株の暴落はいつ起こる?過去のデータを振り返れば99%予測できる

FOMCとパウエル発言から未来の相場を読む
2021年06月20日 06:00
株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役
  • 株価暴落リスクの読みは投資家を悩ませるが、明確な基準となる指数が存在
  • FOMCが2023年末までに2回の利上げを示唆。遅くとも来年後半からの緩和終了か
  • FRBは過去の反省からメディア戦略で地ならし?今後流れを読んだ出口戦略を

株に投資をしていると、いつ急落や暴落がいつ来るのかと、不安になってしまうものです。もちろん、自分の虎の子のお金を投資する以上、先々の経済の動きやリスクに敏感になるのは大切なことですし、臆病であるのは決して悪いことではありません。むしろ、リスクを先回りして投資をすれば、大きく失敗したり、大切な資産を失うことも減らせます。

D-Keine/iStock

ただ、リスクはなかなか予測しづらく、投資家をおおいに苦しめます。経済や株価指数のどこを見ればいいのか、学校が教えてくれたはずもなく、判別が難しいからです。

しかし、こと株式投資においては、実は明確な基準となる指数というのが、この世に存在しています。今日はそのことについて話しましょう。

コロナバブルの終焉はすでに始まっている?

先日、バークレイズの複数のエコノミストが、「米金融当局が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で債券購入のテーパリング(段階的縮小)を正式に発表。月間で日本円して約13兆2500億円の買い入れペースの減速を今年の冬頃にも開始するのではないか」とコメントを示しました。

FOMCは日本でいう日銀会合に当たります。そしてこれは、バブルに近い現状の経済や金融の動きを警戒しての発言だと思います。

実際、2020年からはじまった新型コロナウイルスと、それにともなう世界的な流行によって、多くの企業が経営危機に陥りました。日本は雇用を守るため、国が様々な保護政策を打ち出しています。一方、より事態や状況が深刻化していたのがアメリカです。

アメリカは基本的にはリストラへの厳しい法案が、日本や欧州のようにはなく、そのためコロナ蔓延の翌月には、リーマンショックをしのぐほどの失業者が国中にあふれかえりました。

※引用出典元:産経新聞

意外と知られていませんが、今回の失業率の急激な増加は、実はリーマンショックよりも遥かにしのぐ深刻なものでした。

さらに、米国の中央銀行を苦しめたのが、瞬間風速的な急上昇です。たった1か月で1000万人近くの雇用が失われたうえ、金融業のリストラが相次いだリーマンショックと違って、ホテル業や飲食業など、比較的、低所得者の雇用が失われたのが特徴でした。

彼らにとって、失業は、そのまま家族の衣食住を奪われることを意味します。貯えや失業手当も、いわゆる金融業のそれとは比較にならないでしょう。

それが、戦後最大という規模でどんどん膨れ上がっていったわけです。筆者は、この状況は、映画「シンゴジラ」のような状態だったと想定します。当然、治安も悪くなります。大都市では暴動も起きかねません。実際、当時のアメリカはそこまで危機的レベルにあったわけです。

これらのリスクに対処するため中央政府が行ったのが、これまた戦後最大の作戦ともいえる金融政策でした。これにより、一国の国家予算を遥かに超えるマネーが民間や公共事業に流れて、働くよりもはるかに手厚い給付金が失業者にばらまかれました。

結果、行き場を失ったマネーの一部が株や仮想通貨に流れ込み、今回のバブルに至ったというのが、メディアがあまり語らない真実です。

コロナで格差はさらに拡大

さらに、アフターコロナへの景気拡大の期待感から、物の物価も急上昇しはじめています。富裕層向けの高級車ぐらいなら、程度は知れていますが、インフレはすでに低所得者にとって必要な衣類や穀物などの生活必需品にまで及んでいます。

※出典:第一生命経済研究所より抜粋

さらに、木材まで世界中で不足しています。これは、多くの富裕層たちが投資用の住宅をこぞって建設しているからです。木材がこのまま高騰を続ければ、同じく、本当に住む家を必要としている人たちの住居が奪われます。

プロ投資家は株の出口戦略をこう捉える

では、今回のコロナバブルを終焉させるにはどうすればいいでしょう。簡単です。中央銀行によって生み出されたバブルのわけですから、新たに引き締めをすればいいだけです。

先週発表された発表によると、金融引き締めにつながる金利予測分布図、いわゆるドット・プロットは大きく変化していました。

FOMC(米連邦公開市場委員会)は金利の利上げについて、失業率の回復が見込まれていることと、確実に経済が回復していくなかで、2023年末までに2回の利上げを見込んでいることを示唆しました。

2024年と思われた金融引き締めが、2023年に前倒しされたわけです。すると、それよりも先に、テーパリング、いわゆる日本銀行が行っているような量的金融緩和の縮小も行われることになります。つまり、遅くとも来年後半からは、いよいよ金融緩和の終了が視野に入ってきたわけです。

ただ、今のところ市場はパニックに陥るどころか、比較的冷静に対応していると私は見ています。

これはおそらく、2013年5月のバーナンキ・ショックという反面教師があるからでしょう。

当時FRB議長だったバーナンキ氏は「このままでは、金融の引き締めが将来必要だ」と発言しました。その直後、世界中の株価が一斉に暴落するパーナンキ・ショックが起こったのです。

これを十分に研究している今回のFRBおよびパウエル議長は、常に慎重な言い回しを続けてきました。

FRBが神経質なのは、これまでのFOMCでの発言の経緯を見ればわかります。

FRBパウエル議長(FRB公式flickr

もう出口戦略を練る段階だ

私は投資家であると同時に、広報マーケティングのコンサルティング会社を経営しています。今回のこの手法はおそらくメディアにあえてこれらの記事を書かせることで、市場やSNSの発言をAIを使って巧みに分析したうえで、すでに既成事実として人々の心理に根付かせる作戦があったのでしょう。

あまり語られていませんが、これはかなり功を奏しています。今回のFOMCのリーク作戦(あくまで私の仮説ですが)と、巧みなメディア戦略によって、テーパリングはすでに過去の産物と化してしまっているからです。これは、以下の記事からも見て取れます。

(ブルームバーグ)米テーパリングは2022年早期に開始、正常化に向け一歩-JPモルガン

もう、テーパリングの発表に、「1本取られた」と度肝を抜かす投資家はほぼ皆無でしょう。こう見ると、メディアもまた政府の外郭団体として動いていると、とプロの視点からは見えてきます。

センスではなく、過去の徹底したリサーチと再現性。これは、私の投資セオリーです。

全世界の株価が同時暴落したショックが記憶にあるだけに、パウエルだって無能とは言われたくないでしょう。どちらにせよ、今後はコロナからの回復から、金利上昇と株価下落時期に、焦点が絞られてくることが予想されます。市場は人々の心理で動きます。ほとんどの投資家がそこに向けられた時点が「頂点」となり、そこから下落していくものと思われます。

大切なのは、その流れをどう読み取り、出口戦略を練っていけるか。このコラムの読者には、常に出口に賢明であってほしいと願っています。

株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役

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