「安倍が上皇陛下や皇室を軽視していた」“ネオ皇道派”の風説が信じ難い理由

【追悼特集】安倍批判ファクトチェック #2
ライター・編集者

【編集部より】安倍晋三元首相の生前の政治スタイルには毀誉褒貶が続きましたが、批判された言動の中にはにわかに信じがたい報道や論評もありました。暗殺事件から1か月。安倍氏に何度も取材をしてきたライターの梶原麻衣子さんが、確かなエビデンスに基づき、安倍氏に対する「巷の批判」を多角的な視点から検証します。

第2回は、安倍氏が「皇室を軽んじていたのではないか」という左派の指摘に対し、取材時の秘話を交えて真っ向から異論を唱えます。(3回シリーズの2回目)

「平成31年4月1日 安倍内閣総理大臣記者会見」(首相官邸ホームページ)を加工して作成

「安倍が上皇陛下や皇室を軽視」!?

安倍政権下で顕著だったのは、「尊王派」と目される人々が、従来の右派から左派へとすっかり入れ替わったことだった。「憲法を破壊する」と左派が見なす安倍政権に対抗すべく、彼らが持ち出したのは現・上皇陛下だった。その振る舞いは一部から「ネオ皇道派」とまで揶揄されるほどだった。

そうした中で、「安倍が上皇陛下や皇室を軽視していた」とする証言も飛び交った。特に気になるのが、亀井静香氏や毎日新聞編集委員の伊藤智永氏が発信元だというエピソードで、東日本大震災時に上皇陛下(当時は天皇陛下)が避難所の床に跪き、被災者と同じ目線でお話になったことを、安倍総理がモノマネまでして茶化した、という話だ(参照:BEST TIMES「本当の保守とは思えない。安倍首相の「皇室軽視」を作家・適菜収が喝破する」)。

話の真偽や安倍総理の真意はもはや確かめようがないのだが、これとは相反する、安倍総理の上皇陛下に対する思いが感じられるエピソードを紹介したい。

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