「トランプの天敵」CNNの論調は親会社交代で変化?トランプ氏退任後に視聴者数激減

新社長「極端な論調がブランドイメージを傷つけた」
ライター/SAKISIRU編集部

反トランプの急先鋒として知られる、米CNNが今後はニュース番組から党派性を排除する方向で検討していることが明らかになった。新興のニュースサイト「アクシオス」が7日、CNNが今後、党派性の排除に対応できないアンカーやパーソナリティを更迭する可能性があることをスクープした。

米アトランタのCNN本社(SeanPavonePhoto /iStock)

「トランプの天敵」と化したが…

CNNは、今年4月に米メディアグループ「ワーナー・ブラザース・ディスカバリー」の傘下になっていた。記事によると、新たにCNNの経営トップとなったクリス・リヒト氏は、「極端な論調がCNNのブランドイメージを傷つけている」とし、パーソナリティや番組からいかに党派性を排除できるかを評価しているという。

CNNの論調は、トランプ大統領時代、前社長のジェフ・ザッカー氏の下で、より党派的で戦闘的なものになっていき、CNNは「トランプの天敵」として知られていた。CNNは伝統的に政治的には米民主党に宥和的で、共和党に批判的な論調を展開していたが、特にトランプ氏に対しては激しい調子で批判していた。

トランプ氏の大統領選敗北が決まった2020年11月には、トランプ氏とナチスドイツの独裁者・ヒトラーを比較し、CNNの名物アンカー、クリスティアン・アマンプール氏は「過去4年間のトランプ大統領の行動は、第2次世界大戦中のナチスドイツのアドルフ・ヒトラーおよび幹部たちの行動に酷似している」と述べていた。

トランプ氏はトランプ氏で、CNNなどの特定メディアを指して「人類の敵」などとツイート。さらに、CNNのロゴをあしらったキャラクターをプロレス会場で繰り返し殴打する動画をツイッターに投稿するなど、両者のいさかいは一種の“ショー”と化していた。

トランプ氏(Gage Skidmore /flickr)

人気番組の視聴者数、7割減少!

「トランプ対CNN」は、視聴者数にも大きな影響を与えた。CNNは長年、視聴率や視聴者数でFoxニュースの後塵を拝していたが、米議事堂がトランプ氏の支持者によって占拠された昨年1月最初の週の平均視聴者数はFoxニュースの約2倍の820万人を記録した。

ところが、トランプ氏が退任した後、「目玉コンテンツ」を失ったCNNは、視聴者数が激減。CNNの人気ニュース番組の視聴者数が70%も減少するなど苦戦を強いられていた。事業的にも迷走を極め、3億ドル(約400億円)を投じて今年3月に立ち上げたストリーミングサービスは約1カ月後の4月末に閉鎖していた。なお、トランプ氏は、このニュースに「視聴者が獲得できずにあっという間に終わらせるという決定をしたCNN+、おめでとう」との声明を出していた。

日本と異なり、アメリカでは報道機関の買収が少なくなく、親会社が変わるたびに論調が変化するケースもある。今回の親会社の交代に伴って、トランプ政権時代に拍車がかかったCNNの左派論調に変化はあるか。

 
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