初当選の自民・生稲氏、万歳なく感涙「安倍先生がどこかで見守ってくれている」

生前の安倍氏、最終演説会での再会叶わず

参院選は10日、投開票が行われた。投票が終了した20時過ぎからNHKなどテレビ各局が開票速報をスタート。大激戦の東京選挙区(改選6)では、亡くなった安倍元首相が肝煎りで擁立したことでも注目された自民新人の生稲晃子氏が初当選を決めた。

祝福の拍手に手を挙げて応じる生稲氏(筆者撮影)

東京・八重洲の生稲氏の選挙事務所には21時から自民の国会議員や都議など20人ほどが詰め掛け、用意された約100席が埋まる。ただ、ここから長く重苦しい時間が流れ始めた。

21時40分過ぎ、立民の蓮舫氏が4番手で当確すると、事務所内には大きなどよめきが起きた。この時点で残り2議席。生稲氏の勝利を信じる人たちから「大丈夫、大丈夫」の声が上がった。22時台も遅くなると、終電を気にして帰路に着く支援者の姿も。吉報を信じて待ちくたびれた表情を浮かべる人たちも出始めた中、23時34分、NHKが待ちに待った当選確実の速報。全員が総立ちで喜びを爆発させた。

やがて万雷の拍手の中で、待機していた生稲氏本人が登場。本来であれば万歳の予定だったが、安倍元首相の急死により追悼を優先して見送られた。

挨拶に立った生稲氏は「待っている時間がとても長く感じられた。自民党として、東京で2議席を守らなければならないということがプレッシャーだった」と振り返った上で、「政治経験のない自分にとって重い責任だと感じていたので、当確は本当に嬉しい」と少し表情を綻ばせた。

生稲氏は2016年、安倍政権が設置した働き方改革実現会議の民間有識者に選出。自らのがん治療経験をもとに治療と仕事の両立を支援する制度を提案して政府でも採用。そうした活躍が安倍氏の目に留まったことも政界挑戦のきっかけとなった。

陣営関係者によると、安倍元首相は亡くなる直前の先週半ば、生稲陣営の選対会議に出席。この時、生稲氏本人は遊説中で会うことがなかったが、元首相が地元以外の新人の後押しにここまで力を入れるのは異例で、情勢報告などを受けていたとみられる。

安倍氏との今生の別れは選挙戦中盤の応援演説。本来であれば選挙最終日に銀座で23区の最終演説会に駆けつける予定だったが、凶弾に倒れ思い描いていた再会は果たせなかった。

「安倍先生がいないことが今でも信じられない」と痛切な表情を浮かべながらも「これまで支えてくれ、お世話になったので、当選することが恩返し。安倍先生がどこかで見守ってくれていると思う。これからの6年間政治家として一生懸命頑張りたい」と活躍を誓った。

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