「利水ダムを洪水調整に」菅前首相のツイートにガースーファン「ありがとう」

目立たないけど八ッ場ダム50個分相当

菅前首相が5日夕、ツイッターを更新。台風2号や梅雨前線の活発化による浸水被害が相次いだ中、ダムの事前放流に言及した。

菅義偉前首相(編集部撮影)

菅氏は「官房長官の頃に指示して、利水ダムを洪水調整に使えるようにするなど、ダムの事前放流の運用を大きく見直しました」と振り返った上で「今回の豪雨災害で、31ヶ所の利水ダムを含む合計 55ヶ所のダムで事前放流が実施されました」と報告。今後に向けて「降雨の予測精度を高めるなど、更に被害を減らす取り組みを進めます」と決意を述べた。

ダム運用見直しは、菅氏の規制改革、縦割り打破の象徴的な取り組みだ。官房長官を務めた安倍政権の後期は「平成30年7月豪雨」で死者224人、住居全壊6758棟の歴史的な被害が出るなど豪雨対策が喫緊の課題になった。

全国のダムには、国交省が治水用などに管轄する「多目的ダム」が当時500を超える数で使われている以外に、農水省管轄の農水用や経産省管轄の電力用など「利水ダム」が900以上存在していた。

しかし利水ダムは事前放流などの洪水対策に活かされておらず、国交省の担当者が活用を提案したのを受けて、菅氏は採用。2019年11月、官邸内に「既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議」を設置するなど省庁の枠を超えた一体的な災害運用を進めた。翌年6月、同会議の締めくくりで菅氏は「拡大できた要領は(群馬県の)八ッ場ダム 50個個分に相当する」と成果を強調した。

菅氏のツイートにフォロワーなどから「素晴らしい仕事ぶりに感謝します」「目立たないですが大切なこと」「ガースーえらい」などの好意的なリプライが相次いだ。

永田町で早期解散論がくすぶる中、菅氏はここに来て超党派の日韓議連会長として尹錫悦大統領と会談、故郷の秋田・湯沢市で自らの胸像の除幕式に出席するなど相次いでニュースに登場している。自民・公明の関係悪化により、かつて公明とのパイプ役を務めた菅氏の発信への注目度が高まりそうだ。

 

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