースといえば、亡き小林麻央さんや今をときめく新井恵理那さん、元NHKの神田愛花さんら、人気フリーアナを多数擁してきた事務所。立民などの野党が「永田町のセント・フォース」と揶揄されるだけに終わらないためには、当選後もしっかり政治家として育て切ることができるのかどうかも焦点と言える。

 
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