お受験の天王山である夏、ボーナスは夏期講習代に飛んでいく

6月ですでに定員締め切りも
2021年06月13日 06:00
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、健康経営エキスパートアドバイザー
  • 小学校のお受験マネーで特にかかる夏期講習代の実態は?経験者のFPが解説
  • 「1時間1万円」が相場。外部の夏期講習での力試しや合宿の選択肢も
  • ひと夏に30万円かかることも珍しくない。ボーナスが飛んでいく計算

(編集部より)年間に100万円とも200万円ともいわれる、小学校のお受験にかかるお金。その大部分は、受験の天王山といわれる夏休みにかかります。小学校受験の夏期講習は、ペーパー対策のほかに制作や絵画、行動観察や面接対策、運動など、科目が多彩です。いくらかかるか、どこまで取るか?実際に子どもの小学校受験を経験したファイナンシャルプランナーの加藤梨里さんが、「お受験」の夏期講習の費用について論じます。

撮影:ぴょんぴょんうさぎ/写真AC

梅雨明けに幕開け:夏期講習

例年なら梅雨明けが待ち遠しいこの季節、小学校受験を控えた子どものいる家庭にとっては、しとしとと降り注ぐ雨は嵐の前の静けさにすら感じられるような気がします。夏になると、夏期講習が始まるためです。

中学以上の受験でも「夏は天王山」といわれるように、小学校のお受験もまた夏休みは天王山。年長のこのシーズンでの仕上がりによって、ほぼ勝負は決まるといわれます。

勝負を左右するカギを握るのが、夏期講習です。早いところでは6月末頃から開講するため、梅雨の間には講座を選んで申込みをしておかねばなりません。なかには、5月後半にはすでに定員に達してキャンセル待ち、申し込みを締め切っている講座もあるほどです。

相場は1時間1万円

小学校受験向けの夏期講習は、おもに①ペーパー対策、②行動観察、③制作・絵画、④運動、⑤口頭試問・面接対策に関わる講座と、これらを志望校の出題傾向に合わせてミックスした志望校別の講座があります。幼児教室によっては、ペーパーのなかでも特に図形や数量、言語や常識、推理など、さらに細かなテーマに絞った特訓を設けていることもあります。親子面接や親子課題のように、親が一緒に参加する対策講座もあります。

これら夏期講習の費用は、講習のコマ数や1コマあたりの時間などによりますが、大手幼児教室ではおおむね1時間単価にして1万円程度です。小規模な幼児教室や個人の教室では幅があり、1時間あたりに換算すると5千円程度のものもあれば、マンツーマンや少人数で指導する代わりに1時間あたり15,000円ほどのものもあります。1コマは80分~120分が標準的です。

受講する際には、1コマ単発で申し込めるところもありますが、3日間連続になっている講習や、午前と午後がセットになっている講習が多いです。よって、たいていは1つの講習を申し込むと3~5万円はかかります。日頃から通っている幼児教室なら、多くの場合は内部生料金が適用され、一般申込よりも1割程度安くなります。

「合宿特訓」開催も

一方で、夏期講習はあえて別の幼児教室で受講する手もあります。別の教室の講習を取ることで、いつもと違った授業スタイルやペーパーの形式、知らない友達など、アウェイな環境で力試しができます。親にとっても、授業後の講評を通して、別の幼児教室の先生に話を聞けるメリットがあります。

日頃できない経験という観点では、合宿スタイルの夏期講習もあります。一部の幼児教室では、子どもたちを集めて郊外の宿泊施設に合宿をしながら講習に参加するイベントを実施します。1泊2日や2泊3日で行われ、講習の時間以外には自然に触れるイベントやピクニックなどもあるようです。

参加料は会員で7~8万円、外部からの申込で8~9万円程度。親元を離れて集団生活をする経験は、講習以上に子どもにさまざまな学びを期待できそうです。2020年度は新型コロナ感染症の影響で中止したところが多かったようで、今年度に関しても開催情報を公開している教室は現時点(6月12日時点)であまりないようですが、選択肢の一つとして想定しておくのもありだと思います。

SB/iStock

年長の夏だけで30万円も…

小学校受験の夏期講習の種類は多岐にわたり、どの講習をいくつ受講すれば良いのかが悩みどころです。

幼児教室の中には、年間カリキュラムの一環として、夏期講習の一部を必須受講とするところがあります。そうでなくても、通常授業での進度をもとにカリキュラムが組まれていることが多いため、在籍している幼児教室の講習は子どもにとってついていきやすく、優先的に受講するのが一般的です。

これだけでも内容は充実しており、十分な対策になるはずです。費用面でも、大手の志望校別講習では5日間で20万円近くになりますから、それで十分と思いたいところです。

しかし夏休みは、苦手分野の克服やこれまでじっくりできていなかったことを集中的に強化するラストチャンスでもあります。日頃はペーパー中心になりがちなので、夏休みに運動や制作・絵画をじっくり取り組みたいと考えるご家庭もあるでしょう。体操教室や絵画教室、行動観察(お行儀など)専門の教室にも、夏期講習を実施するところがあります。費用は受験対策の一般的な幼児教室とそれほど変わりませんが、ペーパー対策の講習とは別にこれらを受講すると、ひと夏の出費が30万円以上に上るケースも珍しくないようです。時期的にはボーナスが頼りになりますが、大部分が飛んでいってしまう規模です。

かくいうわが家は、年長の夏期講習では在籍している幼児教室の講習を7コマ、外部講習を2コマ取り、かけた費用は10万円程度でした。保育園に通っていたため夏休みがなかったことや、通常授業と並行しての受講だったため、当時はそれで精一杯だと思っていましたが、今思えば「もう少し取っておけば……」とも感じます。親の欲とは尽きないものです。

ただ冷静に考えてみると、子どもの年長の夏は、親子にとってたった一度しかない夏でもあります。お受験がどんな結果であれ、来年の夏は小学生として迎えるわけで、幼稚園児・保育園児としての最後の夏になるのです。その貴重な時間をどう過ごすか?お受験やそのお金の心配は一度脇において、あどけないわが子との時間そのものを楽しむのも、忘れてはいけない夏休みの宿題のような気がします。

ファイナンシャルプランナー(CFP®)、健康経営エキスパートアドバイザー

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