なぜ社会から嫌われ者の「たばこ」の増税を許してはならないのか

「加熱式たばこの増税反対署名」のススメ
国際政治アナリスト、早稲田大学公共政策研究所招聘研究員
  • 防衛増税で焦点のたばこ増税を許してはいけない理由を改めて
  • 「社会の嫌われ者」でも一旦増税を認めてしまうと何が起きるか
  • 「加熱式たばこ」増税反対に3万人が署名、24年の増税は見送りだが…

現在、防衛増税の是非が正念場となっています。防衛増税は所得税、法人税、たばこ税を増税することで、防衛費2倍増の予算を捻出しようという試みです。

筆者はその中で、特に「たばこ」増税について拘ってきました。所得税や法人税には増税に反対する勢力が存在しており、たばこ増税には反対する勢力は依然として少数だからです。

beauty-box /PhotoAC

たばこ増税を認めてしまうと…

役所は「増税できない」となったとき、初めて既存の無駄遣い見直しやヘソクリの掃き出しを行います。そのため、たばこも含めた反増税の鉄のような壁を築くことが大事です。

仮に、たばこ増税を認めた場合、その数千億円分の無駄見直しやヘソクリの掃き出しは行われず、政府は不必要な予算支出や基金貯め込みを行うことになります。

また、増税は経済環境に負の影響を与えます。「たばこ」という社会の嫌われ者であったとしても、たばこに増税することは主に低所得者の可処分所得を低下させます。

つまり、たばこ増税に反対することは、行政改革や可処分所得増加に繋がることになります

実際、2024年度については、国民からの反増税の頑強な声があったため、防衛増税は見送られることになりました。そして、財務省は「少なくとも1兆円を超える追加の財源を増税せず、外国為替資金特別会計の2022年度の剰余金が上振れを利用」できると白状しました。これは安易に上述の3税の増税を認めていれば起きないことでした。

特に、次回のたばこ税増税は「加熱式たばこ」に対して行われるものです。加熱式たばこの普及は、①ハームリダクション(害低減)、②寝たばこの防止、③喫煙率の低下などの観点から、紙巻きたばこから移行が急がれる商品ですが、そこにあえて課税するというトンデモな内容です。

「加熱式」増税反対、3万人が署名

Haru photography /PhotoAC

既に「加熱式たばこの増税に反対する署名請願!」が開始されており、既に3万人以上が署名する国民的な動きとなっています。同署名は自民党の田中和徳税制調査会副会長に提出されており、今後更に数を集めて再提出するものと主催者から伺っています。田中副会長は加熱式たばこの増税には反対の立場であり、実務者に対して好意的なアクセスを実現している実践的かつ効果的な署名は他には無いものと思います。

加熱式たばこの増税に反対する署名請願!

加熱式たばこの普及率は徐々に高まってきており、この流れに水を差すことは行政改革、可処分所得増加、公衆衛生の改善などの様々な観点から望ましくありません。

結局、自民党税調は2024年の増税は一旦見送りましたが、宮沢洋一自民党税調会長は25年度または26年度からの実施で調整しているとのことです。しかし、仮に2025年の増税を再度見送ることができれば、経済成長による税収増が明確となり、再び増税の必要性がないことが証明されることになるでしょう。今、必要なことは可能な限り増税を先延ばしし、その間に再度増税を潰すことです。

ほんの僅かな増税すら許さず、全ての増税に反対することは、政府の無駄を改革するという意味で一丁目一番地です。

【関連書籍】 渡瀬裕哉さんの著書『無駄(規制)をやめたらいいことだらけ 令和の大減税と規制緩和』(ワニブックス)、好評発売中です。

※クリックするとアマゾンへ

 
国際政治アナリスト、早稲田大学公共政策研究所招聘研究員

関連記事

編集部おすすめ

ランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

人気コメント記事ランキング

  • 週間
  • 月間

過去の記事