桜島が噴火、警戒レベルは最高の5に〜 この機に改めて考える富士山噴火シナリオ

政府想定の被害額2兆5000億円!
ライター/SAKISIRU編集部

鹿児島県鹿児島市の桜島が24日夜、爆発的な噴火が起きた。気象庁は噴火警戒レベルを3(入山規制)から最も高5(避難)の「避難」に引き上げ、厳重な警戒を呼び掛けている。

桜島(画像は2018年撮影 yumenomatayume /iStock)

これを受け鹿児島市は33世帯51人に避難指示を発出。福岡管区気象台の鳥巣啓多・火山防災情報調整官は臨時記者会見で「しばらくは注意が必要」と警戒を呼び掛けた。

桜島の噴火自体は珍しいことではない。最近では、噴火回数が年間で1250回に上った2015年の噴火が記憶に新しい。この時の噴火警戒レベルは最高時でも今回より低い4(避難準備)だったが、それでも甚大な被害をもたらせた。2015年1月1日から12月31日までの1年間での桜島の噴火および火山活動による農作物の被害は、約64億円に上った。今のところ、今回の噴火で人的被害は生じていないが、経済的被害は心配される。

専門家「富士山は必ず噴火します」

また、火山の噴火と聞くと、首都圏に住んでいる人の多くは富士山の噴火を心配するだろう。「近いうちに必ず噴火する」とも言われている富士山。噴火の可能性はどれくらいあるのか。

2021年9月21日に放送された「検証 富士山噴火」(NHK)で、火山噴火予知連絡会の元会長、山梨県富士山科学研究所所長の藤井敏嗣氏は、富士山噴火の可能性について次のように指摘していた。

富士山は必ず噴火します。富士山は非常に若い活火山なんです。人間に例えたら10歳とか20歳ぐらい。これからもっと活発化すると思ったほうがいい。

もし富士山が噴火したらどうなるのか。富士山が噴火したら、まず、周辺地域を襲うのが、溶岩(マグマ)が斜面を流れ下る「溶岩流」、高温の火山灰・軽石・火山岩塊などが一団となって高速度で流れ下る「火砕流」、溶岩の熱で積もった雪が雪崩状態になる「融雪型火山泥流」、二酸化硫黄、硫化水素などの毒性を持つ「火山ガス」、火山の噴火で吹き飛ばされる岩のかたまり「噴石」など。

江戸時代の宝永4年(1707)に起きた富士山噴火を描いた葛飾北斎「富岳百景」( 国立国会図書館デジタルコレクション)

被害額は首都圏だけで2兆5000億円!

さらに被害は広範に及び、首都圏全体を火山灰が襲う。噴火から数時間後には火山灰が東京に到達すると考えられている。2010年、アイスランドの火山・エイヤフィヤトラヨークトルの噴火により、ヨーロッパ中の空港が閉鎖されたように、首都圏の空港は閉鎖され、道路は火山灰が積もって通行止め。電車も止まると見られている。

内閣府の試算によると、富士山噴火によって被る被害額は首都圏だけで、2兆5000億円に上る。しかし、この試算には考慮に入っていない要素も多いという。火力発電所や上下水道、送電線への被害、さらに、火山灰が車やパソコンなどの精密機械に入り込んでしまい不具合を生じるなどの被害は、この試算では考慮に入っていない。こうした細かいものまで含めると、被害額は天文学的数字になってしまうだろう。

Eloi_Omella /iStock

静岡、山梨、神奈川の3県と国などで組織する富士山火山防災対策協議会は、2014年に広域避難計画をまとめた。それによると、火山灰による避難対象者を3県で最大47万人、溶岩流の避難対象者は75万人と推計している。また、火山灰の影響で首都圏がブラックアウト(大停電)する可能性が指摘されている。

富士山の噴火は自然現象なだけに人間の力で止めることはできない。しかし、桜島噴火のこの機会に改めて、富士山が噴火したらどうなるか、自分にどのような影響があるのかくらいは想定しておいた方が良いのかもしれない。

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