維新の教育無償化「やり続ける」ための条件、大阪をアジア屈指の経済都市にできるか?

60年来の構造問題打破へ、「吉村世代」の挑戦
報道アナリスト/株式会社ソーシャルラボ代表取締役
  • 大阪維新の教育無償化を進める上で、将来的に危惧される景気後退
  • 大阪の経済が抱える60年来の構造問題とは?低成長どう打破する
  • バイオ、特区は有効。国際金融に「助っ人」も…吉村世代の挑戦

維新が本拠地の大阪で進める教育無償化について、減税派が反発し、近年は主要新聞社の苦言が減っていることについては前回の記事で述べたリンクはこちら

大阪府の概算では高校・大学合わせて毎年420億程度かかるが、一般会計の1%規模とはいえ、「未来への投資」になるのか「新たなコスト」になるかは、今後の経済成長を導き出すかどうかで説得力が変わってくる。減税派は、低成長から抜け出せず、不景気が追い打ちすれば税収が減り、教育無償化の「負担感」が目立つ可能性を憂慮している点への回答にもなるからだ。

新たな維新の二枚看板、吉村氏と横山氏(大阪維新の会サイト)

吉村知事などの維新幹部から「投資」によってどのような「リターン(未来)」を作ろうとしているのか、選挙演説などで具体的に語っているのかといえば微妙なところだ。一つ「指標」としてうかがえるのは都市間の人材獲得競争だ。

長らく維新の行革ブレーンだった上山信一氏はコロナ前から「関空再生、鉄道、道路のキャッチアップの次は人材の確保、育成が課題。留学生や移民の受け入れ巡る都市間競争」と指摘していたが、確かに子育て支援を手厚くした兵庫県明石市が10年連続で人口増を実現したが典型で、2010年以降、減少トレンドに入った大阪の人口に一定の対策にはなるかもしれない。

しかし、子どもを育てる親たちの有望な働き場、稼ぎ所もなければ移住と成長の両立は難しい。その意味で言えば、大阪自民から維新の統治に移行した後も大阪が好転できていない根っこの経済構造問題がある。

60年来の構造問題

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報道アナリスト/株式会社ソーシャルラボ代表取締役

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