韓国ロッテリアで「ゴキブリ騒動」…日本と違いロッテの経営権継続も、問われる立て直し

被害者「事件をもみ消そうと...」
  • 韓国のロッテリアで勃発した“ゴキブリ騒動”の顛末
  • 経営権を売却した日本と違い、韓国は引き続きロッテグループ傘下
  • 男性が「大きな怒りを覚えた」と語るワケ、問われた会社側の対応

ロッテグループが2月にゼンショーへの経営権売却を発表したロッテリア。日本と逆に韓国では外資系のマクドナルドよりも圧倒的に店舗数が多いファストフード業界の「ナンバーワン」だが、韓国の事業はロッテグループが経営権を引き続き持っていることは日本で知られていない。

これも日本メディアでは報じられていないが、そんな「好調」の韓国ロッテリアで先月、“ゴキブリ騒動”が起きて国内に衝撃を与えた。

ソウル市内のロッテリア店舗(※現場の店舗は別です。Julien Viry /iStock)

聯合ニュース(4月19日)によると、騒動が起きたのは4月12日午後6時ごろ。京畿道在住の男性が8歳の娘とロッテリアの店舗に入り、セットメニューを注文。男性がコーラをまもなく飲み干すところでコップの中を見ると、氷の上で生きたゴキブリが動いていた。ゴキブリの大きさは氷と同じほどの大きさだったという。

当然のことながら男性は店員に抗議。名だたる大企業グループの食品店での不衛生を問題視した男性は、食品の安全を所管する政府の食品医薬品安全処衛生に通報した。この時、ロッテリア側からは当局への通報をしない代わりに100万ウォンの補償金を持ちかけられたが、それを蹴ったという。

男性が提供したとみられる証拠画像もセンセーショナルに報道(出典:聯合ニュース電子版)

男性は聯合ニュースの取材に応じており、「コーラをほとんど全部飲んで、最後の一口をストローで吸いながらコップの中を眺めたが、とても衝撃的で嫌悪感だった。娘がそのコップのコーラを飲んでいたらと思うと、さらに大きな怒りを覚えた」と怒り心頭のようだ。騒動があった後も、問題の店舗が平常どおりに営業される様子に失望や嫌悪感を抱き、「事件をもみ消そうとばかりしているようで、もっと呆れて荒唐無稽な気分だった」と心境を語っている。

聯合ニュースは男性が店舗のお客様の声に書きつけた怒りの内容まで紹介するほどセンセーショナルに報じており、日本以上に国内で影響力のある韓国のネット世論にも波紋を広げたようだ。当局側もさすがに看過できず、5日間の営業停止処分に。業務改善命令や過料よりも重たい処分となった。韓国ロッテリアの関係者は「定期的に掃除をしているが、現場の店舗があまりに老朽化していた」と釈明。5日間の営業停止処分の後も、さらに2日間自主的に営業を停止し、防疫措置を講じたという。

折りしも日本のロッテリアは4月1日付で経営権がゼンショーグループに譲渡されたばかり。日本の店舗では衛生面のことで表面化した不祥事はなく、2015年にポテトフライのご当地商品のネーミングの際に誤って他社の商標権を侵害した問題を起こしたくらいだが(発覚して間もなく販売中止)、経営母体が変わり「すき家」でおなじみの“ゼンショー式オペレーション”導入が予想されることからも、日本への影響はないとみられる。

しかしロッテグループが引き続き経営権を持つ韓国では今回の騒動によるイメージダウンは小さくなさそうだ。グループ全体の経営としても近年トップの重光昭夫会長の有罪判決や経営不振が報じられてきた中で、社名を冠した飲食チェーンでの不祥事とあって「弱り目に祟り目」(ロッテグループのウォッチャー)。グループ売り上げの9割を占める韓国内で名誉挽回できるか問われている。

(関連記事)ロッテリア売却の背景、グループ創業者長男が示した「懸念」

 
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