前澤友作氏出品の「バスキア」110億円で落札…アート好き経営者が多いのは偶然か?

「これからのビジネスパーソンに必須の頭脳トレ」?
ライター/SAKISIRU編集部

ZOZO創業者で起業家の前澤友作氏が19日、ツイッターを更新。自身が保有しており、オークションに出品していた米画家ジャンミシェル・バスキア(1960~1988年)の絵画が約8,630万ドル(約110億円)で落札されたと報告した。

「オークションに出品していたバスキアの作品が先ほど約8,630万ドル(約110億円)で落札されました。次のオーナーにも大切にされ、多くの方々に共有されることを願っています ありがとうございました。」

今回、前澤氏がオークションに出品していた作品は、1982年、当時22歳だったバスキアが描いた絵画で、タイトルは「Untitled」。2016年5月に前澤氏が約62億円で入手していた。

前澤氏は、国内でも有数のアートコレクターとして知られており、若手美術家育成を目的とした「現代芸術振興財団」を設立。自身が会長を務め、バスキアのほか、アンディ・ウォーホルやドナルド・ジャッドなどの作品を所有している。

国内外のトップ経営者がアートを愛好

前澤氏に限らず、アートを好む経営者は多い。出光興産、ブリヂストン、サントリー、資生堂。いずれも、日本を代表する企業だが、ある共通点がある。それは、創業者が美術館やアートギャラリーを設立し、今なお現役で運営されさまざまな展示会を行っていることだ。日本の伝説的な創業者の中には、アートを愛好していた人が少なくないのだ。

これは海外の経営者でも同様だ。アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏は、文字のアートのひとつ「カリグラフィー」を学んでいたことは有名だ。米ヤフーの元CEOでグーグルの元副社長だったマリッサ・メイヤー氏が強く影響を受けたのは、画家である母親と言われている。

世界的民泊仲介サイトAirbnb(エアビーアンドビー)の創業者、ジョー・ゲビア氏は、アメリカの有名美術大学であるロードアイランド・スクールオブデザイン大学を卒業し、グラフィックデザインとインダストリアルデザインの学位を取得。現在でも、忙しい業務の合間を縫って、世界各地の展覧会に足を運んでいるという。

米モバイル決済サービス大手、スクエアの共同創業者ジム・マッケルビー氏は、自身がガラスアーティストで、作品はニューヨーク近代美術館やスミソニアン博物館などに展示されている。

バスキア作品の前で撮影に応じる前澤氏(2018年3月、NYの展示会で:写真:Shutterstock/アフロ)

アートと事業経営の共通点とは?

こうして見てみると、アートと経営は密接に関係していると言えるのではないか。もちろん、アートを好まない経営者もいるだろうし、単なる偶然とみる向きもあるだろう。

しかし、起業家で、ヨーロッパを代表するビジネススクール「IEビジネススクール」で客員教授を務めるニール・ヒンディ氏は、著書『世界のビジネスリーダーがいまアートから学んでいること』で、経営者はアートを学ぶべきだと指摘する。

アーティストのように直感を働かせるというのは、ビジネスの場では普通、推奨されない。~中略~ビジネスマンは左脳型思考が重視されてきた。

重要なのは、どちらかを優先させるといったことではなく、両方を働かせて相互作用させることである。ビジネスモデルが突然、時代遅れになってしまう今日、新製品を開発し新サービスを提供するには、創造的な思考が不可欠だ。右脳を助手席に座らせておくだけではいけない。右脳も左脳も運転席がふさわしいのだ。

『アートに学ぶ6つの「ビジネス法則」』の著書がある、株式会社ブリュッケ代表取締役の髙橋芳郎氏も、起業・資金調達の情報サイト「創業手帳」のインタビューで次のように述べている。

アートには堅苦しいビジネスとは違う自由な「遊び力」があるので、もし仕事を楽しめていない方がいたら、アートの持つ自由を志向する力を学ぶことで、ビジネス環境を改善できるのではないかと思っています。アートで遊び力を学ぶ、あるいはアートで頭を柔らかくするということは、これからのビジネスパーソンにとっては必須のトレーニング方法かもしれません。

美術教育メソッドの研究・開発を手掛けるアート・アンド・ロジック代表の増村岳史氏は情報サイトに寄稿した論文の中で、アートと事業経営の共通点を「世の中にない全く新しい価値を生み出すこと、調和とバランス、時代を読み取る」ことだと指摘している。

経営に行き詰っている経営者やこれから経営者になりたい人は、アートも学ぶべきなのかもしれない。

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