小池都知事に振り回された?政府、コロナ全数把握の見直しを全国一律で実施に方針転換

自治体から丸投げ批判噴出、ネット民「首尾一貫性はどこにあるの」
ライター/SAKISIRU編集部

政府は25日、新型コロナウイルスの新規感染者の「全数把握」を見直し、高齢者など重症化リスクの高い人に限定する仕組みを9月半ばに全国一律で実施する方向で検討に入った。産経新聞が同日深夜、電子版で報じた

24日には、政府は全数把握の実施は「各自治体の判断に委ねる」としていたが、わずか1日あまりで方針は転換された格好だ。またも政府のブレが目立ったことで、ネット上で波紋が広がっている。

Anson_iStock

小池都知事の“逆張り”に押された?

全数把握の見直しを全国一律で実施することに、ツイッターではさまざまな反応が寄せられた。

元衆院議員の青山雅幸氏は、「みっともなさすぎ」とあきれていた。

最初から自分の責任で決断しておけば、喝采を浴びられたのに。批判されて結局「全数把握を全国一律で見直しへ」って、みっともなさすぎ。

東京・大田区や品川区を中心に訪問診療を行っている、ひなた在宅クリニック山王の田代和馬院長は、政府の方針転換に「本質が見えていない」と憤る。

ブレブレ。本質が見えてない。全数把握は必要。ただそれが目的化して臨床管理が疎かにならないように【やり方】を見直して欲しいのです。

愛知県犬山市議会議員の久世高裕氏(無所属)は、政府の方針転換の背景には東京都の小池知事の判断があったのではとの見方を示した。

小池都知事の「逆張り」に押されて最終的にはいつもの「総理が決断した」パターンに戻った形。振り回される現場の方々が本当に気の毒です。まだまだひとブレ、ふたブレあるでしょう。

政府は24日、新規感染者の全数把握をするかどうかは各自治体の判断に委ねるとしたが、小池知事は「都は1人ひとりの患者さんを大事にしていく。そのため当面、発生届の取り扱いにつきましては、現在の運用を続けていくこととします」と述べ、東京都は従来通り、全数把握を実施していく方針を示していた。

19日の定例記者会見でコロナ対策を説明する小池知事(公式Facebook

この小池知事の発言にツイッターでは次のような反応があった。

あくまでボールは政府にある…ってことだろうか

患者は大事にしても、パフォーマンスで犠牲になってる我々都民は全く大事にしてないよな!

東京都、感染してもほぼ放置じゃねぇか。患者を大事に→全数把握継続の意味が分からん。

“丸投げ”批判受け、方針転換だが…

政府が24日に示した、新規感染者の全数把握を全国一律ではなく「各自治体の判断に任せる」という方針についてはさまざまな受け止めがあった。

産経新聞によると、大阪市松井一郎市長はこの日、記者団に対し、「現場の医療従事者、保健所の業務も逼迫しており、見直しは歓迎する」と評価する一方、全数把握をするかどうかを各自治体に委ねることに対しては「自治体に丸投げでは(判断が)ばらばらになる」と疑問を呈していた。

兵庫県斎藤元彦知事は「全数把握が『感染を抑え込む』という本来の目的につながらず、統計作業になっていた面が否めない。見直しは全国知事会も要望していた」と政府方針に一定の理解を示しつつ、コロナは国家レベルの対策が必要。国全体の方針が示されると思っていたが…」と戸惑いを見せていた(参照:神戸新聞)。

北海道鈴木直道知事も次のように述べ、国としての統一的な取り扱いを求めていた。

「今回の見直しは、今後の感染症対策の根幹にかかわるもの。国の判断のもと、全国統一的な取り扱いが求められる。また、今回の取り扱いは緊急避難措置とされているが、その位置づけが判然としていない」

栃木県福田富一知事も「発生届の取り扱いは感染症に対応する上での基本的事項であり、緊急避難的措置とはいえ、そのあり方を自治体の判断に委ねるべきものではなく、全国一律に対応すべきものと考える」とのコメントを発表した。

こうした首長らの声を受けての、まさに“朝令暮改”とも言える全数把握見直しの全国一律での実施だろうが、ネット上では

岸田政権の政策の首尾一貫性はどこにあるのだろうか

発表前に自治体と打ち合わせして、問題点や課題点を洗い出して、その上で発表して下さいよ

「聞く力、ここに極まれり」

といった意見が相次いでいた。

 

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