サイボウズ社「インフレ手当」、ネットで称賛相次ぐ中、株主からツッコミも
2年12月期は赤字に下方修正、株価はピーク時の...ソフトウェア開発会社のサイボウズが、「インフレ手当」を社員に支給するとして話題を集めている。
世界各地で急激なインフレが進行していることから、サイボウズと直接雇用契約を結ぶ日本及びグローバル拠点の社員(無期・有期雇用ともに)に対し、7~8月に最大15万円の手当を支給するという。同社では毎年1月に給与改定を実施しているが、今回の特別一時金の支給はインフレ下でも社員が生活に不安を抱くことなく業務に集中できる環境整備の一環だとしている。
賃金でも「先進例」にネット反応
こうした同社の取り組みに、ネットでは好意的な声が相次いでいる。
素晴らしい取組みです。直接雇用契約を結ぶ社員で、有期、無期関係なく支給するというところも、物価の上昇の影響を受けるのは有期、無期契約関係なくあることですし、社員のことを考えた妥当な判断だと思います。こうした状況に応じて社員のことを考えて配慮ができ、迅速な対応ができる会社は、採用にも良い影響を与えると思います。
サイボウズは働き方改革や人事制度の先進例をいつも示しています。人事制度を一つにせず、ある人は週に数回働く、ある人はフルで働く、ある人は繁忙日だけ働くなど、ライフスタイルに合わせて自由自在な勤務時間を選べる会社です。
特別手当の支給を称賛しながらも一時的なものではなく恒久的な「待遇改善」だったらもっとよかったのにと惜しむ声もあった。
日本政府のすることよりも、余程気が利いています。ただし、いわゆる「ベースアップ」ではなく、「特別一時金」であることに注意すべきです。したがって「永続的な賃金上昇」を保証するものではありません。それでも「しないよりはマシ」です。
こうした声に、サイボウズの青野慶久社長はツイッターでベアについて言及。
ベアという概念がサイボウズにはありません。100人100通りの原則。給与水準は期末に見直します。今回は期中の急激な外部環境変化への対応です。
インフレ手当てへのフィードバックに対して。
1.「ベアアップしないの?」
→ ベアという概念がサイボウズにはありません。100人100通りの原則。給与水準は期末に個別に見直します。今回は期中の急激な外部環境変化への対応です。— 青野慶久/aono@cybozu (@aono) July 13, 2022
社員に優しい一方で、株主「苦言」の背景
青野社長が言うように、サイボウズでは社員の多様なライフスタイルを尊重する人事施策を実施しており、社員にとって「働きやすい会社」として知られる。従来から副業OK、働く日数や時間、場所も自由だったが、18年からは全社員が自分の働き方を宣言する「働き方宣言制度」をスタートさせている。これは1週間のうち何時から何時まで、どこで、どのように働くかを全社員が宣言する制度。自身の働き方を宣言するだけでは意味がないが、そこはIT企業だけに自社製品のグループウェアを駆使して、全社員がおのおのの勤務状況をリアルタイムで確認できるという塩梅だ。
従来の企業では考えられない人事施策といい、今回のインフレ手当といい、誠に社員に優しいサイボウズだが、こんな苦言を呈する声も。
(インフレ手当は)社員にとっては素晴らしい判断だが、株価下落に歯止めがかからない株主にとっては言いたいことが山ほどある。
社員のわがまま聞きます。株主は死んでください。
実はサイボウズでは株価下落が続いており、株価がピーク時の3分の1に低迷している。6月に業績修正を発表したことが、株価下落につながった。22年12月期の連結経常損益を従来予想の4億円の黒字から、7000万円の赤字(前期は14億6000円の黒字)に下方修正し、一転して赤字見通しとなったのだ。広告宣伝費などが4億3000万円増加したことが、赤字転落の主な原因だ。
とはいえ、市場では短期的な悪材料は出尽くしたと受け止める動きが優勢で、来期には広告宣伝費の増加も一巡すると見られている。いずれ株価も上昇に転じ、社員だけでなく「株主にも優しい」会社になることが期待される。
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