LINEと山本一郎氏の不思議な関係

永田町で暗躍する「工作機関」とは?
2021年06月07日 06:01
ジャーナリスト
  • 財団法人JILISは、LINEの永田町対策の「工作機関」。LINE出身の専務理事が辞任
  • 専務理事退場後も「隠然たる力を持つ人物」(LINE社員)で山本一郎氏の名が浮上
  • 山本氏は長らくLINEの情報管理の在り方に警鐘。その一方でJILISへの関与に疑問

(編集部より)経済安全保障の時流が強まる中、個人情報の取り扱いで今年3月に大炎上したLINE。その知られざる、永田町での「工作機関」と、中枢にいる、あの有名ブロガーの存在とは?

今年3月、謝罪の記者会見をするLINE出澤剛社長(左、写真:つのだよしお/アフロ)

無料通信アプリのLINEが保有する情報を格納するサーバーが中国から覗かれたり、画像・映像データの一部が韓国内のサーバーで保存されたりしていたことを今年3月17日付の朝日新聞がスクープした。いずれも利用者に明確な説明がないまま行われていた。こうした行為は、個人情報保護委員会が求める原則から外れているうえ、安全保障にも関わりかねない大きな問題だ。

LINEの前身は、韓国のIT企業ネイバーが2000年、ゲーム事業の子会社として日本に設立した会社だった。12年にライブドアを買収し、13年には商号をLINEに変更した。今年3月1日付でヤフーを傘下に抱えるZホールディングス(ZHD)と経営統合するまではネイバーの子会社だった。

統合後、LINEはZHDの連結子会社となったものの、主要役員12人のうち6は韓国人が占め、しかもCFO(最高財務責任者)やCTO(最高技術責任者)といった重要ポストは韓国人に握られたままだ。

「工作機関」JILIS理事の辞任

LINEには、実質支配する永田町対策の「工作機関」がある。表看板はシンクタンクの一般財団法人「情報法制研究所(JILIS)」だ。2016年に設立され、LINEが年間に2000万円を資金提供しているほか、理事を専任する権限を持つ評議員(3人)のうちの1人がLINEの出澤剛社長だ。

JILISで専務理事として政治家の資金集めパーティー券を買うなどの「工作活動」を担ってきたのが江口清貴氏で、氏の本職はLINE執行役員(公共政策・CSR担当)。

その江口氏が4月27日に専務理事を突如辞任した。同じくLINEの「工作機関」色が強いAI防災会議や一般社団法人・ソーシャルメディア利用環境整備機構の理事も同時に退任。1カ月後の5月21日にはLINE社員で江口氏の右腕としてJILISの事務を取り仕切っていたA女史も突如退社した。さらに江口氏は近く公共政策・CSR担当職も更迭される見通しだ。

永田町界隈では「LINEの『江口隠し』が始まった」と囁かれ始めた。これまで江口氏は自民党デジタル社会推進本部のヒアリングなどに対して「サーバーは国内にある」と嘘をついてきたため、睨まれ始めたからだ。

JILISはLINEのデータ問題が起きたあと理事会で決議したとされる内容を、LINEの出澤社長が記者会見する2日前の3月21日付で公式サイトに掲載。この中でLINE側に事実関係の解明や調査説明を求めるとともに、財政的にLINEに依存している構造が問題視されるのを先読みしてか、役員や研究者が独立かつ中立的な立場で自由に研究し、公正中立に取り組んでいることを強調している。

しかし江口氏の自民党での発言や、関係者の話を総合すると、実質「韓国支配」企業系のシンクタンクが日本の政界にロビー活動を行うとは末恐ろしい。これが国益を守ることにシビアな米国では絶対に許されないことだろう。特に経済安全保障が重視されるこの局面においてはなおさらだ。

陰の実力者?山本氏

ところが江口氏がJILISから消えてもその力は衰えないと見る向きがある。「江口氏を上回る隠然たる力を持ち、実は背後で江口氏を操っていた人がいるのです」(LINE社員)。こう指摘される人物が、あの著名ブロガーの山本一郎氏なのだ。氏は現在、JILISで事務局次長の任にある。

やまもといちろうオフィシャルブログより

本人がブログや記事でそのことを公言しているので、知っている人も多いのだろうが、これまでに経産省・内閣府参与だった斎藤ウィリアム浩幸氏の経歴詐称を暴いた実績などから「山本一郎氏は正義の味方」と思い込んでいる筆者からすれば、怪しげな動きをしていると見られても仕方ない組織の事務局に名を連ねていること自体が不思議でならない。

かつてオリンパスの粉飾決算をすっぱ抜くなど調査報道では定評のある月刊誌「FACTA」は2014年7月号で、日本人の情報がLINE経由で韓国の情報機関に流れ、さらに同国経由で中国の大手IT企業テンセントに漏れた疑いがあると報じていた。「FACTA」は毎号読んでいるので、その記事の記憶は鮮明に残っている。LINEはその報道を否定したので当時は大きな社会問題とはならなかった。ちなみに筆者は06年から09年までフリーの立場のまま兼職で「FACTA」関西支局長を務めていた。

そして、同じ14年からLINEの情報管理の在り方について警鐘を鳴らしてきたのが山本氏である。今年3月24日付の現代ビジネスで「だから言わんこっちゃない、LINE情報漏洩の深すぎる闇」という興味深い記事で、山本氏はそのことを明かしている。その慧眼には驚くばかりだ。

批判したのになぜ系列で要職に?

繰り返すが、そのLINEのいかがわしさを暴いた山本氏が、依然として出鱈目な行為を続けてきたLINE実質支配下のシンクタンクの要職に就いていること自体、筆者にとっては謎なのだ。ジャーナリストを30年近くやってきた筆者の感覚では、普通は斬り込んだ相手のお世話にはなったりしないものだ。そこは何か天才ブロガー独特の嗅覚があるのだろうか。

ただ、斬り込んだ相手にお世話になる「職種」を一つ知っている。それは総会屋だ。筆者は経済記者なので企業の株主総会の取材によく出向く。20年くらい前まではこうしたお仕事の方をよく見かけたが、最近は「絶滅種」に近い。

本物の総会屋の質問を株主総会で聞いていると、非常に勉強熱心で企業の内実をよく知っていて質問内容が鋭い。表現もユニークだ。だから企業側は金銭など何らかの経済的な対価を払ってお引き取り願っていたのだが、経営者に緊張感を与える一定の効果はあったかもしれない。当然ながら、こうした行為は会社法違反なので許されることではない。

Wachiwit/iStock

かつて、諸先輩から「経済ジャーナリストはお金をもらわない総会屋になれ」とご指導を受けたことがある。その心は、勉強して経営者に鋭い質問を浴びせ、経営者やその企業に一目置かれる存在になれという意味である。

山本氏も表現がユニークで笑わせながらも相手をぐさりと刺すところは一種のセンスを感じてしまう。山本氏がブラックだと言っているわけではないので、そこは誤解のないようにお願いしたい。もしかして山本氏は「お金をもらわない、会社法に触れない『ホワイト総会屋さん』」なのかなと思ってしまう。これも新たなビジネスモデルなのだろうか。

「次なる標的」は神奈川県

前述した江口氏や、氏を更迭したふりをしているLINE韓国勢はただでは起きない。次の矛先を神奈川県のDX政策に向けている。すでに江口氏はその先兵として同県への「見えない侵略」を開始したようだ。それが公共政策・CSR担当が外れた後の主要ミッションとなる。

「経済安保にまで気が回っていない」と言われる黒岩祐治知事が率いるだけに絶好のカモだろう。そこに「ホワイト総会屋さん」がどう絡んでくるのかも注目される。

オーストラリアでは、人民解放軍の息のかかった中国系企業に地方政府が篭絡され、軍事的に要衝のダーウィン港が奪われてしまった。「紅い侵略」は戦わずしてオーストラリアの領土を奪ったのだ。同様に韓流仕込みの魔の手が、神奈川県を徐々に侵していくことになるのだろうか。

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