ミツカン会長訃報、自民党法務部会法制審先送り…親権問題でWの激震
マスコミが十分報じない背景、一体何が起きているのか?- 週末間際の26日、親権問題に関連した激震とも言えるニュースが相次ぐ
- 東京地裁での尋問に出廷したばかりのミツカン会長の訃報、死因を巡る憶測も
- 自民党法務部会が、法務省法制審の共同親権制度案を先送り
今週も旧統一教会関連の報道が永田町で連日揺らいだ中で、週末間際の26日、親権問題に関連した激震とも言えるニュースが相次いだ。 一つ目の激震がこの日朝、中日新聞がスクープしたミツカンホールディングスの中埜和英会長の訃報だ。中埜会長はミツカン創業家の当主8代目。今月9日、東京地裁で行われた「ミツカン父子引き離し事件」訴訟に尋問を受けるため出廷し、ネット上で大きな注目を集めたばかりだった。
注目の尋問からまもない訃報
中埜会長が亡くなったのは今月21日。尋問からわずか10日余りの出来事で、傍聴席から中埜会長を見た人は「体調に異変は見られなかったのに…」と驚きの声が上がる。 それだけにネットで渦巻いたのが中埜会長の死因を巡る憶測だ。
報道された死因は「急性心不全」だったが、昔から「心不全」との発表の際には、関係者が真相を知られたくない可能性がつきまとう(参照:ITmedia ビジネスオンライン『「心不全」を信用してはいけない……訃報欄の裏に潜む人間模様」)。 中日新聞が、日経や朝日などを出し抜き、中埜会長の訃報をいち早く報じることができたのも、地元の愛知県内に本社を構える有力企業であり、過去には中埜会長の連載コラムを掲載していたこともあるなど深い関係性があったからなのは言うまでもない。
しかし中日新聞の取材に応対したミツカングループの広報担当者の「こちらからはお答えできない」というコメントが疑念を深めている。 訃報を書いた記者は非公式なルートから一報を把握し、形式的な裏付け取材で広報担当者に当てに行った可能性がうかがえるが、こうした経緯から、父子引き離し事件に注目しているメディア関係者の中には、被告人尋問の影響を挙げ、「中日新聞は真相を知っているのに書けない何かがあるのではないか」との見方もあった。
一方、「父子引き離し事件」で、中埜会長夫妻を相手取って訴えていた元娘婿の中埜大輔氏はこの日午後6時過ぎ、ツイッターで「心よりお悔やみ申し上げます」と弔意を表明。ネット民から「大輔さんの人生を滅茶苦茶に壊した人なのに…」などと反応が相次いだが、大輔氏は続けて次のように複雑な心中を綴った。
私と息子は3年以上生き別れています。父子の絆を回復させるまで私は全力を尽くします。親子が愛を育むことは人として当然に有する権利だからです。故人を悼むのは愛あるゆえであり、他方、親子引き離しは愛を否定する行為です。この矛盾に気づいて頂き、私と息子の交流を早急に再開して頂きたいです。
私と息子は3年以上生き別れています。父子の絆を回復させるまで私は全力を尽くします。親子が愛を育むことは人として当然に有する権利だからです。故人を悼むのは愛あるゆえであり、他方、親子引き離しは愛を否定する行為です。この矛盾に気づいて頂き、私と息子の交流を早急に再開して頂きたいです。
— 中埜大輔 | Daisuke Nakano(ミツカン事件の婿本人、英国タイムズ紙が告発報道中) (@nakano3dai) August 26, 2022
自民党法務部会でまた異例の事態
この中埜会長の訃報だけでも衝撃だったのだが、夜になって、共同親権の制度案について議論をしていた自民党法務部会が、法務省の法制審議会の中間試案の決定を先送りしたという速報が流れ、波紋をさらに広げた。
時事通信によると、部会では、法務省側の説明に対し、議員らが「部会での意見を聞かないで中間試案を決めるなら、何のために部会をやっているのか」などの反発が相次いだという。 この法制審議会の中間試案を巡っては、マスコミの「共同親権タブー」で実相が十分に報じられず、ネットを見ない世代や、事情に詳しくないネット民らも何が起きているのかわからずに困惑が広がりそうだ。
しかし本サイト既報のように、法務省側が提出した制度案は、共同親権を形式的に認めるものの、監護権は引き続き片親のみに認めるとするもので、共同親権推進派は「骨抜きになる」と懸念。弁護士・大学教授などがつくる民間の法制審議会が別の制度案を提起し、自民党法務部会に提出。「法務省 vs. 民間」という構図で、2つの試案を議論してきた経緯がある。
マスコミでは、この日の報道のように、法務省側の試案に注目されがちだが、自民党が異例とも言える対応を続けているのは、法務省側に根強い不信があるためだ。
この日の出来事について、共同親権問題に詳しい栗原務弁護士はツイッターで「骨抜き案を押し通そうとする人たちは、一気に突き抜けたかったのだろうけどね。 そうは問屋が卸さないよ、と」と短く解説。
骨抜き案を押し通そうとする人たちは、一気に突き抜けたかったのだろうけどね。
そうは問屋が卸さないよ、と。 https://t.co/eCxTXevds0
— 栗原 務|Tsutomu Kurihara @弁護士法人 TTM & Co. #代表弁護士CEO (@Kurihara_TTMCo) August 26, 2022
自民党の谷川とむ衆院議員は「法務部会をもう一度開くことにしました」と報告。「新部会長の下でとなりますが、現我々執行部の考えをしっかりと引き継いで頂き、子どもの為の共同親権共同監護 となるよう手を尽くしてまいります」と決意を述べると、
法務部会をもう一度開くことにしました。新部会長の下でとなりますが、現我々執行部の考えをしっかりと引き継いで頂き、子どもの為の #共同親権共同監護 となるよう手を尽くしてまいります
離婚後共同親権 法制審の中間試案先送り自民部会了承せず(時事通信)- Yahoo!ニュース https://t.co/bpr6rKCPxN— 谷川とむ【自民党副幹事長 大阪府連会長 大阪19区 衆議院議員】 (@Tom_Tanigawa) August 26, 2022
谷川氏に対して、共同親権の導入を期待するネット民からは
原則共同親権実現をどうか早急にお願い致します
離婚ビジネス利権の受益者はメンバーから外してください。公正な審議が出来ない事が今回証明されたので、当然の処置だと思います。
などの声が寄せられていた。
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