SBI新生銀行TOB、日経のフライング報道に北尾節さく裂「聞きかじりで流すとは最低」

「早く出す、遅く出すが問題ではない」怒りの理由は?

SBIホールディングス(HD)は12日、傘下のSBI新生銀行のTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。

一度上場を廃止し、株主をSBIHDと国の機関(預金保険機構、整理回収機構)に絞り込んだ上で、3500億円の公的資金返済への道筋を探る方針を本格化させた。

記者会見したSBIホールディングスの北尾会長兼社長(編集部撮影)

この日は夕方からSBIHDの3月期決算の発表会見も予定されていた。会見途中、TOBのリリースが正式に公表されたが、日本経済新聞が13時45分、電子版で「SBI、「新生銀行」をTOBで非上場に 公的資金返済に道」と題した速報をいち早く報じた。読売新聞オンラインも14時55分、追随するなど各社も一斉に追いかけたため、会見に参加した記者たちの注目は、北尾吉孝会長兼社長がTOBについてどのように発言するかに集まった。

しかし北尾氏は日経が初報でTOB価格を「3000円」と書いていたことを問題視。「3000円って言って、うちが出しているプライスは2800円だ。だーっと買いに行って、どういう損を投資家にかけるのか。別に早く出す、遅く出すが問題ではなくて、メディアの仕事は正確に出すことが一番大事なこと」と指摘。

その上で、「インサイダーインフォメーション(情報)に極めて密接に絡んでいる情報を中途半端な聞きかじりで流すなんていうのは、僕はメディアとして最低だと思うね。こういうことをやってたら誰も応援しなくなる」と一喝した。

以前から記者会見でメディアに対し忠告している北尾氏だが、TOB報道に関する苦言が出る前には、報道各社の「証券大手5社」の定義への苦言も。

証券市場の報道では、野村みずほなど対面営業の大手各社が主要プレイヤーに挙げられがちだが、3月期の通期業績比較で、SBIが野村を営業利益や経常利益で抜いてトップに立っていることや、楽天、松井、GMOなどのオンライン勢が上位で健闘していることを踏まえ、「一体どこが大手なの」と皮肉含みに疑問を呈していた。

なお、北尾氏に名指しされた日経電子版だが、更新版では「買い取り価格は1株2800円」と“訂正”していた。

 

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