1ドル=126円でいよいよ「スタグフレーション」の到来か!?

「石油ショック以来」半世紀ぶりの懸念強まる
ライター/SAKISIRU編集部

13日の外国為替市場で、このところ見られていた円安ドル高が一層進み一時、1ドル=126円台をつけた。2002年5月以来、約20年ぶりの円安・ドル高水準となった。

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行き過ぎた円安によるデメリット

日本は世界有数の工業国で、円安は輸出企業に恩恵があるため、安倍晋三元首相の「アベノミクス」では、円安誘導をするために大胆な金融緩和が行われてきた。その甲斐もあって、企業の株価は上昇し、円安の効果もあって訪日外国人は増えた。訪日外国人のインバウンド需要によって潤った企業・店舗も少なくない。

しかし、行き過ぎた円安は日本にとって大きなマイナスになりかねない。日本は食糧やエネルギーを輸入に頼っており、今後、さまざまなモノの値段が上がっていくことが予想されている。実際に、政府が輸入小麦の売り渡し価格を平均17.3%引き上げたことを受けて、ニップンや日清製粉といった大手製粉会社が先日、相次いで値上げを発表した。この冬、電気料金の値上がりを改めて痛感した人も少なくないだろう。

モノの値段は上がるのに国内の賃金は上がらず、それどころか税金や保険料だけは高くなる。コロナ前であれば、円安が後押しして増えた外国人観光客が日本経済を押し上げる、ということも期待できただろうが、現在はコロナ禍。日本政府は4月10日から、1日あたりの新規入国者数の上限が1万人に引き上げられたが、これには観光客は含まれない。

日本を訪れる観光客は2018年に初めて3000万人を突破し、政府は2030年には6000万人に増やす目標を掲げてきた。しかし、コロナ禍を受けて、この2~3年は事実上、外国人観光客はゼロが続いている。岸田首相は外国人観光客の受け入れについて、4月8日の記者会見で観光客の受け入れ時期は「確定はしていない」と述べるにとどめた。このような中では、外国人観光客の消費にも期待できない。

高まる「スタグフレーション」の懸念

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そうなってくると、心配になってくるのが不景気局面に関わらず、物価が上がっていく「スタグフレーション」だ。

スタグフレーションは、物価の継続的な上昇を意味する「インフレーション」(インフレ)と景気の低迷を意味する「スタグネーション」を掛け合わせた造語。一般的には、好景気な場合にインフレが起こるが、景気が悪いのにも関わらずインフレが起こってしまうのが「スタグフレーション」だ。

ニュースなどで使われることも多いため、スタグフレーションという言葉自体は聞いたことがある人が多いだろう。しかし、先進国では長い間、起こってこなかった現象だ。前回、スタグフレーションが起こったのは1970年代に起こった第1次オイルショック時だ。

この時はまず、多くの資源輸入国の企業が、原油高に端を発したコスト高に見舞われた。その結果、企業は生産を抑制することになるが、そのことで景気は後退した。さらに、生産抑制により供給量が減少したため物価が上昇したため、スタグフレーションに陥った。

内閣府や総務省のデータによると、日本では1974年に原油輸入価格が前年比プラス200%超を記録し、消費者物価指数は前年比プラス23.2%にまで上昇した。

蕎麦屋の値上げでスタグフレーション実感

前回のスタグフレーションが起きた背景と、現在の日本がダブって見えるのだろう。ツイッターでも数々のユーザーから、「もう既にスタグフレーションになっている」とのコメントが確認できた。

いきつけの蕎麦屋も値上げするって言っててスタグフレーションを感じる。

このままスタグフレーションが続いていくのかなぁ。

インフレーションはまだいいんだけどスタグフレーションは困るんだよ

観光客も呼ばず無駄に原発を止め、外貨をセーブする術を自分で縛っているので、予想通り。こんにちはスタグフレーション。

スタグフレーションの今減税廃止以外無い。これは右も左も無く声を挙げるべき!

GUMI創業者で、現在はブロックチェーンやVR事業を展開する国光宏尚氏は「日本もいよいよインフレへ。ただ、賃金は上がらないだろうから、スタグフレーション一番乗り…」とツイートしていた。

自民党衆院議員の佐々木紀氏は党内の「責任ある積極財政を推進する勉強会」への出席を報告した際、スタグフレーションを回避するためには財政支出が必要と指摘した。

積極財政と成長投資でネット資金需要を増やし、デフレ構造不況からの脱却を目指す。今のコストプッシュ型インフレに対し、価格転嫁・賃金上昇が無いとスタグフレーションに陥る。大胆な財政支出が必要だ。

スタグフレーションの影響を最も受けてしまうのは、低所得層だ。日頃から高い給料をもらっている国会議員や日銀職員の皆様には、ぜひ、日本がスタグフレーションに陥らないため全力を尽くしてほしい。

 

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