日本人はお金を意外に理解していた?金融リテラシーの高い県、残念な県は?
金融広報中央委の3万人調査から見えてきた「変化」- 日銀系の金融広報中央委員会が3万人を対象に金融リテラシーを調査
- 発表された22年の調査結果から見えてきた「変化」とは?
- 投信経験者は3割に増加!都道府県別調査ではリテラシーの格差も
こんにちは、ファイナンシャルプランナー/キャリアコンサルタントの八木陽子です。
先月7月7日に、金融広報中央委員会が「金融リテラシー調査2022年」を公表しました。同委員会は日銀に事務局を置き、中立・公正な立場から、暮らしに身近な金融に関する幅広い広報活動を行う組織です。
金融リテラシー調査は、過去に2016年、2019年に行われており、今回の2022年が3回目。対象は18歳から79歳までの3万人、前回より5000人増やして、インターネットによるアンケート調査で実施しました。

金融リテラシーようやく上がる!?
調査の設問のうち一部は、金融経済教育推進会議が作成する「金融リテラシー・マップ」に基づいて、米国やOECDなどによる同種調査と比較ができるようにしています。そして、実際、OECD調査参加国のうち上位10か国と日本を比較すると、日本の金融リテラシーのレベルはかなり追い上げてきたといってよいレベルになりました。
とはいえ、「インフレ」「分散投資」等の分野で正答率の見劣りがし、いまだ全体において調査参加国平均には及ばないのも、厳しい現実です。
しかしながら、金融教育の成果も見えました。日本では金融教育を受けたと認識している人は相変わらず低水準なのですが、受けた人のほうが、設問の正答率が高く、さらには望ましい金融行動をとる結果になっています。金融教育を求める声は7割以上にもなるため、将来さらなる金融教育の普及と効果が期待されるでしょう。
衝撃な数字としては、「金融知識に自信がある人」(「とても高い」と「どちらかといえば高い」との合計)の割合は、アメリカでは回答者の71%を占めていますが、日本では12%。金融知識に自信がないまま、海外の人たちと堂々と交渉できるのか、謙虚な国民性だとしても、かなり不安な数字もありました。
投信経験者は3割に増!ただ…

また、日本での投資経験者の増加が読み取れるのも今回の特徴です。株式、投資信託または外貨預金・外貨MMFの金融商品を購入したことがあるという回答が増えています。とりわけ投資信託は、2016年は25.8%でしたが、2022年は31.2%になりました。回答者のうち、3割以上の人が投信の購入経験者ということです。一気に普及してきた感があります。
17年前、私がお金の教育の普及活動を始めた当初は、意欲的な保護者や教育機関からは、「お金の管理」や「キャッシュレス決済」についての講座は求められることがありましたが、投資や資産運用に関してのリクエストはほとんどありませんでした。それが、ここ数年で、すっかり形勢が変わったように思います。
しかし、調査によると、購入者のうち、約3割の人がその商品性を理解さずに購入したということで、これは残念!です。まだまだ、日本の金融リテラシー向上には伸びしろがあります。
都道府県別調査、最も残念は県は…
ところで、金融リテラシーが最も高い(正答率が高い)県と低い県はどこだと思いますか?
下記のとおりです。

ちなみに、トップの島根県と奈良県は、個人型確定拠出年金の加入率も高い県と言われていますから、やはり金融リテラシーの高さが、金融行動を変えているのでしょう。
そして、もっとも残念な県はというと、沖縄県です。金融リテラシーが低い県ですが、沖縄・佐賀、そして、青森・鳥取といったラインナップから、東京や大阪など金融都市との距離感もあるのか、原因は深掘りできてませんが、これまでの経験から言える仮説としては、これらの地域では、金融教育がまだ浸透していない可能性はありそうです。狭い日本といえども、情報・教育の普及に時間がかかるのかもしれません。
保守的でなかなか金融教育への風が吹かなかった日本ですが、ここ数年で少しずつ風向きが変わってきたように思います。今年4月から、高校で投資や資産形成の教育の義務化も始まりました。子供たちだけでなく、日本全体で金融リテラシーが向上し、これからの時代に必要な金融の知恵や力が育っていくことを期待しています。
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