NHK、ジャニー喜多川元社長「性加害」報道も夕方枠のみ。「アリバイ作り」疑う声も

旧NHK党、立花氏に格好のネタ提供か

元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長(2019年死去)からの性的加害を訴えた記者会見について、NHKが13日夕方のニュース番組で放映したことが注目された。英BBCのドキュメンタリー番組を機に再燃した喜多川元社長の疑惑をNHKが取り上げたのは初めて。

NHKはこの日16時台のニュースで放映。直後には電子版でも「元ジャニーズの男性『ジャニー喜多川さんから性的行為』」のタイトルで記事を配信し、ネット上を驚かせた。政治家女子48党(政女)の浜田聡参院議員は議員会館の食堂のテレビでオンエアを目撃。驚いた様子をツイッターに投稿した。

喜多川元社長の所属タレントへの性加害疑惑を巡って、NHKはBBCの番組が話題になった3月以降、民放各局と同じく全く報じていなかった。今年の大河ドラマ「どうする家康」で松本潤さんが主演を務めるなど、ジャニーズ事務所所属のタレントがNHKの各番組で起用されていることとの関連が以前から取り沙汰されていた。

しかし、オカモトさんが12日、日本外国特派員協会で記者会見を行い、喜多川元社長からの性的加害を告白。この模様を朝日新聞読売新聞など、これまで“沈黙”をしてきた大手新聞が一斉に取り上げていた。さらにNHK報道局のディレクターも会見に出席し、「もし大手(メディア)が報じていたら、ジャニーズ事務所に入所していなかったか?」などの質問をする様子を弁護士ドットコムニュースが報じたことで、NHK側が報道するのかどうか注目度が上がっていた。

“歴史的報道”にネットでは「やっとちゃんと報道した」「流れが急激に変わった」などの反響が上がったものの、それも束の間。視聴者数の多い19時台以降のニュース番組では取り上げられなかった。これには

アリバイ作りのような気がしないでもないが、これが精一杯の現場の抵抗なのかも。

殆どの人が見ていない時間にたった2分だけ流して「はいちゃんと放送しました」みたいな態度、受信料を支払っている視聴者をあまりにも蔑ろにしていませんかね?

などの批判が噴出した。元参院議員でタリーズコーヒー創業者の松田公太氏も「NHKの4時は現場の意見が通りやすい枠なのでディレクターが頑張ったのでしょうね」との見立てを披露。「残念ながら上の意向が反映される高視聴率の時間帯では全く出ませんでした」と失望を隠せない様子だった。

こうなると次の展開で想起されるのは、国会や選挙でNHKの体質を追及し続けてきた政女の対応だ。ここ最近はガーシー参院議員の除名や統一地方選最中の内紛が注目を集めているが、衆院選に向け、喜多川元社長の問題は格好の“材料”だ。

実際、3月9日には浜田氏が参院総務委に出席したNHKの林理恵専務理事に対し、「NHKは報じるつもりはあるか」と追及(関連記事)。政女の前身、NHK党創設者の立花孝志氏は政局や選挙の趨勢に合わせて党名を度々変更しており、衆院選に向け、「ジャニー喜多川疑惑を夕方枠でしか放映しないNHKから国民を守る党」などの新党名で話題づくりを狙う可能性もありそうだ。

ジャニーズ事務所はBBCの番組放映後、各メディアに対し「経営陣、従業員による聖域なきコンプライアンス順守の徹底、偏りのない中立的な専門家の協力を得てのガバナンス体制の強化等への取り組みを、引き続き全社一丸となって進めてまいる所存です」などのコメントを発表している。

 

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