アイリスオーヤマが約50種類の製造を国内工場に移管、他社でも相次ぐ製造拠点の国内回帰

製造業の下請け企業も「千載一遇のチャンス」
ライター/SAKISIRU編集部

大手生活用品メーカー・アイリスオーヤマ(宮城県仙台市)が、衣装ケースなどのプラスチック製の収納用品、約50種類の生産拠点を中国・大連の工場から国内工場に移すことを決めた。原材料価格の高騰や円安の長期化の影響で、中国での生産コストが上がったうえ、日本への輸送コストも上がっていることが理由とみられる。

アイリスオーヤマ公式サイト

製造業大手で相次ぐ国内回帰

同社の動きをスクープしたNHKによると、中国から国内に生産を切り替えることで、およそ2割のコスト削減が見込めるという。同社は今後、園芸用品や除雪用品などの国内工場への移管も検討している。

アイリスオーヤマに限らず、製造業の国内回帰の機運は高まりつつある。製造業大手で、海外工場の国内への回帰や、国内の生産能力を増強するケースが相次いでいる。

ルネサスエレクトロニクスは、2014年に閉鎖した甲府工場を2024年に10年ぶりに再稼働する。甲府工場再稼働に、900億円を投資する計画だ。京セラは、鹿児島川内工場に新棟を建設し、半導体パッケージなどを生産。2023年に稼働する予定で、投資総額は625億円に上る。住友金属鉱山は、磯浦工場(愛媛県)の近接地に新居浜工場を新設し、正極材を製造。2024年に立ち上げ予定で、投資総額は400億円になる。

帝国データバンクが今年5月に行った「ロシア・ウクライナ情勢による企業の仕入れへの影響調査」によると、ロシア・ウクライナ情勢で企業の 50.8%が「仕入数量の確保難」、66.7%が「仕入価格の高騰」に直面していた。

対策として、仕入れ先の国内への切り替えや、自社生産拠点の日本国内への回帰を検討している企業は少なくない。仕入れ先を国内に切り替えることを検討している企業は全体の20.2%、自社生産拠点の日本国内への回帰を検討しているのは8.1%だった。

kyonntra /iStock

「今は千載一遇のチャンス」

実際、下請け企業にも既に影響が出始めている。関東地方で精密プラスチックや金属掘削などを手掛けるある企業には、今年春先からこれまで取引のなかった大企業からの問い合わせや注文が相次いでいる。さらに、このところの円安からか、はたまた、チャイナリスクを回避する流れからなのかアメリカやヨーロッパの企業からの問い合わせも増えているという。

この企業の社長が言う。

円安にはメリットもデメリットもあるわけで、そのメリット・デメリットをうまく活用する必要があると思います。この円安をピンチと捉えるかチャンスと捉えるかは企業や業種によっても異なるでしょうが、我々は、今は千載一遇のチャンスと捉えて、積極的に海外に営業をかけているほか、増産体制も整えています

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