世界初ビットコインを法定通貨に…「音喜多流」ブケレ大統領の尖った経歴
エルサルバドル政界の異端児- ビットコインを世界初の法定通貨へ。ナジブ・ブケレ大統領のキャリアを概観
- 同国では初めて二大政党以外で大統領に。SNSも得意と「音喜多流」の経歴?
- 支持者を扇動して、対立中の議会を包囲させるなど「トランプ流」の危うさも
中米エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領が、ビットコインを法定通貨に採用することをめざしていることが5日(日本時間6日未明)明らかになり、日本でも仮想通貨ユーザーを中心に話題となっている。実現すれば世界の主権国家として初めて。

米CNBCなどによると、ブケレ大統領は米マイアミで開催された「ビットコイン 2021 カンファレンス」に寄せたビデオメッセージで、「ビットコインを法定通貨にするための法案を議会に来週提出する」と述べた。同国は2019年のGDP世界ランキングで212カ国のうち105位と豊かではなく、約7割の国民が銀行口座やクレジットカードを持てていないという。
ブケレ大統領によると、GDPの約2割が国際送金が占めており、送金しても着金までに数日がかかり、手数料が1割以上かかることもあるという。同国は外国への出稼ぎが多いことでも知られる。ブケレ大統領はツイッターで「(手数料にかかる)1% がエルサルバドルに投資された場合、GDP は25%増加する」との試算を示しており、今回の法定通貨への動きは、本国との送金の利便性を高めつつ、自国の成長への「起爆剤」としての狙いがあるようだ。
出稼ぎ者が多く、本国が豊かではない国情があるとはいえ、大胆な発想を示したブケレ氏。2019年9月にニューヨークの国連本部で演説をした際には、登壇時にセルフィー(自撮り)を行って世界的に話題になるなど、1981年生まれのミレニアル世代のリーダーとして独特の存在感を示してきた。
「第三極」初の大統領
その政治的キャリアも既成概念を覆すものだ。18歳で起業するなど実業家としての顔もあり、2012年に左派政党FMLNから出馬し、同国西南部の市の市長に初当選。政治家生活をスタートした。その3年後には首都サンサルバドルの市長選に鞍替え当選した。しかし2017年、党内対立を煽り、党を中傷する行為があったとしてFMLNを除名処分となり、独自路線を極めていく。
同国では、左派のFMLNと右派のARENAによる二大政党が君臨し、過去30年間、歴代の大統領もこのいずれかから選出されてきたなかで、ブケレ氏は2019年の大統領選に向けて無所属での出馬を画策。新党結成の動きをみせるなど、独自の政治運動を展開し、最後は中道右派の第3党に合流。ここを足場に大統領選に挑み、同国では初めて二大政党以外での当選を勝ち取った。
ネット上の書き込みで自身への評判をリサーチし、アカウントのアイコン変更を知らせるツイートを拡散させるなど、ネット世代の政治家らしくSNSでの発信やブランディングに余念がないようだ(参照:笛田千容氏「エルサルバドル・ブケレ新政権の1年」)。

ブケレ氏の肝心の政治的手腕は治安対策に一定の成果をあげたと見る向きがある一方で、昨年の年明けには首都でおきた水質汚染問題を機に、議会との対立が激化。SNSも駆使して支持者を煽って議会を包囲させて圧力をかけて国内外で批判が巻き起こるなど、「トランプ流」を彷彿させるものがある。
日本の政界でも「第三極」を標榜し、ネットで精力的に発信、地元の区長選で、既成政党と激戦を繰り広げた音喜多駿参議院議員(日本維新の会)のようなネット世代の政治家はいるが、「音喜多流」の若さと「トランプ流」の危うさを兼ね備えるブケレ氏。前代未聞のビットコイン法定通貨法案は、果たして無事に成立するのだろうか。
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