社説で五輪中止なのにスポンサー継続 !? 矛盾を気にしない朝日脳
あのころ朝日新聞があった #4- 「朝日脳」シリーズ。今回は朝日新聞の「五輪中止」社説の騒動
- スポンサー継続方針に「宣伝をお願いしながら中止を要求」と村山氏
- 東京五輪は「負け戦」。競技の分散開催などで「引き分け」に持ち込め
朝日新聞が「夏の東京五輪 中止の決断を首相に求める」と題し、全国紙で最初に大会中止を求める社説を掲載しましたが、同時に大会スポンサーは継続すると表明したことで波紋を広げました。今回の騒動、「朝日脳」シリーズを連載中の村山恭平さんの目にはどのように映っていたのでしょうか。
また、やってくれました。五輪がらみの「朝日脳」の登場です。スポンサーをやりながら、いきなり社説で「中止の決断を首相に求める」ですか。実はこういう矛盾。朝日は昔から結構やっています。
典型的なのは、君が代斉唱やブラック部活に批判的なのに、何の説明もなく夏の甲子園を主催していることです。また、古い話ですが、リクルート事件で批判記事と同じ紙面にリクルート社の広告が載っていたこともあります。朝日新聞をボロ
クソに批判する週刊誌の広告が堂々と出ることもよくあります。
「イベント主催や広告と、紙面の編集は独立しているのだ」などと暢気なことを言っていますが、これをやってしまうと両方とも説得力がなくなります。
君が代批判派は甲子園の斉唱を聞いて「そういえば戦争中、朝日はイケイケドンドンだったな」などと思いかねないでしょうし、逆に君が代を神聖に思っている方は、「あんたらにだけは歌ってほしくない」との違和感を抱くでしょう。
安くない全国版の広告(バブルのころの話)を出して、隣の記事でボロクソに批判されたリクルート社は、この上なく間抜けに見えました。記事と広告は別々に編集しているとしても、バキュームカーの横転事故の記事横にレトルトカレーの広告を出さないというような配慮はしているそうですから、それなりのやり方はったはずです。
本音では開催を望んでいる
今回の五輪では、普段とは逆に広告を出す側なので、いっそう矛盾が際立つことになります。宣伝をお願いしながら中止を要求するって、どういうことでしょう。もし、中止要求が無視され(当然されるでしょう)五輪が開催されたら、競技場の掲示やらテレビスポットで、「朝日新聞読んでね」とやるのでしょうか。いい度胸、さすがは朝日脳です。
筋から言えば、社説を出す以前にスポンサーを降りるべきでした。どんな契約になっていようが、「払った金は放棄するから。今後一切関係なし」と宣言することは出来るでしょう。会社のイメージ向上が広告の役割なら、下手にオフィシャルパートナー(協賛金は約60億円)なんかやってるより、よほど効果があります。
さらに「私たちは東京オリンピック・パラリンピックは中止すべきものであると考えます。従いまして、競技内容や結果の報道は、今後一切行いません」ここまでやるなら、慰安婦で地に落ちた評判をかなり取り返せるでしょう。
ただ、こういうことは出来るはずがないのです。理由はテレビ朝日です。何しろ、過去に日本政府がボイコットしたモスクワ五輪を、未練がましく独占中継した局です。IOCと喧嘩ができるわけありません。
テレビと新聞は別だと思うのですが、テレ朝グループの影響力が異常に強い朝日新聞社では絶対にありえない話です。ここいらへんの事情は後日ゆっくり解説しますが、簡単に言えば株式の持ち合いで身動きがとれないのです。
さて、今回の社説、どう落とし前をつけるのでしょうか。国からも都からもIOCからも相当睨まれているはずです。今後の展開、想像もつきません。
「引き分け」にする大切さ
ところで、それならお前は五輪をどうするべきだと言うのか、聞かれそうなので簡単に自分の考えをまとめておきます。
今回の東京オリンピック。どう転んでも勝者はいません。経済振興は全部だめ。JOCや競技団体の入場料収入は激減、下手をすれば無観客です。肝心の選手、たとえ開催されたとしても、苦労して出場した大会にすでに大きなケチがついています。仮に金メダルをとっても、不用意に人前で喜ぶと炎上しかねません。IOCなど、ボッタクリ親分率いる悪の秘密結社扱いで、今後は開催都市やスポンサーを探すのにも苦労しそうです。
「負け戦」の采配で大切なのは、特定のメンバーだけが大負けしないようにすることです。たとえば、シンプルに開催中止なら、すでに大金を払っているスポンサーやメディア企業はたまりません。IOCは消滅まであります。
逆に、通常開催に近い形にして、もし少しでも感染が広がり、五輪孤児や巻き添え倒産が続出したら、関係者一同、白い目で見られ、スポーツ選手のイメージまで変わってしまいそうです。
明瞭な「負け組」が出ると彼らはシステム全体の敵に回ることになります。
今更中止でメディアやスポンサー企業に深手を負わせてしまうと今後の開催は不可能になります。逆に、強硬開催で感染が広がり医療崩壊や経済崩壊がおきたら、日本人全部が負け組になり治安にまで響きます。令和の攘夷運動もおきかねません。
こういうときは、内田樹氏の言う「全員が同程度に不満な解決」が唯一の現実的な解です。バッハ会長の名セリフ「我々はいくらかの犠牲を払わなければいけない」というのも、この意味でなら大賛成です。
私が提案は、開会式だけを予定通り行い競技日程は改めて組み直して、1年ぐらいかけて少しずつぼちぼち国内各地で分散して消化しえいくというものです。最大の目的は、東京に同時に集まる関係者の数を減らすということです。バブルの維持も医療体制の負担もかなり楽になります。ワクチンの普及状況によっては、海外からの観戦客も呼び込めるかもしてません。
メディアやスポンサーにとっては悪い話ではありません。人気競技同士が裏番組になりにくいので、ライブ中継の視聴率が激増します。だから、理想は一日一競技です。「ホッケーの日」や「近代五種の週」なんか面白そうです。パラの競技
も組み込みましょう。ポッチャや車椅子マラソンなどは、現状でも十分に「見て楽しめるスポーツ」です。ロックダウンや自粛が続く中、新たな人気コンテンツが誕生するかもしれません。
今回「人類が新型コロナウィルスに打ち勝った証」は、もう無理だとしても、「日本人が苦しみながらも新型コロナウイルスと引き分けにもちこんだ証」ならやりようによっては可能であり、十分に意味のあることだと思います。
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