読売新聞が連日“AIバッシング”する理由をChatGPTに聞いてみると…
「『考える』営みをAIに任せていいはずがない」- 広島サミットの注目議題にまでなったChatGPTなどの生成AI
- 新聞各紙は規制と開発の両立論調も、読売は否定的論調で突出
- 社説や連載で否定的な論調な読売。ChatGPTはどう論じたか?
群馬県高崎市で開催されていたG7のデジタル・技術相会合は30日、2日間の日程を終えた。ChatGPTなどの生成AIの急速な進化にG7がどのように向き合うのか注目された中、共同声明に「責任あるAIとAIガバナンスの推進」が盛り込まれて採択。19日に広島で始まる広島サミットの議論につなげた。
サミットの注目議題にまでなりつつあるAIの普及。この間、日本の政治・行政の現場でも、国会質問でChatGPT使われたり、自治体が試験的に利用したりするなど試行錯誤が続くが、新聞各社も社説で「功罪ふまえたAI規範へ冷静な議論を」(日経4月9日)、「広がるチャットGPT 利便性に偏らない議論を」(毎日4月23日)といった具合で、規制と開発の両立をにらみながらの議論を提起している。
そうした中、ネット民の間で「連日批判的な記事を載せている」と指摘されているのが読売新聞だ。
連日一面で“AIバッシング”
野党議員がChatGPTで国会質問を作成し、西村経産相が答弁作成に活用することを述べた際には「国会答弁は単なる発言ではない。その重みを忘れてはいないか」と苦言(4月14日社説)。西村氏の発言直後には、「専門家からは情報管理の安全性を懸念する声や、導入の効果を疑問視する指摘が出ている」と酷評した(4月12日)。
政治行政の現場だけでなく、教育への影響にはなおさら目を釣り上げる。大学で学生のAI利用のルール化など教育現場の対応が焦点になると、書き出しから「人間の思考を代替させるような使い方は、極めて問題が大きい」と豪速球。「人間本来の『考える』という営みをAIに任せていいはずがない」と否定的に論じた(4月25日社説)。25日からは3日連続で「衝撃・生成AI」と題した連載を一面で展開。初日は「犯罪に悪用 質問次第」(25日)、2回目は「著作権の保護 曖昧」(26日)、3回目は「前のめり 規制後回し」(27日)といった具合に、これでもかと“AIバッシング”に精を出す。
連載が終わった翌日も抜かりない。日本の著作権の規制が他国より緩いために、AIに著作物が侵害されやすい問題が注目されると、すかさず一面トップに掲載(28日朝刊)。ネット向けの見出しでは、著作権法に詳しい大学教授が他国の研究者からぶつけられた「なぜそこまでAI開発を優遇するのか」との疑問を使うなど、否定的なトーンを紙面以上に強調した。
ChatGPTはどう答えた?
デジタル教科書を巡っても、社説や連載で否定的な論調に終始した読売のスタンスには“紙本主義”と揶揄までされているが、他紙と比べても突出した読売のアンチAI論調について、当のChatGPTはどう答えたのだろうか。
編集部で「読売新聞は、ChatGPTなどAIサービスの利用について他の新聞社よりも厳しい論調ですが、どうしてそうなってしまったのでしょうか」と尋ねたところ、
ChatGPTは「私は日本の新聞業界について正式な情報源を持っていませんが」との断りを入れつつ一般論として「読売新聞が他の新聞社よりもAIサービスの利用について厳しい論調を持つ理由」を挙げていった。そして
まず、読売新聞は日本で最も歴史のある新聞の一つであり、その伝統や信頼性を守ることが求められているため、新しい技術や手法の導入については慎重な姿勢を取ることがあるかもしれません。
と伝統による保守的なスタンスがあるのではと考察。さらに
また、読売新聞は一貫してジャーナリズムの倫理規範や社会的責任について高い基準を設けており、AIによる情報収集や分析がこれらの基準に沿って行われることを求めている可能性があります。
と報道機関としての責任感の高さを指摘。続けてChatGPTは読売が最大部数紙であることを念頭に
さらに、読売新聞は日本のメディア市場において圧倒的な存在感を持っており、その影響力の大きさを理由に、他の新聞社よりも慎重な姿勢を取ることがあるかもしれません。
と推察してみせた。最後に「確かな情報を持っているわけではありませんので、あくまで推測に過ぎません」との但し書きをつけてはいるが、読者のあなたはどのようにお感じになられただろうか。
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