来年廃止で駆け込み需要!教育費を非課税で運用できる「ジュニアNISA」の活用法

加藤梨里『共働きマネタイズ〜 子育て費用 どうかける?どうかせぐ?』⑥
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、健康経営エキスパートアドバイザー
  • 来年廃止されるジュニアNISA。実は今から始めてもメリットあり
  • 毎年80万円の投資まで利益が非課税
  • 2024年以降、子どもが18歳未満でも引き出し可能に
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子育て世帯にとって、共働きをする最大の目的は教育資金を貯めることではないでしょうか。インフレ下の昨今はそもそもの生活費だけでもきつくなってきていますが、子どもの将来のために少しでも貯金を……と勤しんでいる人も多いはずです。貯蓄だけでなく、お金を増やそうと運用をする人もいます。

そんなときに活用できるのが、ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)です。来年で終了する期間限定の制度ですが、実は今からでも始めるメリットがあります。

18歳まで限定、最長5年間非課税

ジュニアNISAはNISA制度のひとつで、未成年の子どもを対象に、非課税で投資ができるものです。毎年80万円分までの株式や投資信託などへの投資について、最長5年間は利益が出たときに税がかかりません。仮に子どもが1歳の時に80万円分の株式や投資信託をジュニアNISA口座で購入すると、保有中の配当金や売却して値上がり益が出たときに、本来かかる所得税が5歳まではかからないイメージです。

子ども向けの制度とはいえ、主に親が子どもの教育資金を準備することを想定しています。子ども名義の口座を開設して親が資金を入金し、株式や投資信託を買付け、子どもの代理で運用します。口座は未成年の間に限り利用できるもので、子どもが20歳未満(2023年以降は18歳未満)まで使えます。 

23年末に制度終了後、中学、高校進学にも

このジュニアNISA制度は、もともとは子どもが成人するまで投資を続けることが前提になっていました。成人すれば大人向けのNISAまたはつみたてNISAに移行され、お金を引き出すことができますが、未成年の間に引き出すと災害時などの例外を除いて利益に税がかかってしまいます。非課税で利益をまるごと手取りにするには、18歳まで待つ必要がありました。

これが来年、変わります。ジュニアNISAの制度自体が2023年末で終了するのですが、それ以降はいつでも非課税で引き出せるようになるのです。

従来は運用してきたお金を引き出すには子どもが大学生になる頃まで待たなければなりませんでしたが、2024年以降は子どもが小さくても引き出せます。つまり中学や高校の進学費用に充てることもできるようになります。

18歳までは非課税で保有可能に

ただし制度終了後、株式や投資信託の新規購入はできなくなります。今からジュニアNISAを始めると投じられるお金は最大160万円ということになりますが、それは2024年以降も保有しつづけることができます。そして、制度が終了しても子どもが18歳になるまでは非課税です。2024年以降に株式や投資信託の時価が高くなっても、課税されずに売却、引き出しすることができます。

株式や投資信託は価格変動があり、子どもが18歳になったときにプラスになっているのか、マイナスになっているのかはなかなか見通せないものですが、今後は18歳を待たずに有利なタイミングで引き出せるようになります。制度終了によって、むしろ使い勝手がよくなるともいえます。このメリットが好感され、ジュニアNISAの口座数は3月末時点で約80万件と今年になってからも1割増加し、駆け込み需要とみられています。

参照;NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について(金融庁サイト)

24年以降に始めるなら大人向けNISAのみ

口座開設を2024年以降にするなら、選択肢は大人向けのNISAのみになります。親名義の口座でお金を運用することになりますが、引き出して子どもの教育費に使うことはできます。

ちなみに大人向けのNISAには一般NISAとつみたてNISAの2種類ありますが、このうち一般NISAは制度改正が予定されています。2024年以降は非課税で投資できる年間の上限額が変わり、これまでの120万円から、積立専用の枠20万円(1階部分)と、通常の買付にも利用できる枠102万円(2階部分)の2階建て形式になります。

なお、2023年までに子ども名義でジュニアNISAを始めて、2024年以降に親名義で一般NISAやつみたてNISAを始めることはできます。ただし、利用できるのは1人1口座のみです。

以前の拙稿(参院選で注目したい“もう一つの物価高”…教育費の高騰が止まらない!)でもお話したように、子どもの教育費は特に大学などの高等教育で負担が大きく、できるだけ長期間かけて計画的に準備することが大切です。投資には値動きなどのリスクがありますから、子どもの将来に影響する教育資金の運用は安定性に配慮する必要がありますが、準備方法のひとつとしてジュニアNISAは活用できるかもしれません。貯金や学資保険などと合わせて、効率的に教育費に備えていきたいですね。

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ファイナンシャルプランナー(CFP®)、健康経営エキスパートアドバイザー

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