NFTならエンタメで誰でも稼ぐチャンス!

真田哲弥の未来対談『サナダマル!』第1回 #3
2021年05月30日 06:00
KLab株式会社創業者(同社会長)
  • NFT対談 最終回は「どう稼ぐか」を展望。コンテンツで稼げる時代に?
  • 「原盤権」の売買のような世界。エンタメのあり方を変える可能性も
  • 売れるNFTにはストーリーがある。将来展望は過大評価も過小評価もダメ

注目の「NFT」(Non-Fungible Token:非代替性トークン)について、最先端プレイヤーの國光宏尚さん(gumi創業者)に、真田哲弥さん(KLab創業者)が迫る対談連載。NFTのそもそも論から、普及のための法規制の課題へと議論をしてきましたが、最終回はいよいよ、具体的にどんなビジネスならNFTで稼ぐことができるのか、展望します。

ゲストは國光宏尚氏(左)=撮影:西谷格

閉じた空間に生まれる価値

【真田】話題を変えて、今回の記事を読んで「なんかNFTが流行ってるらしい。自分たちもビジネスにNFTを活用するにはどうしたらいいんだろう」と思う人はたくさんいると思います。僕らゲーム業界は想像つきやすいのですが、他業界の皆さんがNFTを活用してどんなビジネスチャンスがあるのか、何かご意見ありますか。

【國光】NFTは、デジタルデータの供給量を制限することでデータが価値を持ちました。これがすさまじく大きな出来事で、結局、モノの価値は需要と供給で決まるのだと改めて思いました。ネット時代はデジタルデータの複製のコストがゼロになって、供給量が無限大になり、コンテンツそのものには価値がなくなってしまいました。

しかし、NFTやブロックチェーンを使うとデータの供給量の制限ができて、そこに価値を持たせれるのはすごく大きいです。

國光 宏尚(くにみつひろなお)gumi創業者(同社会長) 1974年兵庫生まれ。高校卒業後、中国・上海の復旦大学で学ぶも中退して、アジア諸国、北米、中南米などおよそ30カ国を旅する。帰国後、映像制作会社に入社。2007年に独立し、モバイルを中心としたインターネットコンテンツ提供会社を創業。2008年に商号をgumiに変更し、ソーシャルゲーム事業などを展開。近年は、VRやブロックチェーン関連の投資や新事業開発で注目される。

【真田】日本では奇跡的にiモードの世界観があった時代がありました。コンテンツの有料課金が成立したのは、ある種「閉じた世界」で数が制限されているから起こった奇跡でした。NFTも、コンテンツを制限することで値段を付けられることが決定的な価値になりそうですね。

【國光】VRとブロックチェーンが合わさった時代を想像すると一番わかりやすいはず。例えば、VR上の『どうぶつの森』や『マインクラフト』のような世界で、この世に1個しかないスゴい家を作ると、お金を出してでも欲しいという人はいると思うんです。そういう取引がされる中での「不動産屋」もあるかもしれない。「アパレル」でも「武器」なんかもそう。ありとあらゆるデジタルコンテンツがNFT化されて価値を持ってくるような時代は来ると思っています。

「民主化」で誰にもチャンス

【真田】そこも民主化みたいなものがあって、NFTを発行した人からサービスがスタートしていくのですが、徐々に誰でも自分でNFT化してそれを発行して稼ぐことができるようになる。今は副業で稼ぎたい人は多い。メルカリのようなサービスで出品して稼ぐ人があらわれるでしょうね。

真田 哲弥(さなだてつや)KLab創業者(同社会長) 1964年大阪生まれ。関西学院大学在学中に起業。学生ベンチャーブームの担い手として注目され、20代のうちに成功も挫折も経験。33歳でIT企業で初の会社員生活を経験した後、98年にサイバード創業に参画し、同社副社長。2000年、ケイ・ラボラトリー(現KLab)を創業。2011年に東証マザーズに上場(のちに東証一部に変更)。数々のモバイルゲームをヒットさせる。19年に社長を退任し現職。

【國光】今でもゲームはそういう流れの入り口に来ています。つい最近上場したロブロックスというゲームがあるんですけど、これはその中でユーザーが勝手にゲームを作れるんですね。そのゲームがダウンロードされると作った人にお金が行く。それで数億円以上稼いでる人っていうのもざらにいるんです。

【真田】「NFT×DeFi」のようにレンディングで稼ぐビジネスが起こってくるんじゃないですかね。そうなるとNFTの価値が下がらない。

これはリアルビジネスで考えると、例えば、不動産の価格は原則的には収益還元法で決まるんです。この土地を貸すと、家賃いくらで貸せる、年間でこの土地だったらいくらの収入が入って、この土地はこの値段で取引してもペイするという見通しが立ちます。借りたい人が増える土地は、売買時の値段も値上がりしていくという図式ですね。NFTも、土地の価値を裏付ける収益還元法のような考え方が入ってくると、価値が下がらなくなるでしょうね。

【國光】おっしゃるとおりで、最初の話に出たNFT上のプログラムで「コントラクト」が書けるというのが一つの特徴。まさに今、仰ったように「売らずに持っておくとエエことある」と(笑)。

「未来永劫」お金が入る仕組み

【真田】エンターテイメントの在り方を変えそうですね。音楽の聴き方は、ダウンロード、配信、ストリーミングと変わる中でCDは売れなくなりました。これがNFTを使うと、曲を買って自分で聴くできるし、それとは別に原盤権の売り買いをする世界観も可能になります。

NFT取引所のイメージ(gesrey/iStock)

あるアーティストの曲の原盤権を買って、スポティファイやアップルミュージックに貸し出して収益を上げる。稼げそうな曲の原盤権は高騰していくと、スポティファイに預けておくだけで毎日チャリン、チャリンとお金が入るようなことも可能です。NFTによって「稼げる」という意識が根付くことで、いろいろな人がビジネスに参加してくれば、面白い仕組みが生まれそうです。

【國光】真田さんの仰るような「メルカリ」のような仕組みは、「オープンシー」という取引所がすでにあります。手数料は10%。そのうちの2.5%がオープンシーに行って、残りの7.5%が原作者やパブリッシャーに分配されます。スマートコントラクトで一度、権利関係を書いてしまえば未来永劫、お金が入ってくる仕組みなんですね。

ただ、今のNFTはガス代が高いので、基本的に高額アートしか取り引きされてません。これが安くなってくるといろいろな可能性が出てくるでしょう。

一方で、NFTには著作権はないんです。だから、NFTの絵を使ってTシャツやマグカップを使ってお金儲けできる権利はありません。このあたりはいま議論が進んでいて、リアルでいうと絵画を博物館に貸して手数料もらうような感じでしょうか。今のNFTの権利関係はこの整理でいこうとしています。

なぜツイートが3億で売れたか

【真田】ここで間違ってはいけないのですが、なんでも売れるわけではないことです。実はここにきて、海外で高額取引のニュースがあってから、売り出しても買い手がつかないケースがいっぱい起きてますね。

【國光】そうですね。やっぱりそこに何かストーリーがあるとか、価値の提示がないとダメで、JPEGファイルをただNFTにしても売れるもんじゃないんですよ。

【真田】リアルの土地であろうと、デジタルのNFTであろうと、マーケットに裏付けられた価値がないと価格はどんどん下がっていきますよ。

【國光】ジャック・ドーシーのツイートがなぜ3億円で売れたか。誰かが言ってましたが、「ロゼッタ・ストーン」(古代エジプト語を解明するきっかけになった遺跡)のようなものです。実はドーシーのあとに著名な起業家のツイートが売り出されてもほとんど売れなかったんですが、ドーシーが売れたのは世界初のツイートだったからなんですね。ロゼッタ・ストーンが大英博物館で展示されているように、ドーシーのツイートも未来のVR上の現代博物館で展示されるような価値があるわけです。

大事なのは周りの人にみてもらうところに価値があること。リアルの絵画でも。絵を買って誰も遊びに来ない家の部屋に飾っておくだけだったら誰もお金は払いません。

【真田】やっぱり人を招待して「これはね、本物のゴッホなんだよ」とやらないと(笑)

最後まで話が尽きなかった國光さん(左)と真田さん=撮影:西谷格

過大評価も過小評価もダメ

――最後にNFTの今後をどう見ますか。

【真田】僕は、数を制限するという考え方が今までのデジタルの正反対をいっているので、この考え方は180度の転換なわけですね。世の中の革命は、便利にするように技術が進化していったのに、今度は不便に制限するというこの「逆進化」が価値をもたらすというのは面白いと思います。ただ、技術的な壁もありますから、NFTが一時的にダメになるようなことはあるとは思っていたほうがいいでしょう。

【國光】「人間は短期的にはテクノロジーの効用を過大評価し、長期的には過小評価する傾向にある。」という言葉があるのですが、NFTもまさにそう。テクノロジーの進化は地味なんです。去年は「VR元年」と言われましたが、僕がVRを始めたのは2015年。ずっと取り組んで6年目のことでした。

【真田】ヘッドマウントギアの装着感がなじまないから、僕はVRは来ないと思うんですけど(苦笑)

【國光】いや真田さん、便利になったらみんな使いますよ(笑)。リアルに集まるのは時間のムダもある。だからといってZOOMはどこか熱が通じないところもある。これがVRになるとリアルで移動はしないけど、ZOOMで解決できなかった臨場感が得られますよ。

【真田】そこは意見が違いますね(笑)。これはこれで面白いので、VRの話はまた今度。本日はありがとうございました。

【國光】ありがとうございました。(おわり)

「生活の基盤はリアルからバーチャルへ」 なりたい自分で生きていく「Thirdverse構想」とは

【関連:國光宏尚さんのnoteはこちら】

 

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