甘利氏の消費増税発言に、吉村知事が減税で異論述べるも、減税派が喝采しないワケ

注目される15年前のある論文
  • 「異次元の少子化対策」財源論が白熱。甘利氏の消費税引き上げが炎上
  • 吉村知事は「逆だよ、逆。減税」とツッコミ。ところが減税派は喝采に乗らず
  • 減税派が吉村氏に不満の理由、さらに一部が注目する15年前の論文とは

甘利氏(衆院サイト)

岸田首相が発表した「異次元の少子化対策」を巡り、議論の焦点が財源に移りつつあるが、自民党の甘利前幹事長が5日以降、消費税率引き上げに言及したことが波紋を広げた。

甘利氏は同日夜のBSテレ東の報道番組に出演した際、少子化対策の財源として消費税に言及。翌朝、フジテレビの取材に対しても「安定的に少子化対策をしっかりしていくという時に、消費税論議というのは、いくつかの時点かで必ずあります」などと述べ、消費税率の引き上げについても検討の対象になるとの認識を示した。

これまでも炎上が多かった甘利氏の増税発言とあって、案の定、ツイッターでは蜂の巣をつついたような騒ぎに。

そして甘利氏に噛み付いた1人が大阪府の吉村知事だった。吉村氏は「少子化対策の為に消費税増税?勘弁してよ。一体我が国の国家運営はどうなってるんだ?」と呆れた上で、「逆だよ、逆。減税」と減税を代案に示した。

大阪府・吉村知事(写真:つのだよしお/アフロ)

そして具体的に「本気で少子化対策するなら、子供の数が多くなればなるほど所得税が減税される方式へ大転換(N分N乗方式)」と示した上で、さらに所得制限なき教育(保育)の無償化についても言及。維新としての「異次元の少子化対策案」を示した。

政界でも有数の128万フォロワーを擁する吉村氏の発信とあって、7日未明までに120万人に投稿は表示され、1万6000件の「いいね」が付くなど反響が広がった。その多くは「N分N乗方式は大賛成。フランスの成功事例もあるし」(維新の党員)といったように、吉村氏に同調する意見だったが、減税を打ち出したのに、投稿の中身に必ずしも同意していなかったのが減税派だ。

彼らが疑問を呈したのは、吉村氏が減税の後に触れた教育・保育の無償化だ。減税派の複数の人たちが「ばら撒く分減税したらいいのに」「教育・保育の無償化は増税になりますよ」などと、結果的に国民負担につながると問題視している。

さらには少子化対策そのものに「エビデンスベースの政策を考えるべき」との主張も。実はここにきて減税派の一部の人たちが有効な少子化対策を模索する上で注目している、15年前のある論文がある。

15年前の論文が示唆する政策効果

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