「ピークアウトした中国は暴発する」は本当か?米専門家の議論と日本が学ぶべき「3つの教訓」

百花繚乱の中国脅威論、予測不能な時代を読み解く
地政学・戦略学者/多摩大学客員教授
  • 米国で中国脅威論の著作が増加、中国がピークアウトして焦るので危険との見方浮上
  • 「中国の国力はピークを迎えていない」と異論も
  • 対立する対中分析や戦略論。「予測不能な時代」を読み解く3つの教訓
Vincent JIANG /iStock

「中国共産党は長期戦略を追求している」とする、いわゆる中国脅威論を唱える専門家たちの著作が増えてきた。

日本語に翻訳されていないもので思いつくだけでも、バイデン政権に官僚として加わったラッシュ・ドシの『The Long Game』や、ワシントン・ポスト紙のコラムニストであるジョッシュ・ロギンの『Chaos Under Heaven』、そして経済戦略研究所所長で日本を含む長年アジア経済を研究してきたクライド・プレストウィッツの『The World Turned Upside Down』の3冊の本がある。

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そのような中で、「中国の国力はピークアウトしたが、焦った北京は対外的に冒険的になるからむしろ気をつけろ」というユニークな主張を展開する新刊が出た。

その新刊のタイトルは『危険地帯:来る中国との紛争』(Danger Zone: The Coming Conflict With China)というもので、著者はジョンズ・ホプキンズ大学の戦略論を専門とする若手教授ハル・ブランズ(Hal Brands)と、タフツ大学准教授で中国政治の専門家であるマイケル・ベックレー(Michael Beckley)である。

「焦った中国は攻撃的になる」

タイトルが映画『トップガン』のテーマ曲そのままなのは気になるところだが、そこで展開されている議論は一見すると意外ながらも実に明快で、5つのポイントにまとめられる

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