SBIと新潟・大光銀行が資本提携、北尾社長が描く「第4のメガバンク構想」とは

提携先V字回復の一方で、マイナス金利、人口減少の課題も
ライター/SAKISIRU編集部
  • SBIと新潟の第二地銀・大光銀行が資本提携。SBI「第4のメガバンク構想」の一環
  • 第二地銀の8行と資本業務提携を結び、1年でV字回復を遂げた銀行も
  • マイナス金利や人口減少に地方の金融機関があえぐ中、試練どうしのぐ?

SBIホールディングス(東京都港区、北尾吉孝社長)と、新潟県の第二地銀・大光銀行(新潟県長岡市、石田幸雄頭取)は12日、同日付で資本業務提携を締結したと発表した。

両社によると、SBIグループが有する最先端のテクノロジー、ノウハウを活用した、地元企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)支援などをしていく方針。さらに、今後、地元企業を支援するための共同ファンドの設立を検討する。

画像:Rebirth10 / Wikimedia – CC 4.0,

SBIの「第4のメガバンク構想」

SBIと大光銀行の資本提携は、2019年にSBIの北尾吉孝社長が打ち出した、複数の地銀への出資を通じて地銀連合を作る「第4のメガバンク構想」の一環だ。

これまでに、島根銀行(島根県松江市)、福島銀行(福島県福島市)、筑邦銀行(福岡県久留米市)、清水銀行(静岡県静岡市)、東和銀行(群馬県前橋市)、筑波銀行(茨城県土浦市)、きらやか銀行(山形県山形市)、仙台銀行(宮城県仙台市)の、いずれも第二地銀の8行と資本業務提携を結んできた。

さらに、昨年には日本長期信用銀行の流れをくむ、新生銀行を傘下に収めている。新生銀行は、「第4のメガバンク構想」の中核を担うとみられている。

これまでに、SBIが資本提携してきた銀行は第二地銀で、経営状況は決して良いとはいえない銀行だ。資本提携前は多くが赤字を抱えていたが、SBIと資本提携したことで業績に変化はあったのだろうか。

1年でV字回復を遂げた銀行も

福島銀行が13日に発表した2022年3月期決算によると、純利益が8億2600万円だった。福島銀行は、SBIと連携する前に2018年3月期決算で赤字に陥っており、金融庁が業務改善命令を出していた。このV字回復に、SBIが果たした役割は大きい。福島銀行によると、SBIの商品による収入だけで、1億8000万円を上回ったという。福島民友新聞によると、福島銀行の加藤容啓社長は、「SBIは頼もしいパートナーで、連携は想像以上にうまくいっている」と述べた。

島根銀行も同様だ。2017年3月期には1億円の赤字に陥り、2019年9月にSBIと資本業務提携を締結した。それからわずか1年あまりで4期ぶりに黒字転換。純資産に対する株価の水準を示す株価純資産倍率(PBR)は1年で0.21倍から0.43倍に改善した。2020年10月に行われたSBIの決算発表の席で、北尾社長は「こんなに短期間にPBRが増えた銀行はどこにもない」と成果を強調していた。

マイナス金利の試練どうしのぐ?

ここまでは順風に見える「第4のメガバンク構想」だが、そもそも銀行の収益構造を悪化させた大きな原因の一つである日銀のマイナス金利政策はもう5年以上続いており、今後いつまで続くかは不透明だ。

経営体力が弱い第二地銀が、この政策下でどこまで持ちこたえられるか。もともとは赤字を抱えていた銀行が多く、人口が減少し地盤沈下がさらに進む地方経済の中で、期待したほど収益が伸ばせない可能性もあるだろう。つい先日も、きらやか銀行が公的資金の注入を申請しているといった報道があったばかりだ。そういったリスクをどのようにはねのけていくか。

SBIは最終的に、10行程度と資本提携を締結し「第4のメガバンク構想」を推進していくとみられている。北尾社長は、どういった未来を思い描いているのだろうか。

 

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