政府の役割がブロックチェーンに置き換わる!?

特集「ブロックチェーンは国や社会を変えるか?」#2
2021年05月26日 06:01
ジャーナリスト/SAKISIRU副編集長

ブロックチェーンはこれから、既存の社会をどう変えるのか。本連載では、我々が日常生活で気づかないところで着々と進むプロジェクトについて紹介するが、#2では、国家がこれまで持ってきた役割や機能がどう置き換わるのか、具体的に論じてみたい。

D-Keine / iStock

公文書の記録、改ざん不可能に

そして、この延長線には、企業の組織のみならず、国の中央集権的な組織が自律分散型のネットワーク型組織へと変える可能性が示唆される。今国家が担ってきた“管理”業務を、まるで自動販売機のように、ブロックチェーンに置きかえていくことは、少なくとも技術的には可能なのだ。

2014年にリリースされた「Factom」という分散型公証プラットフォーム。この技術では公文書の記録を、改ざん不可能なかたちで半永久的に安全に記録・管理することが出来るという。医療記録、財産権、投票情報など、公的分野のあらゆることが、役所の窓口に行かずとも利用できる。

こうしたブロックチェーンの技術があれば、国の管理業務の大半が漏洩、改ざんなどの心配までなくなるというのだ。さらにはコストもかからない。世界ではすでに、政府レベルでこの技術を取り入れようとする動きが始まっている。

第1次安倍政権崩壊につながった年金問題。ブロックチェーンなら解決!?(kscz58ynk/写真AC)

例えば、いま国が担っているのは出生証明や土地の権利の管理がある。その管理には公務員の人件費やシステム管理コストなど、多大な税金がかかっている。ところがその多大なるコストに関わらず万全ではない。盗難やハッキング、改ざんや削除のリスクにも常にさらされている。

日本でも、官庁への不正アクセス問題や、消えた年金問題など、国がそもそも期待されている役目を果たしているのか疑念を抱かれる問題は後をたたない。ところがこうした問題を、ブロックチェーンが超低コストで解決する可能性が、多分にあるのだ。

こうした技術がある前提となると、人々の国への考え方も変わらざるを得なくなってくる。国のあり方はこれまで、政治や行政の世界では上意下達の中央集権構造は管理のための“必要悪”だとされてきた。ところが、ブロックチェーンが導入される時代がくると、この必要悪はいらなくなる。ネットワーク型の社会が現実化するからだ。

「中央集権型」日本の仕組みは破壊される?

日本でも、ネットワーク型社会について、憧れとして語られることはあっても、現実が追いつかなかった。1999年には、地方分権一括法では「国と地方は対等」と法律で示されたものの、今に至っても実態は大きくは変わらない。法律が変わっても、お金の流れや管理の仕方が変わらない限りはパラダイムシフトはおこらない。そのため、管理上の都合がが最優先され、官僚主導による中央集権体制が長い間維持されてきた。中央集権体制によって、東京は過密となり、地方は過疎となり、社会のバランスを欠いた状態が都市問題として自覚されても、必要悪としてずっと放置されてきた。

tadamichi/iStock

ところが歴史的に見ても、技術革新は社会を変えてきた。ブロックチェーン革命も、第4次産業革命として位置づけられている。ブロックチェーンは、管理コストによって生じた国や組織の必要悪を一気に消しうる力を持っている。すでに、ブロックチェーン技術をもとにしたローンチ計画は、国内においても多くの計画が進んでいる。

その分野は金融のみならず、不動産、医療、アート、行政システムなどほぼほとんどの社会システムにある。大半はまだ実証実験の段階であるため、私達の目に見えるものは少ない。今目立つのは、せいぜいビットコインなど、金融界のニュースにすぎないが、この分野以外のでブロックチェーン革命も数年後には本格的に始動しはじめることになる。

日本のように変わらない社会に、ブロックチェーン技術がどう飛び込み、化学反応がおきていくのだろうか。変化を受け入れる人も、拒否する人もいるだろう。日本は徐々に変化するのか、守る力が強すぎて破壊してしまうのか。いずれにせよ、近いうちに間違いなく起こる大変化を、近い未来をあなたも目撃することになるだろう。

(#3に続く)

 

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