朝日、毎日に加え読売も…メディアに広がる「維新警戒網」
「野党第1党」現実味のウラで...衆参補選、統一地方選で「躍進」を印象付けた日本維新の会。次期衆院選で野党第1党の座に駆け上がるのか、政局の台風の目になりつつある中、世論形成にいまなお一定の影響力を残すメディア側の向き合い方も「警戒」の色が濃くなり始めている。
補選では自民が4勝1敗と政権与党として面目を保ったが、唯一落としたのが和歌山1区。選挙戦中盤には岸田首相が遊説先で爆発物を投げられるアクシデントもあり、同情票が集まるのかも注目されたが、蓋を開けてみれば、得票率で5%以上を空けて維新が快勝。統一地方選前半戦で大阪、奈良の両知事選を制するなど維新の勢いは府県境を超えて「保守王国」の一角を切り崩した。
維新はこれまでの野党第1党、立民と異なり、憲法改正や安全保障では保守的なスタンスを堅持。左派メディアは早くもアレルギーを起こし、揚げ足取りに必死だ。
わかりやすいのが日刊ゲンダイ。維新が統一選を経て地方議員数を目標の600人を突破し、774人まで勢力を拡大した裏で、“お膝元”の近畿各地の市長選を取りこぼしたことをすかさず指摘。衆院が早期解散になった場合、地方組織がまだ脆弱だとするジャーナリストの談話を引き合いに「近畿限定政党のくびきから逃れるのは、そう簡単ではない」とディスるのに余念がない。
タブロイド紙の日刊ゲンダイほど露骨ではないが、朝日新聞も見逃さない。補選開票翌日の24日にはデジタル版で「反維新」の論客として大阪で知られるノンフィクション作家のインタビューを配信。「私自身は、維新の政策や政治手法、メディアとの関係に危うさを感じています。しかし圧倒的多数に支持されているのは、彼らの政策や主張に魅力と説得力があるからで、その現実は認めるべきです」と、フェアな批判論を見せつつ、「維新に対抗するには」との小見出しを立て対抗策を模索させた。
毎日新聞は、3年前の大阪都構想の住民投票時に住民コスト増の試算を巡る報道が物議を醸し、維新側も国会演説で毎日を批判するなど激烈に対立した経緯がある。今回の補選・統一地方選では目立って敵対的な論調はなかったものの、客員編集委員のコラムで「「維新」躍進!はいいけど、夢洲カジノが日本をダメにするぞ!」とIR計画を牽制した。
左派・リベラル系のメディアの間で警戒論が広がるのは想定内だろうが、カジノについては読売新聞も露骨に反対論を本格化させた。
26日付の社説で「賭博に頼った成長戦略が本当に適切なのか、大いに疑念を抱かざるを得ない」「健康、長寿を掲げる万博の理念にも、カジノはそぐわない」などと断じた。統一地方選の前半戦が終わった直後の社説(11日付)では、維新などの新興政党が支持を集めることに「現状の政治に対する不満が、こうした投票行動に表れているのではないか」との見方を示し、岸田政権に対し、「維新などが保守層の支持を集めていることを考えれば、自民も安泰とは言えない。首相は着実に政策を遂行し、結果を出していくことが不可欠だ」と“ハッパ”をかける程度だったが、選挙戦終了後のタイミングに、SNSでは、維新のシンパ、アンチを問わず「選挙が終わってから何を言ってんの?」「大阪府知事選の前に言っといて下さい」と冷ややかな見方も出ている。
折りしもこの社説が出た日、愛知県議選で落選した維新公認の候補者が運動員に現金12万5000円を渡したとして、愛知県警に公選法違反(買収罪)の容疑で逮捕される事態があった。組織が急拡大すると、当選した候補者であっても議員活動の質に疑問符がつくような事態は、自民や旧民主でも繰り返されてきた。メディアの「警戒網」が広がるほど、危機管理能力も含め、真価が問われる局面になる。
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