イギリスのトラス新首相が就任スピーチ「減税と改革を通じて経済を成長させる」

日本の減税派「トラスと岸田を交換して」
ライター/SAKISIRU編集部
  • イギリスのトラス新首相が就任演説「減税と改革を通じて経済を成長」
  • 歴史的なインフレに見舞われている同国で、一言目から減税宣言
  • 日本の減税派が感嘆。ただ現地のネット民の中には…

イギリスの与党・保守党の党首に選ばれたリズ・トラス氏が6日、エリザベス女王が静養している北部スコットランドのバルモラル城を訪れ、女王から新しい首相に任命された。その後、ロンドンに戻ったトラス氏は、首相官邸前で国民向けの演説を行った。

この演説内容が、イギリスはもとより、減税派を中心に日本でも大きな注目を集めている。NHKや日本テレビによると、トラス氏は次のように演説した。

就任演説で減税政策を掲げたトラス新首相(英首相府サイトより)

トラス氏「今週、光熱費の問題に対処」

われわれはいま、ロシアによるウクライナでの恐ろしい戦争と新型コロナの余波によって引き起こされた、世界的な厳しい向かい風の中にあります。イギリスを、すべての人がふさわしい機会を与えられる、希望に満ちた国に変えていきます。

私には減税と改革を通じて経済を成長させる大胆な政策があります。今週、光熱費の問題に対処し、将来のエネルギー供給を確保するための対策にとりかかります。

イギリスは現在、歴史的なインフレに見舞われており、7月のインフレ率は10%を超え、40年ぶりの高水準だ。さらに、今年10月には光熱費が80%引き上げられる。一般的な家庭の場合、年間の光熱費は3549ポンド(約57万5000円)、月々の支払額は約4万8000円に上る。

そうした中、トラス氏は、就任スピーチの一言目から、減税に取り組んでいくことを宣言したわけだが、日本でも減税派を中心に大きな関心が寄せられている。SNSでは次のような反応が多かった。

財務省も持続可能な積極財政政策を急げ!

岸田首相も英国新首相のトラス氏に見習い、消費税減税すべきだ。

のっけから減税やるとはっきり言うの凄いな

トラス氏と岸田を交換して欲しい

新首相の手腕に注目(画像は外相時代:英首相府サイトより)

「金持ちだけに利益」イギリスでは懸念も

一方、イギリス人とみられるユーザーの中には、トラス氏の政策に懸念を示す人も少なくなかった。

減税は金持ちだけに利益をもたらすものであり、低賃金または低所得の家庭には何の役にも立ちません

彼女は議会を通じてその減税を実現しなければならず、一部の保守党でさえ、その減税政策を非難するかもしれません

最低所得の人々も他の人々と同じように懸命に働いていますが、トラスの減税計画から大きな恩恵を受けることはありません

トラス氏は、既に総額300億ポンド(約4兆8000億円)規模の即時減税公約を打ち出している。また、来年4月に19%から25%への引き上げが決まっていた法人税増税の撤回、国民保険料の引き下げ、光熱費に上乗せされている8%程度のグリーン課税も凍結する意向だ。

しかし、こうした政策についての危惧もある。たとえば、国民保険料の引き下げ。イギリス在住の免疫学者で医師の小野昌弘氏のヤフーニュースへの寄稿文「英国医療事情が抱える本当の問題」によると、イギリスでは専門医に診療してもらうまでに「パンデミック以前でも、数ヶ月から半年待つのが普通」だという。「日常的な医療崩壊のため、あらゆる慢性の病気がまともに診てもらえず治療してもらえない状態になっているところ」なのだそうだ。ただでさえ、医療崩壊の中、国民保険料をさらに引き下げるとどう影響するか。

また、保守党の中にはトラス氏の減税政策に反対する勢力もあり、トラス氏の打ち出す減税政策がすんなりと議会を通るのかも今のところ不透明だ。トラス氏は7日、初めての党首討論に臨む。ここで、具体的にどのような減税政策を打ち出すかが注目される。

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