「制度・規制改革学会」設立、登壇した成田悠輔氏「マフィアの集まり」。竹中氏の反応は?

制度改革を議論、提言の場に
  • 規制改革の専門家が集う「制度・規制改革学会」設立。その目的は?
  • 竹中平蔵氏ら発起人。オリックス創業者の宮内氏らも駆けつける
  • シンポジウムで成田悠輔氏「マフィアの集まり」。竹中氏の反応は?

労働市場や農業、エネルギー、少子化対策などの改革をめざす「制度・規制改革学会」が7日、東京・六本木で設立総会とシンポジウムを開催した。

学会は、竹中平蔵・慶応大名誉教授や八代尚宏・昭和女子大特命教授、八田達夫・大阪大名誉教授ら約40人の有識者が発起人となった。規制改革や行政改革などの幅広い制度改革に精通した学識経験者やジャーナリスト、企業関係者、政治家などが交流・議論する場を作り、政府に対する政策提言などを行っていく。

設立の背景にあるのが、30年以上に及ぶ日本経済の長期停滞への危機感だ。社会やテクノロジーの進化で各種の制度や規制の改革が必要にもかかわらず、歴代政権の改革は機能不全に陥り、安倍政権のアベノミクスも3本目の矢、成長戦略が頓挫し、日本の1人当たりGDPは2000年の世界2位から近年は20位台に低迷している。

この日は小泉政権で経済政策の司令塔だった竹中氏をはじめ、歴代政権の改革の旗振り役が集結。政府の規制改革会議議長を務めたオリックス創業者の宮内義彦氏が「1990年から30数年、日本は沈みっ放し。若い人になんとかしていただきたい」と後進に望みを託せば、河野太郎デジタル相はビデオメッセージで「改革という言葉や、いま私が担当しているデジタルは、冷たいイメージがあるが、温もりのある社会を作るための重要な手段。皆さんと一緒になって改革を進めてまいりたい」と抱負を語った。

シンポジウムでは、なぜ改革が後退してきたのか、「新自由主義が格差を拡大した」といった言説が語られがちな現状について、八代氏や八田氏、竹中氏に加え、規制改革会議議長を務める大槻奈那・名古屋商科大学大学院教授、エール大学助教授の成田悠輔氏が登壇。

闊達な議論を交わした成田氏と竹中氏ら(編集部撮影)

滞在先のアメリカからオンライン参加した成田氏は、学会の顔ぶれを見た感想として「見事に規制改革マフィアど真ん中」と早くも辛口の本領を発揮。規制改革に抵抗感を示すリベラル系のネット民について「竹中先生を筆頭に弱者を叩きのめし、日本経済を地の底にまで貶めた印象を持っている」と指摘。「規制改革マフィアっぽいグループとリベラルマフィアっぽいグループが、ほとんどコミュニケーション不可能な状態になっているのでは」と述べ、社会に改革をどう理解してもらうかの課題を挙げた。

忖度ない成田節に、竹中氏は「マフィアというのは組織犯罪集団ですから、ネットで煽るには面白いかもしれませんけども」と苦笑。続けて「私があえて名づけるならば、“改革十字軍”と“既得権益マフィア”(の対決)、そう言う方が近いのでは」と成田氏に合わせていた。

 

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