「学歴中心の履歴書から経験中心の履歴書へ」女性起業家の発言が10か月経って“炎上”

成田悠輔氏「最も格差を作り出す」と論破
ライター/SAKISIRU編集部
  • 「学歴中心の履歴書から経験中心の履歴書へ」女性起業家の炎上騒動の経緯
  • 昨年の選挙特番で「学歴社会が経済格差の原因」との思いから発言
  • ネット民がどのように反発しているのか?成田悠輔氏ら著名人の反応は…

半年以上前のテレビ番組でのある発言がこのところ、ネット上で“炎上”している。“炎上”している発言は、TBS「サンデーモーニング」のコメンテーターとしてもおなじみの、起業家の平原依文氏の発言だ。

昨年10月31日に行われた衆院選に合わせて放送されたテレビ番組『若者100人と衆院選挙の夜に考える「格差を解決する方法」【選挙ステーション2021】』の中で、平原氏は若者の格差をなくすための解決策として「学歴中心の履歴書から経験中心の履歴書へ」と回答したが、これが今回10か月近く経って“炎上”しているのだ。

※画像はイメージです(RyanKing999/iStock)

「学歴社会こそが経済格差の原因」

番組で平原氏は次のように述べていた。

今の日本は、学歴を重要視し過ぎだと思います。いい大学を卒業して、いい企業に入社する、それが高収入につながって、それが成功として捉えられる。これが果たして本当に当たり前なのでしょうか。そのレールに乗れない、または落ちてしまうと、失敗として捉えられ、結果として収入が下がってしまっているというのが今のスタンダードだと思います。

つまり、この学歴社会こそが経済格差の原因であると思います。だからこそ、人を評価する判断基準は学歴ではなく、その人個人が持つ唯一無二の経験。いつからでも、自分の頑張り次第で結果も生み出せて、収入格差がなくなると思います。

ネット民はなぜこの発言に反発しているのか。ネット上には、次のような意見が多かった。

経験中心にすると、しかも子供の頃の経験となると99%「実家の太さ」が全てになるんだよな。

貧困のため奨学金を貰ってバイトしながら大学卒業した経験を、親の金とは言え海外留学した経験よりも優遇する企業なんて無い

学歴も金と時間持ってる方が有利ですね。学習塾や私立に学費払いながら通わせるのは、そもそも金ないと無理です。

平原依文氏(WORLD ROAD 公式サイト)

平原氏は、8歳の時の中国留学を皮切りに、12歳からカナダ、16歳でメキシコ、さらにスペインに留学。東日本大震災をきっかけに日本に帰国し、早稲田大学国際教養学部に入学。新卒でジョンソン・エンド・ジョンソンに入社した。

その後、「地球を1つの学校にする」をミッションに掲げる「WORLD ROAD」を設立し、2022年には自身の夢である「社会の境界線を溶かす」を実現するために、HI合同会社を設立。その傍ら、青年版ダボス会議日本代表を務める。

成田悠輔氏「豊かな家の子ほど…」

米・イェール大学助教授の成田悠輔氏は、同番組で平原氏の「経験中心の履歴書へ」では、さらに格差が広がるのではと指摘していた。

経験重視っていうのは最も格差を作り出すものなんじゃないかと思っているんですよ。僕がいる大学も含めてアメリカの有名大学は、あまり知られていないんですけど、入学試験がないんですよ。これまでの経験値を出願書類にまとめて、それを総合的に判断して入れる、すべてがAO入試みたいな世界なんです。

と“経験重視”に反対の立場を示したうえで“経験重視”の入試を行っているアメリカで起きている現象を説明した。

そういう世界で何が起きているかというと、高校生がみんな多様な経験と称するものを手に入れるために2週間で100万円とかする経験を買うためのパッケージツアーに参加して、NPOとか会社とかを作って社会起業家ですと言って自分をプレゼンするということが起きています。その結果としてイェール大学とかハーバード大学って、入学している親の平均年収が1500万円とかそういう状態になっているんです。

そういう意味で言うと経験っていうのも履歴書に書けるような経験にしてしまうと、豊かな家の子ほど経験をしっかりと蓄えられるというふうになっちゃうんじゃないかなという気がします」

一方、デジタル庁統括官の楠正憲氏は、この話題に関連して、一見公平に見える新卒採用も世代間の不公平は大きいとツイートする。

学歴はその世代で勉強を頑張れば誰しもチャンスがあって公平だが、どんな経験を積めるかは時代によって窓が開いているか不均衡がある。だが就職氷河期世代としていわせてもらうと公平に見える新卒採用だって景気の調整弁とされて世代間の不公平は大きい。自分のターンを生き残れ。

楠氏はさらに実家が裕福ではなくても、「伸し上がる機会はある」と強調していた。

AO入試やら新卒採用で評価される「経験」の中には札束で引っぱたけば簡単に手に入るものもあるが、虚心坦懐に世界を眺めれば実家が太くなくたって伸し上がる機会はある。その時代時代どこに窓が開いているか見極めが難しいし、その意欲を持てるか、見る背中があるか、周りが背中を押してくれるかは別。

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