「ひろゆき」こと西村博之氏が語る“ラクな生き方”とは?

尾藤克之「週末ライブラリー」第5回
コラムニスト/著述家/明治大学客員研究員
  • 毒舌で知られる、“ひろゆき”こと西村博之氏の価値観はどのようなものか。
  • 「心配事が現実になっても、意外と生きていけるもの」と楽観的
  • 自分を「バカ」と思うことで自己肯定感を下げず、案外ラクになる

2ちゃんねるの創設者の“ひろゆき”こと西村博之氏。かなり毒舌であることからその発言はときに物議を釀します。先日、ホリエモン(堀江貴文氏)からも、「すいません、生まれてこれまでひろゆきと親友だったことは一度もありませんよ。お仕事をしたことはありますが。いわゆるプライベート的な場所でも会うことはありませんし」とツイートされ話題になりました。

いま、若者を中心に、“ひろゆき”の発言に注目が集まっています。最近は、2ちゃんねる創設者というよりテレビなどでの「論破王」として認知されている“ひろゆき”の価値観に迫ります。最新刊『ラクしてうまくいく生き方』(きずな出版)から見てみましょう。

西村博之氏(画像はきずな出版)

最悪の状況は起こらないものだ

「仕事で失敗して、職場をクビになったらどうしよう!」「社内の飲み会を断って、みんなに嫌われたらどうしよう」 。あれこれ心配していると生きていくのがしんどくなります。現実的に不幸な出来事が起こらなくても、将来に不安を感じるだけでかなりのストレスを感じてしまうからです。

米国ミシガン大学の調査によれば、「心配事の80%は起こらない」ということが明らかになっています。さらに、残り20%のうち、16%は準備をしていれば対応可能なもの。です。つまり、心配事のうち実際に起こるのはたったの4%。ただの「取り越し苦労」にすぎません。将来を予期して不安になることを「予期不安」と言います。予期不安のほとんどは実際には起こらないのです。

“ひろゆき”は次のように言います。

(ひろゆき)もしも、その心配事が現実になっても、意外と生きていけるものだと思うんですよね。ためしに、あなたにとって「最悪の事態」を考えてみてください。たとえば、家を失ってホームレスになることが、あなたの最悪の事態だとしましょう。泊めてくれそうな友だちはいるのか、どうすれば国の支援を受けられるか、日雇いの仕事にはどんなものがあるのかを調べてみれば、とりあえずホームレスになったからといって絶望して死ぬ必要はないことがわかります。

(同)気力があるならば、お金を一切使わずに一週間くらい暮らしてみる実験をしてみるのもいいですね。自分の耐性が現実的につかめます。最悪の事態になっても生きていける自信がつけば、もっと気楽で、ストレスなく生きていけますよね。

自分を過大評価すると痛いことになる

自分の能力は、こんなはずじゃなかったのに……。そう落ちこみがちな人が存在します。ビジネスの分野では「根拠の無い自信は仕事に好影響を与える」と言われていますが、自分を客観視ができずに期待が高すぎるのは考えものです。

“ひろゆき”は次のように言います。

(ひろゆき)「『この能力ならば、もっと給料のいい仕事についているはずだったのに』『このスペックならば、早く結婚して、幸せな家庭を築いているはずだったのに』。たしかに、まだ若く、努力次第で将来が大きく変わりそうな年齢なら、自分に期待することにも意味があります。がんばって勉強して、志望校のランクを上げたいとか、自分がもっとも売り時だと思うときに婚活をがんばる、とかですね」

(同)「年をとると、そういう努力で将来を変えることは難しくなります。最初から自分に期待をしすぎず、『まあ、自分の能力はこんなもんだ』くらいの気持ちで過ごしたほうがラクですよね。『自分の能力にたいして期待しない』という前提に立てば、いまからでも、もっといろいろな工夫や対策ができるはずです」

chachamal/iStock

“ひろゆき”」は、「客観視することの重要性」を説いています。たとえば、結婚で考えるなら、相手のターゲットを広げるとか、もしくは結婚はあきらめて、ペットと幸せに暮らすとか、出家するとか色んな選択肢もあり得るということです。

さらに、給料をたくさんもらい、結婚して子どもをもうけたからといって、幸せになれるわけではないとも言い切ります。自分にとっての幸せの再定義が必要だということです。

自分はバカだと思うようにする

自分が賢いと思っている人は、自分だけの考えで物事をすすめがちなところがあります。しかし、人間は自分で考えているほど理性的ではありません。あまり過信せずに「バカなものだ」と考えておいたほうが、自己肯定感を下げずにすみません。

“ひろゆき”は次のように言います。

(ひろゆき)「自分はバカだと思っている人のほうが、自分以外の人の力を借りようとします。そうすると、無駄な努力をしなくなって、生きるうえでのコストパフォーマンスがよくなるんですよね。自分の賢さに自信がある人は、なんでも自分一人の力だけでやろうとしてしまいます。他人の意見や力を借りようとしない。でも、自分のなかにあるセンスや経験だけでは、どんなに優れた人でも限界があるんです」

(同)「社内で企画を通したいとき。となりの席の先輩に質問すれば、上司がどんな説得方法に弱いのか教えてもらえるのに、そういう発想がないからひとりよがりなものをつくって上司にボツにされ、企画書の作成に費やした労力や時間を無駄にしてしまったりします。自分のことをバカだと思っていれば、まず人に頼ることを考えるし、プライドが邪魔して頼れないということもありません」

自分のことはバカだと割り切ったほうが、案外ラクになるのかもしれません。

ラクして成果を出す、ひろゆき氏の独特の価値観。あんまり意識が高くない、もっと気楽に暮らしていきたい、お金も使いたくない人に参考になるかもしれません。

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コラムニスト/著述家/明治大学客員研究員

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