「Tポイント」と「Vポイント」統合、加盟店離脱相次ぐ「Tポイント」は起死回生なるか

大手企業の相次ぐ“Tポイント離れ”背景
ライター/SAKISIRU編集部

「TSUTAYA」などを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のポイントサービス「Tポイント」と、三井住友フィナンシャルグループの「Vポイント」が統合され、2024年春にも新たなポイントブランドを創設する。CCCが3日、発表した。

総会員数は1億2000万人超に

会員数は「Tポイント」が約7000万人、「Vポイント」が約5200万人。両者を統合すると、会員数は1億2200万人となり、ロイヤリティマーケティングのPonta(会員数:1億898万人)、楽天グループの楽天ポイント(会員数:1億人)を抜き、国内最大規模のポイントサービスとなる。

発表によると、Tポイント事業を手掛けるCCC傘下のCCCMKホールディングスと三井住友グループの子会社でVISAカードを発行・運営する三井住友カードのポイント事業を統合するという。CCCMK株をCCCが60%、三井住友グループが40%を保有し、共同運営する。

プレスリリースより

「Tポイント」は長らく、日本人が最も利用しているポイントサービスだった。インターネット調査事業を手掛けるマイボイスコムが2017年に行ったアンケート調査によると、利用しているポイントサービスで最も多かったのが「Tポイント」で調査した69.1%の人が利用していた。2位は「楽天ポイント」で56.5%、3位は「Pontaポイント」で48.2%だった。

大手企業の“Tポイント離れ”

しかし、このところ大手企業を中心に“Tポイント離れ”が起こっている。「ファミマTカード」を発行していたファミリーマートは2019年4月にNTTドコモの「dポイント」と楽天グループの「楽天ポイント」を新たに導入することを発表した。10年以上にわたって契約するなどファミリーマートは「Tポイント」にとって主要な加盟店の一つだった。

全国に1000店舗以上を展開するドトールコーヒーも、2009年に共通ポイントとしてTポイントを導入していたが、2019年に提携を解消。新たに、「dポイント」を導入した。三越伊勢丹も、2016年に「Tポイント」を導入していたが、2018年3月末で提携を終了した。

さらに、ヤフーは今年4月から、「Tポイント」を「PayPayポイント」に切り替えた。ヤフー(現在のZホールディングス)とCCCは、2012年に戦略的資本・業務提携に合意。両社のポイント制度を「Tポイント」に統一し、ネット上のIDを「Yahoo!ID」に統一していたほどの蜜月ぶりだった。

だが、昨年12月にZホールディングスはヤフーカードを「PayPayカード」へと移行することを発表した。合わせて、Tポイント連携を今年3月までで終了すると発表。4月1日から、「Tポイント」の「PayPayポイント」への交換が可能になった。

こうした大手企業の相次ぐ“Tポイント離れ”を受けてか、ユーザーの“Tポイント離れ”も加速している。SBI生命保険が昨年10月に実施した「ポイントサービスの利用状況に関する調査」によると、「日常の買い物などで利用することが多いポイントサービス」で1位だったのは「楽天ポイント」で68.0%だった。「Tポイント」は55.5%で2位だった。

今回の「Tポイント」と「Vポイント」の統合が、苦境の「Tポイント」にとって起死回生の一手となるか。

 

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