「子供の大学費用が払えない!」そうなる前に味方にすべきもの
親が幼児期から持つべき「サキシル」力?- FP八木陽子さん連載。大学の学費が必要になってから、慌てだす人が多すぎる
- 国立でも初年は80万円。奨学金という名の借金も。家計への負担が大きい日本
- “月1万円”の力を侮ってはいけない。10年後、20年後を見据えた“サキシル”力
(編集部より)ファイナンシャルプランナー八木陽子さんによる連載2回目。塾通い、中学受験に大学受験。今の子育ての、“当たり前”にはお金が掛かる。そう思いつつも実際の支払う直前になるまでは、漠然と不安なままで過ごされている方も多いのではないでしょうか。八木さんが講演を行うたびに、受講者から「払えそうもない!」という相談の行列が出来るのだそうです--。
ファイナンシャルプランナー/キャリアコンサルタントの八木陽子です。
「長期の視点」を持つ大切さをご紹介します。
これまで仕事をしてきた中で、悔しい思いを抱くことが時々ありました。その一つが、高校生のお子さんがいる保護者向けに教育費の話をするときです。以前、公立の高等学校で、保護者向けの講演会をよく依頼されていたのですが、保護者からの多い感想はどんなことだったか想像がつくでしょうか。
それは、「大学の費用が払えそうもない」という切実な声でした。私の講演会で大学にかかる費用の詳細を知って、講演後の質問が行列をなしたこともありました。教育ローンの組み方、奨学金の借り方…様々な質問に答えてきました。そのたびに、もっとこの方たちに早くに出会っていたら……と悔しい思いをしたのです。
コロナで深刻化する学費事情
現在、都市部においては中学受験が過熱していると言われていますが、当然、私立に進学ではなく、地元の公立中学校、そして公立の高等学校に進むご家庭もあります。高等学校無償化の動きもあり、高校まで公立の場合、授業料の負担はほぼありません。でも、大学に進学する場合はどうでしょうか。
大学は国公立に進学できるとは限りませんから、私立の場合、入学金を含めた初年度納付金は平均100万円以上かかります。大学入学後は、学生支援機構の奨学金などが活用できますが、入学金は高3の終わりの受験時期に発生します。そもそも奨学金はすべてが給付型というわけではなく、返済必要な借金にすぎないものも多いです。また、仮に国公立に進んだとしても初年度は80万円と言われています。国公立でも決して安くないのが、大学にかかる費用なのです。
現在、大学生の息子がいる我が家にとっても、決して他人事ではない金額にはなりますが、こういった大学の教育費の家庭への大きな負担は、実は日本独特のもの。世界水準から比べると、日本は残念な国だと指摘されるぐらいです。コロナウイルスの影響でアルバイトができず、大学を休学もしくは退学をせざるを得ない学生のニュースを見るたびに、最近はさらに事態の深刻さを感じます。
では、いったいどうしたらよいでしょうか。対策はあるのでしょうか。
長期の視点で時間を味方にする!
私は、長期で物事を考える視点を多くの人が身につけ、できる限り早めに気づいて、時間を味方にしてほしいと考えています。
時間を味方にするとはどういうことかというと、月1万円でも、5千円でも、いえ、千円でもいいので、長期で積立を継続することです。「なんだ。そんなことか」と拍子抜けした方は、比較的貯蓄ができている金融リテラシーが高い方かもしれません。

なぜなら、この当たり前の積み立ての継続について、資産形成セミナーで話すと、改めて、はっとした表情をする受講者が多数いらっしゃいます。「知識として知っている」と「継続して実践できる」は違うのです。
月1万円は、言うまでもなく、1年で12万円、そして、10年たったら120万円、20年で240万円です。たとえば、子供が小さいころから、月1万円貯められていれば、10年で、大学の初年度の金額は達成できます。
侮れない月1万円
1万円の力を侮ってはいけません。子供は、ある日突然10歳や20歳になりません。そのため、本来教育資金は時間を味方にしやすい、準備しやすい資金なのです。そのため、子供が高校生になってから大学費用を考えるのではなく、子供が赤ちゃんのうちに知ってほしいのです。まさに、“サキシル”(先を知る)です。
そして、この「時間を味方にする」方法は、老後資金や住宅資金をどう貯めるかにも通じます。
一昨年2000万円問題が話題になりましたが、直前になって大きな金額を準備するのが大変でも、月3000円、5000円、1万円…まずはできる金額でよいので、長期にわたって積み立てを継続することが大切なのです。
とはいえ、普通預金に預けても、0.001%の今の金利。長期で積み立てしてもあまり増えませんね。次回は、投資における長期の効果等をご紹介したいと思います。
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