金融庁の広報動画にひろゆき氏登場で炎上騒動、金融庁と郷原弁護士に見解を聞いた

民事訴訟で賠償金を支払わなかった過去は“不問”に
  • 金融庁のプロモーション動画にひろゆき氏が登場して炎上
  • ひろゆき氏がかつて、名誉毀損の賠償金を支払わなかった過去が原因
  • “逃げ得”をした人物が公的機関に起用されることに不満の声も

金融庁は24日、金融リテラシーの向上を目的としたプロモーションの動画でひろゆき氏を登場させた。だが、ひろゆき氏はかつて民事裁判で確定した賠償金を支払わないまま時効を迎えた経緯があり、ネット上では批判が起きている。

YouTube金融庁チャンネルより

未払い賠償30億?「死刑になるのなら支払うが…」

動画では、総合政策局総合政策課長とひろゆき氏がリモートで対談し、金融リテラシーや金融教育の重要性などを語った。特に、「つみたてNISA」を推奨する発言が目立っていた。両者はもともとパリで徒歩圏内に住んで近所付き合いがあり、旧知の中だったという。

現在はユーチューバーとして活動し、テレビのコメンテーターとしても大きく注目されているひろゆき氏だが、かつてひろゆき氏が創設したインターネット掲示板「2ちゃんねる」をめぐって、名誉毀損訴訟などで敗訴し、賠償金の支払いが確定していた。

だが、往時の読売新聞(2007年3月20日)によると、裁判所で出廷した際に報道陣に対して

支払わなければ死刑になるのなら支払うが、支払わなくてもどうということはないので支払わない。

と明言するなど支払いを拒否。大半の賠償金を支払わないまま時効を迎えた。2017年には、AbemaTVの番組「エゴサーチTV」で、次のように語った。

1日5万円払えっていう判決が出たりするんですよ。面倒臭いから放っておくと、1日5万円がすげー増えるんですよ。それが何件もあるから、累積で30億くらいいったと思うんですけど、ただ10年たつと時効だからゼロになるんですよ。だから、ゼロなんですよ、今

一方で、ひろゆき氏の支払い拒否を機に法制度の不備がクローズアップ。その後、こうした賠償金が取れない問題に対応するため2020年4月1日に「民事執行法」が改正され、財産開示手続が強化された。最近ではドワンゴ前社長川上量生氏がブログで「当時の裁判制度では仕方なかった」と擁護し注目された。

金融庁の起用にネットは批判続出

kawa*******mu /Photo AC

民事訴訟の賠償金の支払いを拒否した人物を金融庁が起用したことについて、ネット上では批判の声もあった。

経済ジャーナリスト石井孝明氏は「私の元上司は、金融庁に告発され、塀の中に落ちたのに。厳密に言ったら、そうなりかねないひろゆき氏と、金融庁が語り合ってるのは異常」とツイート。

OSDN株式会社代表取締役社長の佐渡秀治氏は起用には一定の理解を示しつつ「『逝ってよし』『オマエモナー』とか書いてた連中が国の中枢に登り詰めてきているのだなと思うと、なかなかしんどいところがある」と述べた。

ひろゆき氏の人物評価については賛否両論あり、以下のような声もあった。

金融庁の担当者を懲戒免職にしてくれ。

賠償金踏み倒して海外逃亡してる輩を公認するのね金融庁。世も末。

これは許し難いな。どれだけの賠償金から逃げてるんだ。その行為に金融庁としてお墨付きを与えるのか?

金融庁の見解は?専門家の意見は?

当事者はどうなのか。SAKISIRU編集部が金融庁に問い合わせると「動画は金融リテラシーの必要性などを広めるため、いろいろな方に出演頂いて動画を作成している」とした上で、西村氏の賠償不払い問題やネット上で批判が起きていることについては「個人に関することなのでコメントできない」と即答を避けた。

専門家はどう見ているか。企業や官公庁のコンプライアンスに詳しい弁護士の郷原信郎氏は、「どう評価するかの問題であり、金融庁は特に問題とすべきことではないと考えたのでしょう」との見方を示した。

いずれにせよ、金融庁が西村氏起用に踏み切った背景としては、現在は法的責任を問われる立場ではないとの判断したと公算が強い。しかし結果的にはハレーションが大きくなっただけに、金融庁には説明責任が求められそうだ。

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