また口撃:安倍前首相が紹介した書籍『崩壊 朝日新聞』とは?
本は冷静に分析も、再度の批判で物議- 安倍前首相がワクチン架空予約に続いて、またも朝日新聞をツイッターで口撃
- 安倍氏が紹介した『崩壊 朝日新聞』は、慰安婦問題の歴史的経緯など丁寧に検証
- 「ミステリー小説10冊分」(安倍氏)の読み応えだが、度重なる口撃で物議か
安倍晋三前首相は28日午後、ツイッターを更新し、先日のワクチン架空予約問題に続いてまたも朝日新聞を“口撃”した。今回は、元朝日新聞記者の長谷川煕氏の著書『崩壊 朝日新聞』(ワック)を紹介するかたちでツイートした。
元朝日記者、長谷川煕著「崩壊朝日新聞」。
朝日の宿痾ともいえる捏造、機関紙体質はどこから来るのか。ミステリー小説10冊分の読み応え。単なる批判本ではない長谷川氏渾身の書です。 pic.twitter.com/C40NZl7pRe— 安倍晋三 (@AbeShinzo) May 28, 2021
安倍氏は18日にも、自衛隊大規模接種センター予約システムをめぐって、朝日系のアエラドットや毎日新聞の記者が架空番号を使って予約したことについても、「朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える」などと投稿したばかりだった。
安倍氏がこの日、ツイッターで紹介した『崩壊 朝日新聞』は2015年12月に刊行。その前年、朝日新聞は慰安婦問題の過去のねつ造記事を認めて謝罪していた。著者の長谷川氏は1933年生まれで、61年に朝日に入社。現役時代は、経済部記者やアエラの記者として活躍した。本は、前半で、慰安婦問題を起きた経緯を検証。さらに問題の根底にある社の伝統的な体質を浮き彫りにしようと、戦前にさかのぼり、戦争を推進する側だった歴史的事実を丹念に追跡するなどした。
一ジャーナリストとして、朝日関係者や膨大な資料を徹底取材した長谷川氏の骨太なドキュメンタリーは、とかく攻撃的な右派による朝日批判本と一線を画し、評価する向きも多い。アマゾンのレビュー欄では、「長谷川煕がここで冷静・冷徹に分析して示したほどに大きく偏ったメディアであるとまでは思っていなかった」「朝日内部にいた者にしか知りえない内容も多く、貴重な書」などといった意見がある。一方で、「身内感覚が強すぎて個人の責任を免責している」などの批判もみられた。
安倍氏の前回のツイートは、支持層からは喝采を浴びる一方で、安倍氏嫌いの左派の反発を招いた。また、左派に限らず、首相経験者が特定の報道機関を名指しに強い口調で非難したことに対する批判もある。長谷川氏の著書は「ミステリー小説10冊分」(安倍氏)の読み応えがあるのは確かだが、安倍氏が今回、同じく架空予約をした毎日新聞は外し、ターゲットを朝日に絞り込んだ上、6年前の朝日批判本を取り出してまできた“しつこさ”は議論を呼びそうだ。
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